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旅とカメラ📷️|旅行用カメラの選び方

こんにちは、旅犬です。

最近だいぶ秋めいてきましたね。秋といえば行楽の季節。皆さんどこか出かける予定はありますか? ぼくは月末にでもまた旅に出ようかと思っています。

ところで、皆さんは旅先で写真は撮りますか? ぼくは結構撮る方です。むしろ写真を撮りに出かけていると言ってもいいかもしれません。

旅の思い出を写真に残すのって良いものですよね。写真があるのとないのとでは、あとから思いだす時に雲泥の差です。というか、写真がないともう何も思い出せません。ぼくの脳は日に日に退化していっています。

昨今はスマートフォンの普及と内蔵カメラの高品質化で、わざわざカメラを買わなくてもスマホでどこでも写真を撮れるようになりました。スマホに比べて一眼カメラは、重いしかさばるしネットに直接投稿できないし、不便なことが多いです。しかし、趣味で使う道具に求められるのは利便性だけでは有りません。むしろちょっと不便なくらいが楽しいと、ぼくは思います。

というわけで、今回はスマホ全盛期の今、あえてカメラを買おうと思っている旅人たちに向けて、「楽しさ」と「性能」の2つの観点から、カメラの選び方、またぼくが実際に使ったことのあるおすすめのカメラを紹介したいと思います。


旅用カメラの選び方

旅用にカメラを選ぶ際に重視すべきポイントを紹介します。個人的な感想が多分に含まれますが、実際にカメラを持って40カ国程度をまわった結果の感想ではあるので、ある程度参考にはしていただけるかと思います。

1. ミラーレスか高級コンデジがおすすめ

デジタルカメラは主に一眼レフ、ミラーレス一眼、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)に大別できます。この中で一番軽く小さいのがコンデジで、逆に大きくて重いのが一眼レフです。

一眼レフとミラーレスの違いは、カメラ内にミラーが存在するかどうかです。ミラーレスはその名の通り、ミラーがありません。このミラーが何に使われているかと言うと、レンズから入ってきた光を反射させ、ファインダーに届けています。つまり、一眼レフのファインダーを覗いた場合、レンズを通して実際に被写体を直接見る形になります。

対してミラーレスはミラーが存在しないため、光を反射させることができません。レンズを通った光は直接カメラ内のイメージセンサーに照射され、デジタルの映像として背面のモニター、もしくはファインダー内に設置された小さいモニタ-に映されます。

つまり一眼レフが直接被写体を見るのに対して、ミラーレスは一度デジタル化された映像をモニター越しに見ることになります。当然ながら一眼レフのほうが自然に見えます。ミラーレスは一眼レフに比べると、どうしてももっさりしている印象です。

もっとも、最近のミラーレスはかなり技術が進歩しているのでそれほど気になりません。むしろ一眼レフと違い一度デジタル化することで、撮影後にどのように写るか(背景がどのようにボケるか、明るさがどの程度補正されているかなど)がリアルタイムで確認できる点がメリットとなります。また、ミラーが無いので一眼レフよりミラーレスのほうが小さくて軽いです。個人的には一眼レフは大好き(Nikon Dfを愛用してます)が、旅用と考えるとあまりメリットがないので、ミラーレスのほうがおすすめです。

一方で一眼カメラ(一眼レフ、ミラーレス一眼)とコンデジの違いは、レンズが交換できるかどうかです。コンデジは基本的にレンズ交換ができません。そのため、撮影できる画角の範囲がある程度、場合によっては完全に固定されます。これはデメリットのように思えますが、レンズをどう選べばいいか分からない初心者や、あまりこだわりのない人にとっては、選ぶ必要がなくなるという観点からメリットとも言えます。

また、一般的にコンデジは一眼カメラよりもセンサーサイズが小さいです。基本的にセンサーサイズが大きいほうが高画質な写真が撮れ、背景ボケも出しやすくなります。しかしながら背景がボケにくいということは、逆に言うと写真全体にピントが合わせやすいということです。風景写真を撮りたい場合などはこれは利点になります。

コンデジで一番注意しなければならない点は、安いコンデジは正直なところスマホと大差ないと言うところです。光学的にズームができたりセンサーサイズがスマホと比べると多少は大きい点は勝っていますが、スマホのほうが補正があるのできれいに見えたりします。なので、もしコンデジを選ぶのであれば高級コンデジと言われる高価格帯のモデルがおすすめです。

2. 軽量・コンパクトなものが良い

「旅用」としてカメラを選ぶ際、軽さ、小ささは何よりも大きなアドバンテージになります。旅先で写真を撮る場合、必ずカメラを持ち運ぶ必要があるからです。旅のスタイルがバックパッカーのような場合は特に顕著になります。

重いカメラと軽いカメラでは下手するとレンズ込みで1kg近く変わってくるので、飛行機に乗る場合は機内持ち込みの可否にも影響してきます。

旅に持っていくことを考えると、ボディとレンズ合わせて1000g以下、できれば800g程度までが取り回ししやすいと思います。これは一般的なミラーレスカメラのボディと、キットレンズ1本程度の重さになります。

3. バッテリー持ちは重要

旅用にカメラを選ぶ際、バッテリー持ちも重要なポイントです。バッテリー持ちが良ければ替えのバッテリーが必要なくなるので、結果として軽くなります。それに、撮りたいものに出会った時、バッテリーが切れていてカメラが動かないのでは悲しすぎます。

カメラのバッテリー持ちは撮影環境(写真か動画か、撮影場所が暑いか寒いか)で全く変わってきます。自分の用途でどの程度持つのか、事前に確認しておきましょう。

また、最近はカメラ本体にUSBを接続して直接充電できる機種が多いですが、少し古いカメラは専用の充電器が必要になってくるので、その点も注意が必要です。確認しておきましょう。

4. 用途にあったレンズを選ぶ

写真や動画がどのように写るかは、カメラ本体よりもレンズによる影響のほうが大きいです。そのため、レンズ選びは重要です。

レンズのスペックで主に見るべきはF値(明るさの単位)と焦点距離(画角の単位)、AF(オートフォーカス)性能、そして重量です。

F値は、レンズの明るさを示します。F値が小さいと、明るいレンズになります。明るいと何が良いかと言うと、シャッタースピードを早くすることができるので、暗い場所でも手ブレしにくくなります。また、F値が小さいほうがボケも出やすく、ISO感度というイメージセンサの感度を上げなくてもよくなるので、写真にノイズが乗りにくくなります。F値は可変なので、明るいレンズを暗くして使うことはできますが、逆はできません。したがって基本的には明るいレンズのほうが優れています。目安として、F値がF2.8より小さいものは明るいレンズと言えます。F1.8は結構明るい、F1.2は超明るいです。ちなみに人間の目はF1.0です。人間すごい。

次に焦点距離ですが、これは画角のことです。焦点距離はmmで表し、短いと広角、長いと望遠になります。人間が何かを注視した時の画角が、約50mmと言われています。もっとわかり易い例でいうと、一般的なスマホのカメラは24mm前後、2倍ズームで50mm前後です。よく50mmが標準レンズと言われますが、スマホに慣れている人はちょっと画角が狭いと感じると思います。特に風景等を撮る場合は24~35mmのやや広角よりのレンズがおすすめです。逆に人物のポートレートなんかを撮影したいのであれば、85mm以上が使いやすいと思います。50mmはちょうど中間くらいなので、万能ではあります。

注意しなければならない点は、同じ焦点距離でもセンサーサイズによって画角が変わってくるというところです。センサーサイズが小さいほど、望遠寄りになります。A4サイズの写真からはがきサイズに切り出すと、結果として拡大されて見えるのと同じ原理です。上記で述べた焦点距離と画角の関係はフルサイズセンサーの場合です。レンズの説明で35mm換算という記載があります。これがフルサイズセンサーに換算して何mmかを示したものなので、購入の際の参考にしましょう。

レンズにはズームレンズと単焦点レンズというものがあります。ズームレンズはその名の通り、ズームができるレンズです。1本で広角から望遠(もしくは超広角から広角、望遠から超望遠)までこなせる便利なやつです。一方、単焦点レンズはズームができません。50mmの単焦点であれば50mmの画角でしか撮影ができないのです。かなり不便だと思うかもしれませんが、そのかわりその画角に特化しているので、写りが良いです。また、画角が決まっているので撮影時の迷いが少なくなります。重量も軽いことが多いので、気になったら挑戦してみると楽しいですよ。ぼくは単焦点派で、中でも35mm、50mmが好きです。50mm F1.8のレンズをどのメーカーも比較的安い価格で出しているので、初めての単焦点にはおすすめです。

最後にAF性能と重量。重量はそのまま重さなので割愛します。軽いほうが良いです。AF性能ですが、これはオートフォーカスの性能です。被写体に自動でピントを合わせてくれる機能ですね。これ、結構レンズによって変わってきます。古いレンズだとものすごく遅かったりします。また、そもそもAFが付いていないMF(マニュアルフォーカス)レンズというものも存在します。MFレンズはMFレンズで楽しいんですが、普通はAFのほうが便利です。AFの有無くらいは確認しておきましょう。

コンデジはレンズとボディが一体になっていてレンズ交換ができないので、付いているレンズが自分の希望を満たすか確認しましょう。

5. 使っていて楽しいか

正直これが一番重要です。楽しくないと、撮らなくなります。そして楽しさというのは人によって違います。オートモードでパシャパシャ撮るのが楽しい人もいるし、マニュアル操作で一写入魂が楽しい人も居ます。後者のような人間にとっては、最新のデジタルカメラよりも戦前のフィルムカメラのほうが楽しかったりします。

すべての用途を満たす完璧なカメラというものは存在しないので、自分が撮りたい写真や映像に向いているカメラを選びましょう!

6. 実機を触ってみる

これ超重要です。できる限り実機を触ってみてください。思ったより重いとか、思ったよりデカいとか、逆に思ったより小さくて操作しにくいとかあります。買う前に1度でいいから実物を触ってください。できれば、SDカードを持参して試写させてもらうと良いかもしれないです。

おすすめ旅用カメラ5選

それでは、ぼくが今までに使ってきたカメラから、特に旅に向いている機種を5点、ピックアップして紹介しようと思います。基本的に動画よりも写真を撮ることが多いので、必然的にその用途に寄ってますが、一応どのカメラも動画もとれます。特にα7CII、RX100MA、GoProは動画用にもおすすめです。

1. SONY α7CII

ぼくが今メインで使っているカメラです。本体で500gちょっとなので、フルサイズミラーレス一眼の中でもかなり軽量な部類。レンズは主にFE 40mm F2.5 GNOKTON 35mm F1.2を使ってます。価格は新品で26万前後、中古でも22万と結構高いですが、現状機能だけで選ぶなら旅用としてベストな1台かと思います。写真は当然として、動画も強いです。4K60pでの撮影ができます。価格以外の弱点がとくに見当たらないです。SONYのαシリーズはたくさんあるんですが、α7Cはコンパクトモデルなので、若干スペックが押さえられているもののその分小ぶりです。スペック押さえ気味と言っても、ぼくにとってはオーバースペックなほどです。普通に写真や動画を撮るのであれば困ることはまずありません。バッテリーの持ちも結構良好。あえて難点をあげるとすれば、高機能すぎて逆にちょっと楽しさが損なわれているきらいはあります。

α7CII + FE 40mm F2.5 G 作例 オランダのチーズ専門店
SONYは発色がビビッドな気がします
α7CII + FE 40mm F2.5 G 作例 猫
動き回る動物も一瞬で瞳にピントを合わせてくれます
α7CII + NOKTON 35mm F1.2 作例 カレン族の女性
MF撮影ですがピーキングでフォーカスが合っているところを教えてくれるので助かります

2. RICOH GR III

以前サブ機として使っていました。もう売却してしまったんですが、売ってから値段が上がってちょっと後悔。いわゆる高級コンデジなのですが、なんとセンサーサイズがAPS-Cです。これはフルサイズの次に大きいセンサーで、ミドルレンジの一眼で主流のサイズです。重量はなんとバッテリーコミで脅威の257g。今までに使っていたカメラの中でもダントツに軽かったです。「最強のスナップシューター」という異名は伊達ではなく、さっと出してパット撮ることに関しては他の追随を許さない出来だと思います。ただ、レンズが単焦点なのでそこは注意が必要です。一応クロップ撮影はできるので、一切画角が替えられないということは有りませんが、基本的には固定です。GR IIIxという姉妹機があるんですが、違いはレンズです。GR IIIが35mm換算で28mmのF2.8、GR IIIxが40mm F2.8です。スナップシューターとしてはGR IIIのほうがほぼスマホの画角なので使いやすいかと思います。価格は今調べたら14万以上するみたいですね。ぼくが買った時は10万くらいだった気がするんだけどなぁ。

GR III 作例 大阪
換算28mmと広角よりなので、風景が撮りやすいです
GR III 作例 ブタちゃん
柔らかくボケてくれます
GR III 作例 台湾の猫
結構暗い場所だったんですが、APS-Cなので現像で明るくしても問題なく耐えます

3. OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III

以前使っていたオリンパスのミラーレス一眼です。実際には前モデルのMark IIを使っていました。オリンパス(とパナソニック)のカメラは、マイクロフォーサーズという規格を採用しています。これはセンサーサイズがAPS-Cより小さく、その分レンズやボディが軽量なので旅行に最適です。と言ってもスマホよりは全然大きいので写りは申し分ありません。レンズのサイズ感がフルサイズと比べると全然違います。OM-D E-M5 Mark IIIはキットレンズと合わせて600gちょっとしかなく、首から下げていてもそんなに負担にならなかった記憶があります。また、レトロチックで可愛い見た目に反して防塵防滴仕様なのでいろいろなところに持っていけます。価格は本体が新品で13万前後、レンズも3~4万円前後で色々あります。

E-M5 Mark II + LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 作例 猫ちゃん
マイクロフォーサーズでも十分すぎるほどボケてくれます
E-M5 Mark II + LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 作例 イスタンブール
2倍程度にクロップしていますが、用途がネットなら余裕の解像度だと思ます
E-M5 Mark II + LUMIX G 20mm / F1.7 作例 カッパドキアの犬
防塵防滴仕様なので埃っぽいところでもガンガン使えます

4. SONY RX100M5A

高級コンデジで、以前ハウジングをつけてスキューバダイビングと旅用に使用していました。SONYのRXシリーズはいっぱいあって、生産終了品も含めるとRX100~RX100M7まで色々選べます。現在も生産中なのはこのM5AとM7だけのようですね。このカメラの良いところは、コンデジなのに小さいながらファインダーが付いているところです。背面ディスプレイでも問題なく撮影できるんですが、やはりファインダーを覗く形で撮影したほうがカメラが安定して手ブレしにくくなります。難点としてバッテリー持ちが他のカメラに比べるとそこまで良くないですが、その代わりバッテリー自体がすごく小さいので複数個持ち歩いていても苦になりません。バッテリー込みで本体の重量が300gを切るので、トレッキングなんかに持っていっても全く苦にならないのが良いです。こいつも値上がりしてて今は12万円前後みたいです。

RX100M5A 作例 モンキーテンプル
AF性能が高く、細かく動き回る動物を撮影するのにも向いています
RX100M5A 作例 パンケーキ
F1.8と明るいレンズなので、かなり暗い場所でもフラッシュ無しで撮影可能です
RX100M5A 作例 青い魚群
防水ジンバルが2万円程度で比較的安く、装着すれば水中でも撮影可能です

5. GoPro HERO11

最後に紹介するのはGoProで、これは今も使っています。一眼カメラでもコンデジでもない、いわゆるアクションカメラです。軽くて丈夫、防水、そしてそこそこ安いです。主に動画用のカメラですが、一応写真も撮れます。レンズはかなりの広角です。また、アクションカムなのでスポーツなんかの激しい動きを前提にしているため、驚異的な手ぶれ補正が付いています。手持ちでビタ止まりして、カメラを回転させても水平を維持し続けるというもはやすごすぎて気持ち悪い機能です。ただ、センサーサイズが小さい(スマホに近い)ので、どうしても暗所が苦手です。望遠も無理なので用途を選びますが、ウェアラブルなので首から下げたりクリップでリュックに止めたまま動画撮影できます。「旅を記録する」という観点から言えば最も優れているかもしれません。有料ですが、GoProのサブスクリプションに登録すると無制限に動画をクラウドに保存できるというのも魅力の一つです。GoProは種類が色々ありますが、手ブレや画質などがHero5、Hero8、Hero10で大きく変わっています。今買うのであればHero10以降がおすすめです。

HERO11 作例 ダイビング
ジンバルをつければスキューバはじめ、マリンアクティビティでも大活躍します
HERO11 作例 マニラのスラム
比較的安いのであまり治安が良くない場所でも使いやすいです
HERO11 作例 カッパドキアで乗馬
超広角+驚異的な手ぶれ補正のお陰でガタガタに揺れる状況でも大丈夫

まとめ

以上、旅用カメラの選び方とおすすめのカメラを紹介しました。旅での撮影は一期一会、一度きりの瞬間を切り取る大切な機会です。自分に合ったカメラを選んで、素敵な思い出を写真に残してください。カメラを選ぶ時間も楽しみの一つですが、買ってからが本番。ガンガン使って思い出を増やしましょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。それでは、良い旅と素敵な写真ライフをお楽しみください!


サムネイル画像: 豆井メマ様(@pinpon_sakana)

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