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日本人観光客に頼らないハワイに。もはや日本人は不要かも?ハワイ観光統計から見えてくること。

8月に公表されたハワイ観光統計から見えてきた、日本人渡航者の影響力の変化についてまとめてみました。
https://www.allhawaii.jp/business/article/travel/790/


日本人出国者数の推移

過去10年の統計によると、日本人出国者数の推移は2019年のピークからコロナで激減したものの2023年は実績ベースで回復基調となっています。

日本政府観光局(JNTO)によると、2024年6月の日本人出国者数は前年同月比+32.3%となっており景気が良く見えますが、コロナ前と比較すると 2019年比-38.8%とまだまだ回復してないのが現状です。https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20240719_monthly.pdf

ハワイへの渡航者数の変化

次に、ハワイ観光統計によると、ハワイへの渡航者数を見てみると、2019年比92%(6月時点)とハワイ全体の観光客はほぼ回復しているのがわかります。
https://www.allhawaii.jp/business/article/travel/790/

2024年6月:渡航者数 [千人]

一方で、日本からの渡航者に注目すると2019年比44%(6月時点)程度にしか回復していません。コロナが収束しましたがハワイを訪れる日本人の数は半分以下になっているということです。全渡航者数は回復して来ているため、相対的にハワイにおける日本人観光客の存在感が薄れてきていることを意味しています。

ハワイ渡航者の消費額の変化

次に、地域別に見た消費額の変化を見てみましょう。

2024年6月:消費額 [億ドル]

全渡航者でみると消費額の合計額は増加しています。これはハワイにおいても世界的なインフレの影響が出ていると考えられます。一方で、日本人渡航者の消費額は著しく低下しています。そもそも渡航者数が減っているからです。

さらに渡航者の一人一日あたりの消費額を見てみましょう。

2024年6月:一日当たりの消費額 [億ドル]

インフレの影響があるはずなのに日本人の消費額だけが減少しています。このことから日本人が以前に比べ費用を節約していることが伺えます。外食を控え自炊したり、日本から食料を持ち込んだり、ホテルのグレードを落としたりといった工夫をしてるようです。

また2019年には他の地域に比べ『お金を使ってくれた』日本人が、そうではなくなっているようです。経済効果的にも日本人の存在感が薄れてきていると言えます。

ハワイは今も楽園なのか

物価の高騰、長引く円安、海外旅行の市場には逆風が吹いていますが、日本人にとっては今も尚『ハワイはどうしても訪れたい楽園』であると言えるかもしれません。

一方で日本人の海外旅行先の選択肢が増えています。特にアジア圏(韓国、台湾、タイ、ベトナムなど)の観光地が人気で、物価が比較的安く、短時間で訪れることができるため、ハワイよりも魅力的に映ることがあります。

さらに、日本人はお金を使わなくなっているため、これまでのような日本人向けのサービスなどは今後増々に減少していく可能性があります。

日本人客をあてにしたビジネスは限界を迎え、米国内の渡航者にターゲットを絞ったビジネスモデルへの変化が求められるでしょう。

徐々に日本人にとって居心地の良い環境が失われていき、日本人離れが進み悪循環に陥る……そうならないことを祈って。

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