「車でお遍路」第78番札所 郷照寺(四国霊場唯一「時宗」「真言宗」共存の札所)
こんにちは、旅いこかです。
四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、78番目のお寺は、
仏光山 広徳院 郷照寺
77番札所の道隆寺から約7.7㎞、車で約20分の場所、
多度津町の第77番札所道隆寺から香川県道21号線から県道33号線に入り丸亀市を抜けて宇多津町に入ると、郷照寺は青ノ山の麓北側(瀬戸内海側)に佇んでいる。
郷照寺は、大同2年(807年)に弘法大師が訪れ真言密教有縁の地としたが、正応元年(1288年)に一遍上人により踊り念仏が特徴の「時宗」の霊場ともなった四国霊場唯一の「時宗」の札所。
今では、真言宗・時宗と宗派を超えた特別なお寺として広く信仰を集めている。
また、大師が彫った自身の像は「厄除うたづ大師」として親しまれ、郷照寺への参拝者数は後を絶えない。
では、宗派を超えた札所「郷照寺」へ参りましょう。
ご詠歌
お参りする前に知っておいた方が良い知識
歴史
神亀2年(725年)、行基菩薩は、御本尊として阿弥陀如来像を彫り「道場寺」の名で開基
大同2年(807年)、巡錫中の弘法大師は、この地を仏法有縁の地なりと感得、伽藍を修復し大師自身の像を彫り「厄除け」の祈願をして札所と定める この大師像は「厄除うたづ大師」と呼ばれ今も信仰されている
仁寿年間(851-854年)、理源大師(聖宝)が阿弥陀三昧の行を修する
寛和年間(985-987年)、恵信僧都が釈迦如来の絵図を納め、釈迦堂を建立
正応元年(1288年)、「時宗」の開祖である一遍上人が3ヶ月間滞在、その際に踊り念仏の道場を開いた
天正年間(1573年~1592年)、天正の兵火で堂宇を焼失
寛文4年(1664年)、高松藩主の松平公により再興、その際に徳川家との関係により「時宗」に属し、寺号を「郷照寺」に改称した
大師伝説
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寺号について
寺号について
・・・第78番札所の寺号は御詠歌にもあるように当初は「道場寺」であったが、第77番札所の「道隆寺」と間違えやすかったため寛文4年(1664年)に「郷照寺」と改称
ご利益
御本尊の阿弥陀如来
・・・「南無阿弥陀仏」と唱えることで迷いや苦しみから救いを求める全ての人を、悟りへと導く来世利益の仏さま(極楽浄土へ迎え入れてくれる)大師堂の御本尊「厄除うたづ大師」
・・・正月3ヶ日の参拝者数は香川県で3位というほど信仰されている
(2020年延べ人数:金刀比羅宮58万人、善通寺25万人、郷照寺19万人)庚申堂
・・・病魔を除く霊験があるさぬきの三大ポックリさま
・・・お迎えがくるまで幸せな人生が送れ、ポックリ(ピンピンコロリ)息を引き取ることが出来るという
御本尊・ご真言
見どころ
本堂
・・・御本尊に阿弥陀如来、脇侍に一遍上人像を祀る 屋根の形状が特徴的であり、扁額には法王殿と記し中央に金色の菊の御紋など個性的 天井画が華やか大師堂
・・・本堂横の石段を上る本堂より高い場所に位置する 向拝の天井には格子状の中に立体の天井画が飾られている万躰観音堂
・・・合掌観世音菩薩(なぜ仏)ほか、全国各地から無数の観音様が奉納されている庚申堂
・・・御本尊に6本の手を持つ青面金剛と見ざる・言わざる・聞かざるの三猿を祀る 屋根には猿の飾り瓦もさぬきの三大ポックリさま
その他 (四国霊場豆知識:宗派について)
四国霊場は、弘法大師が広めた真言宗だけとは限らず以下の通り。
・天台宗4ヶ寺(第43番札所明石寺、第76番札所金倉寺、第82番札所根香寺、第87番札所長尾寺)
・臨済宗2ヶ寺(第11番札所藤井寺、第33番札所雪渓寺)
・曹洞宗1ヶ寺(第15番札所国分寺)
・時宗1ヶ寺(第78番札所郷照寺)
写真
次は、第79番札所天皇寺へ参ります。
2022年8月6日投稿
2022年10月11日改訂
合掌
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