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「夏の靴下工場」ってどんな感じ?

「夏の靴下工場」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?

機械に囲まれた部屋は、なんだか暑そう…と思うかもしれません。
実は、夏の靴下工場の中は快適なことが多いです。想像と違いましたか?
機械を動かす部屋は、肌がひんやりするくらいの気温と湿度に保たれています。

快適な理由:糸の品質管理に必要だから🧵
靴下の編み立てに使う糸は、室内環境の影響を受けやすいです。
湿度が一定ではない環境や日当たりが良すぎる場所に長い期間置いておくと、糸本来のパフォーマンスを発揮できなくなることもあります。
なので、糸を扱う工場内では室内環境をある程度均一にする必要があります。

そして、ナイロンソックスやタイツ・パンストなどを編む時に使用する化学繊維は、もっとデリケート。
化学繊維と聞くとタフなイメージがあるかもしれませんが、細く細く加工された化学繊維はとってもナイーブです。

そんなナイーブな糸を仕入れてすぐの状態で編むと、編み立て中に切れてしまうこともあるんです。
なぜか。
それは、糸屋さんから移動してきてすぐの化学繊維にとって、靴下工場はまだ慣れない環境だからです!

それを防ぐために、細い化学繊維を使用する靴下工場の場合、靴下を編む前に「エイジング」という工程を挟みます。
エイジングとは、糸を工場の湿度に慣らすこと。まずは工場の環境に慣れてもらうべく、だいたい1週間〜1ヶ月の期間をかけてエイジングを行います。


ナイロン糸の品質管理の難しさについて、こちらの記事が分かりやすいので、もし気になった方は読んでみてください。


あと、靴下の機械は基本的に鉄でできていることが多く、涼しい環境でないと熱を持ってしまいます。
それを防ぐためにも、室内を涼しく保つことが大事になります。

このように、工場のみなさんによる様々な工夫によって、お客様の元に高品質の靴下が届けられていきます。


私が子供の頃は、夏休みの時期になるとよく実家の靴下工場に涼みに行っていました。工場の天井に張りめぐされた大きなパイプには、いくつかの排気口があり、そこからクーラーの涼しすぎる風が出ていました。排気口の真下に立つと、寒いくらいでした。


今回は「夏の靴下工場」をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
季節別に工場についてご紹介するのも面白いかもしれませんね(。・ω・。)

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