
「車でお遍路」第84番札所 屋島寺(史跡屋島に建つ札所)
こんにちは、旅いこかです。
四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、84番目のお寺は、
南面山 千光院 屋島寺
83番札所の一宮寺から約17.5㎞、車で約40分の場所、
一宮寺から国道11号線に進み高松市の観光名所栗林公園を横目に走り、屋島スカイウェイ(旧屋島ドライブウェイ)へ向かう。
ここ屋島は国の史跡であり源平合戦などでも有名な観光名所。観光客のためにも従来有料だった屋島ドライブウェイは2017年7月に公道化。名称変更もして嬉しいことに無料となっている。
その屋島スカイウェイからは、「源平合戦の屋島古戦場」「五剣山(第85番札所八栗寺がある)」や「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地庵治町、を一望できる。
そして標高293mの頂上、「屋島山上観光駐車場」に車を駐車して「屋島寺」を参拝する。
では、四国霊場で唯一、唐から日本に来た中国の名僧・鑑真和上が開基した「史跡屋島」の札所「屋島寺」へ参りましょう。

ご詠歌
あずさ弓 屋島の宮に 詣でつつ 祈りをかけて 勇むもののふ
お参りする前に知っておいた方が良い知識
歴史
天平勝宝6年(754年)、唐より奈良の朝廷から迎えられた中国の名僧・鑑真和上は、朝廷に向かう途中に屋島山頂に瑞光が立ち上がるのを見てこの場所が霊地だと感得、屋島山を訪れ普賢堂を建立し持参した普賢菩薩像を安置して開基
後に、鑑真和尚の弟子である東大寺戒壇院の恵雲律師が初代住職となり堂塔を建立、「屋島寺」と名付けた
弘仁6年(815年)、この地を巡錫中の弘法大師は、嵯峨天皇の勅願により北嶺の寺院を南嶺に移して一夜で本堂を建立、十一面千手観世音菩薩を彫り御本尊として安置、律宗を真言宗に改め札所に定める
天暦年間(947-957年)、明達律師が四天王像を安置
その後、山岳霊場として寺運は隆盛だったが、戦乱により衰退、と盛衰の歴史を繰り返す
元和4年(1618年)、高松藩主生駒家の寄進により本堂を修復
以降、歴代高松藩主の庇護により修復を繰り返し、鎌倉江戸時代の風格を残し現在に至る
狸の蓑山大明神伝説
屋島寺の本堂横には狸を祀る「蓑山大明神」があります。
狸には「狐の七化け狸の八化け」というほど他の動物より化ける能力化かす能力が最も優れていると伝えられていますが、屋島寺には以下の伝説があります。

屋島には化け狸で有名な日本三名狸の一匹「屋島太三郎狸」がいます(他には佐渡団三郎狸、淡路芝右衛門狸)。
四国狸の総大将とも言われ、ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のモデル「太三郎禿狸」にもなった狸。
屋島に住む狸が、源平合戦の際に矢傷で死にかけていたところを平重盛に助けられ、その恩義として平家の守護を誓ったその子孫が「太三郎狸」。
太三郎狸は、屋島で戦乱や凶事が起きそうになると直ぐに屋島寺住職に知らせたことから「屋島寺の守護神」となり、住職の代替わりの際は屋島合戦の模様を再現したりしたという。
また、屋島の狸のもう一つの伝説として、屋島寺を開基する際に盲目の鑑真和上を道案内したり、弘法大師が山中で道に迷った際も道案内をしたという。
さらに、日清・日露戦争の際には、多くの子分たちと共に出征して活躍、小豆の粒を兵士に変えたりと変化術で日本を勝利に導いたという。
その後、太三郎狸は、屋島寺御本尊の十一面千手観音菩薩の御用狸として善行を積んだことから、
屋島の氏神として「蓑山大明神」の法名で本堂横に祭祀されている。
寺号について
寺号について
・・・屋島に建立したお寺から名付けられた
ご利益
御本尊の千手観世音菩薩
・・・災難除け、病気平癒、長寿、夫婦円満、恋愛成就などの現世利益と後世利益。蓑山大明神
・・・狸は一夫一婦制であることから、夫婦円満、家庭円満、縁結び、
さらには、商売繁盛、子宝、福運にご利益で人気
御本尊・ご真言
御本尊:千手観世音菩薩
ご真言:おん ばざら たらま きりく
見どころ
本堂 【重要文化財】
・・・鎌倉時代の前身堂の部材を使い元和4年(1618年)に建立 御本尊に千手観世音菩薩を祀る千手観音坐像(御本尊) 【重要文化財】
・・・平安時代中期の作 宝物館で拝観可とのこと山門
・・・仁王門、四天門、東大門、と三門みることができる蓑山大明神
・・・屋島寺の守護神三躰堂
・・・屋島寺を開基した鑑真和上をが祀る(屋島寺外)屋島散策、屋島スカイウェイ
・・・屋島は1934年に「国の史跡」および「天然記念物」に指定されており、屋島寺以外の見どころは多数
その他
屋島スカイウェイは無料ですが、屋島山上観光駐車場は普通車300円(2022年4月時点)。
屋島から見た瀬戸内海の海は鏡のような海面に美しい景色、このような場所で源平合戦屋島の戦いが行われたとは、自然と人間の行い、静と動とが対照的に思い起こされるだけに深く考えさせられるものがあります。

写真
次は、第85番札所八栗寺へ参ります。
2022年8月18日投稿
2022年10月11日改訂
合掌