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【老舗をゆく】創業明治17年「直利庵」の季節の変わり蕎麦が美味しい
盛岡市の河南地区で「東家」と人気を二分する老舗蕎麦店「直利庵」。「東家」が観光客で週末満席・行列になる一方で、「直利庵」は観光客もですが、地元リピーターが多い印象です。
明治維新があった1868年から17年後の1885年(明治17年)に創業した老舗の魅力に迫ってみます。
⚪️基本の「ざる」
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午前11時に開店する「直利庵」は、盛岡バスセンターから徒歩1分のところにあり、今からおよそ140年前の1885年(明治17年)に創業した、盛岡でもだいぶ老舗の部類に入る蕎麦店です。
なお、同じ老舗蕎麦店で中ノ橋通にある「東家」は、創業が1908年(明治40年)となっていますが、なんと盛岡には1618年(慶長5年)に創業した本町通の「橋本屋」という蕎麦店がありますので、「橋本屋」>「直利庵」>「東家」という古さになります。
ちなみに「橋本屋」については、こちらのnoteで少しだけ触れています。
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蕎麦屋の基本「ざるそば」は一枚1,000円。つやつやの更科系の蕎麦は香り高く喉越し良いものなのですが、海苔の風味が素晴らしく高いのも特徴です。
つゆは鰹が香り、昆布の旨みが効いた辛めのもので、蕎麦との相性抜群なのは言うまでもなく、蕎麦湯を合わせるとき、黒胡椒をぱらぱら振ると、これまた最高に美味しくなり、延々と蕎麦湯が飲めてしまいます。
ウチのムスメは、小さい頃から「直利庵」では「ざるそば」一本槍です。
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⚪︎ぜひ食べてもらいたいのが「季節の変わり蕎麦」
【春】たらぼ天そば
【夏】冷たい野菜そば
【秋】松茸そば、初茸そば、あゆそば
【冬】たちこそば、牡蠣そば
などなど、「季節の変わり蕎麦」が楽しく美味しいのが「直利庵」です。個人的には、冬の「たちこそば」が好きです。
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なお、季節の変わりそばは、一部を除いて時価となっています。「松茸そば」は怖くて食べたことがありません(笑)
わたしが好んで食べる「たちこそば」は、真鱈の獲れ次第になりますので、1,500円〜といったところでしょうか。あ、「たちこ」は、「たらきく」とか「だだみ」とも東北地方で呼ばれる真鱈の精巣のことです。
この日お邪魔したときも、「たちこそば」お目当ての常連さんが、開店直後から来店していました。
なお、妻も「たちこそば」を食べたので、ふわっふわクリーミーな「たちこ」を一つわけてもらいました。
あ、写真は撮り忘れたので、公式サイトから見た目はご覧ください。
⚪︎蕎麦屋のラーメン(中華そば)が旨いのです
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この日わたしは、妻が「たちこそば」、ムスメが「ざるそば」と王道メニューを注文した一方で、「直利庵」で人気の一品「中華そば」を注文しました。一杯900円です。
あっさり醤油ベースの一杯は、店内で打った麺が使われており、何度食べても飽きのこないバランスの取れた味わいです。
「ちょっとスープ飲ませて」と妻とムスメが横からレンゲでスープを味見します。
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で、さらに地元客の支持を集めるのが「カツ中華」1,400円です。さくさくのカツがスープに沈んでいるのですが、不思議と衣はダレないので驚きです。
しっかり食べたい方にオススメですが、揚げ物に弱くなったわたしは、最近はスタンダードな「中華そば」の方を選んでしまいます(笑)
なので、写真は少し前に食べたときのものになります。
⚪︎蕎麦酒するにも最高なのです
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こちらの蕎麦店、酒を呑るにも最高の店でして、蕎麦前の充実加減が半端ありません。
この日は酒は呑みませんでしたが、壁の短冊に「鯵の卯の花和え」を見つけたので、ついつい注文してしまいます。
脂の乗った鯵を軽く締め、甘酢で味を調えた卯の花(おから)で和えたという、酒肴として最高の一品です。
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一部ですが、酒と酒肴がこちら。「ぬき各種」も嬉しすぎます。「ぬき」は基本蕎麦屋の裏メニューですが、こうやって示してくれていると注文しやすくて助かります。
なお、「ぬき」とは、タネモノの蕎麦から麺(蕎麦)を抜いた一品をいいまして、例えば「天そばのぬき」と注文した場合は、蕎麦つゆに天ぷらが浸した一杯が供されるということになります。
わたしの場合は、紅葉漬(鮭の身といくらを米麹で漬け込んで醗酵させたもの)ともう一品ツマミをとり、そば前(酒)を二合ほど呑んだあとに「もり」を手繰る、というのが「直利庵」でのスタンダードな呑み方となります。
あ、そば前の代わりに焼酎の蕎麦湯割りとすることもありますかね。それと真夏はビールにしますかね、そういえば(笑)
ということで、個室もあり、座敷もありなので、日常使いからお祝いごとまで、幅広くも使えますので、観光でいらした方にもぜひとも訪れていただきたい名店なのです。
ではでは。