見出し画像

「車でお遍路」第20番札所 鶴林寺(遍路ころがしの「お鶴さん」)

こんにちは、旅いこかです。

四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、20番目のお寺は、


霊鷲山りょうじゅざん 宝珠院ほうじゅいん 鶴林寺かくりんじ

19番札所の立江寺から約16.5㎞、車で約30分の場所、

次に訪れた札所は、19番札所から車で険しい細い山道をどんどん走っていく。そこは、「遍路ころがし」の阿波霊場三大難所「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」の「お鶴」、鶴林寺。

その山深さから多くの阿波霊場が焼かれた天正の兵火から難を免れているこのお寺は、鬱蒼とした木々の大自然の中に現代を忘れたかのような清々しい空気感が漂う。

では、「お鶴さん」の愛称で親しまれている札所「鶴林寺」へ参りましょう。

山門までの参道は時を忘れます


ご詠歌

しげりつる 鶴の林を しるべにて 大師ぞいます 地蔵帝釈


お参りする前に知っておいた方が良い知識

歴史

  • 延暦17年(798年)桓武天皇の勅願により弘法大師開基
    弘法大師は、
    この地で修行中に地蔵菩薩を彫り御本尊として堂宇に安置(弘法大師伝説参照)、寺号を「鶴林寺」と命名

  • その後、歴代天皇(平城天皇、嵯峨天皇、淳和天皇、など)や武将(源頼朝、源義経、阿波藩主蜂須賀公、など)から深く信仰され阿波藩主の祈願寺ともなり寺運は隆盛を誇った

  • 難所が故か、天正年間(1573-1592年)に起きた天正の兵火での難を免れている


弘法大師伝説

  • 弘法大師がこの地で修行中、霊雲がたなびく中、雌雄二羽の白鶴が代わる代わる翼をかざし、小さな金色の地蔵菩薩(約6㎝)守護しながら老杉の枝に舞い降りたのを見た。
    そこで大師は、その白鶴が持ってきた金色の地蔵菩薩を大切に守るため、新たに約1.0mの地蔵菩薩を彫り、その金色の地蔵菩薩を胎内に納めたという。

「矢負い地蔵」伝説

  • 御本尊の地蔵菩薩は「矢負い地蔵」とも呼ばれている。
    むかし、猟師が猪を追って矢を放ったところ命中したが、猪は矢が刺さったまま森の中に逃げて行った。
    そこで、猟師が猪の血痕を辿って探したところ、鶴林寺の本堂に着いた。
    猟師が本堂で見たものは、なんと矢が胸に刺さり血を流しているお地蔵さん。猟師はそのことを懺悔して、仏道に入ったという。
    御本尊にはその傷が残っているという。


寺号について

  • 寺号について
    ・・・鶴に因み「鶴林寺」と名付けた

  • 山号について
    ・・・霊鷲山りょうじゅざんの名は、この地の周囲の雰囲気がお釈迦さまが「観無量寿経」「法華経」を説いたインドの霊鷲山と似ていたことが由来。


ご利益

  • 御本尊の地蔵菩薩
    ・・・すべての生命を育む大地を司る菩薩で、現世と来世に幸福をもたらす善男善女のための28種のご利益と天龍鬼神のための7種のご利益があると言われる

    子供を守ることで知られているが、他には例えば、苦悩からの救済、無病息災、交通安全、五穀豊穣、安産、水子供養、子授け、などさまざまなご利益がある


御本尊・ご真言

御本尊:地蔵菩薩
ご真言:おん かかかび さんまえい そわか


見どころ

  • 山門(仁王門)
    ・・・仁王像とともに一対の鶴像がある

  • 本堂(御本尊は重要文化財)
    ・・・慶長9年(1604年)建立、本堂前には二羽の阿吽の鶴像、そして御本尊の木造地蔵菩薩は国指定の重要文化財

  • 三重塔
    ・・・文政6年(1823年)建立、五智如来を祀る 徳島県下唯一の三重塔であり県指定の重要文化財

  • 丁石ちょういし
    ・・・室町時代の年号を刻んだ丁石が本堂から11基残っている、徳島県最古で遍路道を偲ばせる貴重な資料となっている


おまけ情報

  • 阿波霊場三大難所とは、第12番焼山寺、第20番鶴林寺、第21番太龍寺。

  • 「お鶴さん」と呼ばれて親しまれている。


写真


次は、第21番札所太龍寺へ参ります。

2022年3月4日投稿
2022年9月14日改訂

合掌

いいなと思ったら応援しよう!