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上海のドラム缶の上で焼く煎餅【一国一食シリーズ(1)】




你好!ニーハオ!!


旅人ニーナです。


おもむろに始まった【一国一食シリーズ】。


今まで旅してきた国の【食】を絵日記に描き起こすシリーズです、


一枚目は、中国の上海です!



【ドラム缶の上で焼く煎餅(じぇんぴん)】

先日はモノクロでしたが色を塗りました。




せんべい、と、同じ漢字ですが、


うすーい、塩味のクレープというか、


お好み焼きをもっとあっさりさせたような、

小麦粉の食べモノです。


(寒い寒い。師走の上海。)


小麦粉の生地に

卵と、ネギと香菜(シャンツァイ、パクチーと同じだけどここはシャンツァイと言いたい)を広げ、


豆板醤的な赤みそ、辛みそ、

天かすのような上げワンタンみたいなものを挟み込んで


クルクル〜っと、手早く巻き込んで渡してくれます。

            👇👇👇




鮮やかな紅色↗、


灰がかった白を見ると、

中国の配色だなぁ〜って思う。



(肉まんの生地なんかも、

大陸のはほんのり灰がかった白なんだよね)


あと、軽食をよく、薄ピンクのペラペラのビニールに包んで渡してくれるの。



(板状のパリパリは、砕いて天かすみたいに使います)


簡素な屋台は、錆びついたドラム缶を道端に置いて、火を炊いて、大きな黒い鉄板を乗せただけ!


お若い娘さんががひとりで、

(地味なふうなのに赤いギンガムの割烹着がダサ可愛い)



年末の寒空の下、

ドラム缶ひとつで商売してるたくましさ。



クルクルっとやるプロの手さばき。


混沌とした上海の雑踏の雰囲気もあいまって、


『日本とぜんぜん違う!!』

『こんな世界がホントにあるんだ。』


カッコいい〜!!!


と、でもなんか怖い〜!!

のないまぜになったような気持ちで眺めていた。


映画や漫画の中の世界みたい。


でも音や匂い、空気、圧倒的なリアリティで押し寄せてくる景色たち。


この感じ、実際に来てみないとわかんなかった!!!


この街の全てが、その後のわたしを、

ひとり旅にのめり込ませる要因になった。



それくらい、2010年の上海はカッコよかった。


夜の公園で太極拳や社交ダンスを始める怪しい集団。


ふつうの街の通りにイキナリ現れる、

ちょっといかがわしい雰囲気の派手なお姉さん。


酔っ払った男女が道端で寝転がってたり。


昼間の公園で、

豚の串焼きを食べていたら物乞いのお婆さんにねだられる。


そんな街を独りぼっちで歩くのは、

ゾクゾクしっぱなしで、


面白くて、


怖くて怖くて怖くて


ビビりまくり。


レストランに入る勇気がなくて、

食事は殆ど、屋台で軽食を買って済ませていた。 


それも、雰囲気だけでお腹いっぱいで、味は覚えてない。

(大しておいしくなかったかも)

コンビニで買った緑豆のアイスバーが美味しかったな。


ひとり旅の初心者過ぎて

英語も中国語も緊張で出てこないから、

買い物の値段も聞けない。

(今なら何処でも、何語でも身振り手振りで乗り切るんだけど(笑))


ローカルな感じを少しでも体感したいけど、 

でも堂々としていて強そうな


中国人民の皆さんに、圧倒的に自分は負けてる気がして、


オドオドと適当に少額のお金を、


無言でお店の人に突き出して、必要なぶんを拾ってもらってた。


今思えば多めに取られても文句言えないけど


たぶん、適正価格で売ってくれていた。


他にも、下町の志那蕎麦屋みたいなところで麺を頼み


「具は何か乗せるかい?」とおじさんに身振りでたずねられ


並んでいたチャーシューのようなものを指差して載せてもらったら


【大きくて平べったい高野豆腐】だったりした。


そういう事に、いちいち震えるくらい感動していた。


感動???


自分の知らなかった世界!


こんなにも力強くて生き生きとした世界!


そして、ここにいる誰もが、わたしの事を知らない。


こんなスゴイところに独りぼっちで歩いている。


嗚呼〜、なんて、自由なんだろう!


その頃のわたしは平凡なサラリーマンで、


盆や正月にも休みが取れないような会社で、


仕事や、狭い人間関係などで神経をすり減らしていた。


ストレスで毎日耳鳴りがして、不眠症になっていた。


そんなわたしに、


活気と生命力に溢れた、


急成長中の、


でもドラム缶屋台が現役の、


上海はものすごいインパクトだった。


黄砂に吹かれる団地の軒先には、自家製の干し肉や、臓物がぶら下がっていた。


そんなのを観ていると、慢性鬱だったわたしのココロとカラダに、


強烈な滋養強壮剤を打ち込まれたような感じがしたのだ。


世界はカッコいい。美しい。


人間が生きてるってそれだけでカッコいい。


もっともっと、そういう事を知りたい!!


観たい!!



この時わたしは鬱と不眠症で会社を休職に入る頃だったんだけど、


一生に一度くらいの気持ちで申し込んだ

『HIS お正月ミステリーツアー』の行き先が

この、上海フリープランだったのだ。 


ここではない、どこか遠く、に行けるなら


何処でも良かったのかもしれない。


この旅で、


バラバラだった心と身体がひとつに戻った気がした!


中国で年越しして、2010年の元旦に


中国のくすんだ空に輝く、


真っ赤な夕焼けを観ながら帰りの飛行機へ向かった。


もっともっと世界の美しさを知りたい。


旅がしたい。


そして次の旅はトルコに行くことに。


続きはまた次回。


謝謝✋

ブログの過去記事から再録しています。
まとめて読みたい方は

https://lineblog.me/namaste27/archives/1814980.html
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