「属人化しないオペレーション設計」で、店舗全体のロス削減に成功。【株式会社ダロワイヨジャポン様】
200年余の歴史と伝統を持つフランス菓子(マカロン・ギフト)と高級惣菜の老舗であるブランド「ダロワイヨ」を日本で運営されている株式会社ダロワイヨジャポンさん。
2019年4月、本店である「ダロワイヨ 自由が丘本店」にTABETEを導入されました。 現在(2020年8月)、本店に続き「アトレ目黒店」にも導入。
これまでテイクアウトサービスなどを導入していなかったにも関わらず、わずか数ヶ月で店舗全体でほぼ毎日活用いただき、ロス削減に繋げています。
今回は、TABETEを導入した狙いや効果を、同社の管理業務部・小田さんと、ダロワイヨ 自由が丘本店 店長・岡野さんに伺いました。
<聞き手=篠田沙織>
TABETE導入前は、ブランディングへの影響を心配していた。
篠田
ダロワイヨさんといえば、マカロンや洋菓子などハイブランドな商品を取り扱われているイメージがあります。今回TABETEを導入されるにあたって「ブランディングに悪影響があるんじゃないか」など懸念はありましたか?
小田さん
はい。おっしゃる通り高単価商品をメインに扱っているブランドのため、ブランドとして取り組むべきかどうかの不安を感じていました。
篠田
私も、ダロワイヨさんがTABETEを導入してくださると聞いて、驚きました...!こんなにハイブランドなお店にも参加していただけるようになったという意味でも嬉しかったです。
篠田
そもそもTABETEを導入された理由は何だったのでしょうか?
小田さん
店舗のロス削減と環境問題への取り組みを考え、TABETEを導入しました。
篠田
ありがとうございます。
ちなみに、従来のロス削減対策としては、どのようなことを実施されていたのでしょうか?
小田さん
時間別売上を見ながら発注調整を行っていました。他にも、自由が丘本店だけの実施ではありますが、割れてしまったマカロンのアウトレット販売もここ 2、3ヶ月ほど実施しております。
これまで対策ができていなかったパンを、TABETEを活用して販売しています。
篠田
なるほど、発注調整やアウトレットだけでは対応しきれなかったものを、TABETEで出品していらっしゃるのですね。
導入後、ロス削減効果を実感。出品から5分で全てレスキューされることも。
篠田
TABETE導入後はどのような影響がありましたか?
岡野さん
一番は、やはり店舗でのロス削減効果ですね。最近では、5分でパン10セットが売り切れることもあるほど。スピーディーにレスキューしていただき驚いています。
時間によってはそこまで早く売り切れないこともありますが、TABETEを始めてからロス削減効果を実感しています。
篠田
ダロワイヨさんからの出品をアプリで見て「あ!」と思ったらあっという間にレスキュー完了になった、という場面も一度ならず見かけました...! お店のファンが沢山いらっしゃるということですね。
岡野さん
あとは、ロスが少なくなったお陰で閉店時に閉店作業の手間が省けて助かっています。廃棄対象の商品を捨てる作業が減ったんです。
篠田
TABETEが閉店後の手間削減に繋がったんですね!
何か新しいサービスを導入するとなると、「手間や人件費がかかるのでは?」と躊躇してしまう方も多います。人件費についてはいかがでしたか?
岡野さん
TABETEだけにかかる人件費はほぼありませんでした。商品を詰め合わせる時間も、出品操作にかかる時間もわずかなので、特別手間としては感じていません。
雇用区問わず、誰でも出品アイテムを作ることができるように、出品基準を明確化。オペレーションに組み込む。
篠田
ダロワイヨさんは、TABETEを含めテイクアウトサービス等を導入されたことがなかったと伺いました。TABETE運用のオペレーションはどのように設計されたのでしょうか? 導入後すぐに安定して運用してされていたので、個人的にとても気になっていました。
岡野さん
工夫したところで言うと、出品基準を明確にして、誰でもTABETEで出品できるようにマニュアル化しました。
篠田
出品の基準を設けられているんですね。
具体的には、どのように決められているのでしょうか?
岡野さん
その日に余りそうな商品は大体18:00~19:00ごろに分かってくるので、その中から今日TABETEに出品するものを決めるようにしています。
割引前の合計金額を決めているため、社員もアルバイトもその金額を基準に自分の裁量で商品を組み合わせて出品することができます。
篠田
なるほど、割引前の合計金額を明確にされることによって、その範囲内で誰でも組み合わせがつくれるようになっているんですね。
岡野さん
はい。こちらの店では、様々な種類のパンを取り扱っているため、商品の幅が広く、当日なにが余るのかはその日によって違います。だからこそ、店長だけが出品商品を決めるのではなく、誰でも出品アイテムを作ることができるように基準を明確化しました。
篠田
基準があれば、運用が属人化せずにTABETEを使えますね!
ほかの店舗さんでも「店長や運用担当者から店舗スタッフにどうやってTABETEを任せていけば良いのか」と悩まれる方がいらっしゃるのですが、このやり方は大いに参考にしていただけると思います...!
活用方法次第で従業員への環境教育にも。
篠田
日々お店に立つスタッフの皆さんが裁量を持ってTABETEに出品できると、効率よく運用できそうですね。店長さんやスタッフの皆さんがTABETEの取り組みに関心を持ってくださっているからこそ出来るやり方なのかもしれませんね。
小田さん
そうですね。TABETEを導入・運用すること自体が従業員への環境問題の教育にも繋がっています。TABETEを活用することが食品ロスの取り組みになっているので、そういった意味でも導入するメリットはあると思います。
ロス削減だけではなく、これまでとは違う層の新規顧客来店のきっかけになった。
篠田
ここまで、ロス削減効果だけではなく、閉店後の作業削減など様々なメリットを挙げていただきました。
TABETEの一番「ここが良い!」と思うポイントについても教えていただけますか?
岡野さん
ロスの削減効果ですね。TABETEを導入してから、これまでどうにもできなかったパンや惣菜、洋菓子をレスキューしていただけるようになったのが大きいと思います。
小田さん
今までと違った客層のお客様にご来店いただくきっかけになるところです。
TABETEでいらっしゃる方は、新規のお客様が多いんです。今までの客層とは少し異なる20~30代の方にもご来店いただけるようになりました。
TABETEの良い所は、店舗を知ってもらうだけではなく、実際にご来店いただけることだと思います。レスキューしていただいた商品だけでなく、これをきっかけに他の商品を知っていただくことや、日頃からご利用していただけるようになれば、と考えています。
篠田
最後に、TABETEの導入を検討されている方に向けて、一言アドバイスをお願いできますか?
岡野さん
迷っている方は、ぜひ導入された方が良いとお伝えしたいです。 TABETEは「ロスの削減」だけではなく、新しいお客様との出会いも期待できると思います。
小田さん
オペレーションの問題や、導入までに色々と各社懸念があると思いますが、TABETEは活用方法次第では環境問題に取り組め、従業員教育にもつながります。 環境問題を意識されている企業様におすすめしたいと思います。
篠田
素敵なコメントをありがとうございます。
岡野さん、小田さん、本日はありがとうございました!
まだハイブランドなお店がTABETEに多く参加していなかった2019年時点で一足早く活用され、ロス削減に繋げられたダロワイヨジャポンさん。
導入後すぐに安定して運用できるようになった秘訣は、「属人化しないオペレーション設計」にありました。
今後もTABETEを導入している店舗様へのインタビューや、フードロス削減の工夫についてnoteで発信していく予定です。
フードロス削減にお困りの飲食店の方は、ぜひ以下URLからご連絡ください。
〈取材・文=篠田沙織(@0815Sama)/編集=山田晴香/撮影=伊作太一(@fuzz139)/ディレクション=岩舘開(@datekai)〉
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