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「車でお遍路」別格11番札所 生木地蔵(大師が一夜で地蔵菩薩を彫った札所)

こんにちは、旅いこかです。

四国別格二十霊場巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、11番目のお寺は、

生木山いききざん 正善寺しょうぜんじ (生木地蔵いききじぞう


別格10番札所の西山興隆寺から約5㎞、車で約10分の場所、

西山興隆寺から比較的近いものの、私のカーナビでは正確に表示せず道標もなかったので今井交差点という交差点で少し迷う。
が、愛媛県道48号線沿いを走りよく見てると三菱自動車の看板の下に「生木地蔵」との赤い旗を発見。

旗の目印に従いまっすぐ行くと境内、中に入り車を駐車する。
前札所の山岳道場である西山興隆寺とはかなり趣が異なり、小高い四尾山おしぶやまを背にしたこぢんまりとした境内である。

この生木地蔵は、弘法大師が青葉が茂る楠に一夜で地蔵菩薩を彫ったという伝説(後述)がある札所。
昭和29年(1954年)の台風で、樹齢約1200年のご霊木(楠)は根元より倒壊したが、大師自作のお地蔵さまは損壊せず昔日の姿のままお座りになっていたという。

では、大師が一夜で地蔵菩薩を彫った札所「生木地蔵」へ参りましょう。

四尾山の麓の正面に、向かって左から御楠大明神とご霊木、雨乞石、本堂、大師堂


ご詠歌

一夜にて 願ひを立つる みこころは 幾代かはらぬ 楠のみどりば


お参りする前に知っておいた方が良い知識

歴史

  • 弘仁年間(810-824年)頃、巡錫中の弘法大師がこの地を訪れ、一夜で地蔵菩薩を彫り御本尊として開基

  • 昭和29年(1954年)、洞爺丸台風の烈風により楠は倒壊したが、地蔵菩薩は一切の損傷なく無事であり本堂に安置

  • 平成31年(2019年)、大師堂が再建


大師伝説

この地を巡錫中だった弘法大師は、四尾山おしぶやまの楠の下で休んでいた時、楠の大木から童子が現れ「お地蔵様を彫り、人々を救うように」とのお告げを受けた。

そこで、大師は、青葉茂る生木の楠に一刀三礼して一夜のうちに彫ることにしてお経を唱えながら一心に彫っていた。
しかし、天邪鬼が鶏の鳴き真似をしたため、大師は夜が明けたと思い片耳を彫り残したまま立ち去った。

そのため右耳らしい跡はあるが、耳たぶはないという。


寺号について


ご利益

  • 御本尊の地蔵菩薩
    ・・・すべての生命を育む大地を司る菩薩で、現世と来世に幸福をもたらす善男善女のための28種のご利益天龍鬼神のための7種のご利益があると言われる
    子供を守ることで知られているが、他には例えば、苦悩からの救済、無病息災、交通安全、五穀豊穣、安産、水子供養、子授け、などさまざまなご利益がある

  • 生木地蔵菩薩は、首から上、特に耳病平癒にご利益がある


御本尊・ご真言

御本尊:地蔵菩薩
ご真言:おん かかかび さんまえい そわか


見どころ

  • 本堂
    ・・・石段を上る少し高い位置に御堂がある 御本尊に大師自作の地蔵菩薩を祀る 

  • 大師堂
    ・・・本堂と並ぶ 平成31年(2019年)に再建

  • 御楠大明神とご霊木
    ・・・大師伝説にある周囲約9-10mで樹齢約1200年のご霊木(楠)を祀る

  • 雨乞石
    ・・・かつてこの地では日照りが何日も続き稲田はわれ畑はかわき作物は枯れて飢饉となることが数知れぬほどあった。慶長年間(1596-1615年)の大干ばつの際に雨乞いの祈りをしたところ、大雨に恵まれたという。


写真


次は、別格第12番札所延命寺えんめいじへ参ります。

合掌

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