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“店頭値引き”依存から脱却。TABETEで食品ロス削減と新規顧客獲得の両立に成功【株式会社北欧トーキョー様】

首都圏を中心に41店舗展開している「HOKUO」では、2020年12月よりTABETEが利用されています。好立地と品揃えの豊富さが親しまれている同店は、ネットやアプリを用いた販売ツールの最初の一つとして「TABETE」を導入し、現在、導入店舗の拡充に向けて前向きに検討・準備を進めていらっしゃいます。

今回は「HOKUO」運営元、株式会社北欧トーキョーの小田様、岩本店長にお話を伺いました。

【今回お話を伺った方】
・小田様:株式会社北欧トーキョー 営業部(写真左から2番目)
・岩本様:株式会社北欧トーキョー 営業部 販売推進グループ 新百合ヶ丘店 店長(写真左から3番目

全社的にロス削減を強化する中、コロナ禍で商品ラインナップを縮小。ロス削減がますます重要な課題に。

ーー「HOKUO」は首都圏を中心に約40軒のお店がありますが、新百合ヶ丘店はどんな店舗ですか? 客層や混み具合はどんな感じでしょうか。

岩本さん:だいたいお昼ごろに来客のピークが来るお店です。普段の客層としては、ご年配の方、女性の方が多いですね。TABETEの引き取りに関しては、普段と異なる客層の方もいらっしゃいます。思いのほか男性も多いですよ。

ーーパンの詰め合わせが好評ですよね。もともとの品揃えとしては、どれくらいの商品を扱っているんですか?

小田さん:今は自社製品で70種類くらいです。コロナの影響もあり少し種類が減っています。駅前にお店があるので、鉄道の利用者の減少に伴いお客様が減ってしまっていますから、やはり売れ残る可能性も高まっています。そのため、店頭に並べる商品数は以前より少なくなっています。

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ーー2020年12月からTABETEを導入していただきました。ここ数年でロス削減の取り組みを強化している、ということでしょうか。

小田さん:そうですね。世の中で「食品ロス」の問題が取り上げられ、当社でもロスを削減しなければ、という雰囲気になっています。特に2018年からは、精力的に取り組むようになりました。

もとより、我々はパンのチェーン店。利益が薄いところで商売をしています。利益確保の面からも、ロスの抑制・削減を強化する流れは必然的なことでしたね。

ーー取り組みの効果のほどは…? TABETE導入によって、廃棄率や利益率などによい影響が出ていればと思うのですが。

小田さん:全社的に食品ロス削減に取り組んでおり、全体的に廃棄するパンは減っていることは確かです。利益率については、コロナ禍で売上が減ってしまっているので、比較ができません。

「値引いて売りさばく」には限界がある。利益確保と食品ロス削減の両立を念頭におき、店頭値下げは縮小傾向に。

ーー具体的なロス削減の取り組みとしては、どういったものがありますか?

小田さん:以前より実施しているのは「閉店前の値引き販売」です。でも、縮小していっているところなんです。以前は毎日閉店2時間前くらいから値引き販売の時間を設けていましたが、今は30分間くらいに短縮しました。それから、工場で包装された商品を扱っている店舗に関しては、値引きは一切していません。

ーー店頭値引きの縮小・取りやめは、全社的な方針なのでしょうか。

小田さん:そうです。やっぱり、値引きって、中毒になるんですよね。商売をしていて「値引けば売れる」というのは一番良くないパターンでしょう。値引きが当たり前になると、売上が上がっても利益がなくなってしまいます。

とはいえ、発注過多や売れ残りを気にしすぎると商品量が少なくなって、お店の魅力がなくなってしまう… そのバランスが一番難しいですね。

ーー特にパン屋さんは、豊富なラインナップがお客様に喜ばれるという性質もあり、利益確保とロス削減の両立が課題になってきますよね。

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ーーいまは、値引きを縮小しつつ、TABETE等ほかの方法を取り入れている最中といったところでしょうか。「店頭値引き」と「TABETE」の違いは、どういうところだとお考えですか?

小田さん:店頭値引きは、見込み違いや天気などで廃棄が増えそうなときの来店促進の手段として考えています。一方、TABETEは最後に残ってしまったものの現金回収と、“今までに買ったことのない商品もお召し上がりいただく機会のひとつ”という位置づけです。それがきっかけで、後日、TABETEを介さないお買い物でもそのパンを選んでいただければ更にいいのかなと。

この先、TABETEを使う店舗を増やす際の候補としているのは“店頭値引きをしていない店舗”です。値引きでの追い上げに頼れない以上、その日の終盤に売れ残っていればそのままロスになってしまいやすく、値引きしている店舗よりもリスキーなんです。

ーー店頭値引きをしている店舗・していない店舗、どちらでもTABETEはご活用いただけますが、値引きをしない店舗においては特に、ロスをへらすための貴重な手段として期待できそうですね。

お客さんがTABETEに流れることはない。むしろ新しい客層が来店している

ーー最初の4店舗にTABETEを導入する際、不安なこともあったと思います。最も心配していたのは、どんな点ですか?

小田さん:それまでの通常販売による売上をTABETEが食っちゃうんじゃないか?という懸念がありました。ですが、来客のピークを避けた時間帯にTABETEの受け取り時間を設定することで、その心配は解消できたと思います

店頭値引きを実施しつつTABETEを利用している店舗についても、特に問題なく使えています。店頭値引きで売り切りを目指したとしても、やはり、売れ残りゼロにはならないので… 店頭値引きでは対処しきれなかった部分のロスを削減できていると思います。

ーー以前からのリピーターのお客様がTABETEを使うばかりになるのでは? 通常の購入が減ってしまうのでは、という懸念はありませんでしたか? そして、実際のところ、いかがでしょうか?

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岩本さん:TABETEのお客様は、普段のお客様と客層が異なる印象ですね。お店にとって新たな客層がいらっしゃっていると思います。男性も意外と多いです。なかには、引き取りで来店した際にTABETEのセットの袋に入れられないようなフランスパンや喫茶の飲料・ペットボトルを別で購入していく方もいます。


ーー普段とは違う方がTABETEユーザーとして来店されるのですね。「レスキュー」をリピートしている方は多いですか?

岩本さん:多いです。1週間に2回くらい、同じ方をお見かけする感じです。30代くらいで子育てをされているような方が多いですかね。ベビーカーで来ている方もいます。

ほかにも、親子と思われる二人組の方ももいらっしゃいました。50~60代くらいのお母様と、20~30代くらいの娘さんであろう方など… きっとファミリーで食べるのかもしれません。


ーーなるほど。新百合ヶ丘店の立地であれば、TABETEユーザーのボリュームゾーンである30代・40代くらいの主婦の方が近隣にいらっしゃって、頻繁に来店しそうですね。

ちなみに、ユーザーからの声として、「子供が喜ぶからパンをレスキューしています」というのは少なくないんです。自分では選んだことがなかった種類のパンを食べるきっかけになる、と捉えているそうです。ほかにも、トレーとトングで商品を取るのが大変なので詰め合わせが助かる、という意見も寄せられています。

岩本さん:なるほど!

小田さん:それは思わぬ感想でした。

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新百合ヶ丘店でレスキューしたパンの詰め合わせ。店頭販売と同様、ひとつひとつ包装されています。

現場での運用を最適化する、本社からの指示内容とは

ーーTABETEを使い始めるとき、店長さんから見て気になる点はありましたか?

岩本さん:導入前は、新しいツールを使うのは不安だというスタッフの声も聞きました。お店の商品をスマホで出品するシステムは始めてだったので「一体どんなものなんだろう?」という感じで。 それから店長としては、全てのスタッフが問題なく使えるだろうか? という不安がありました。

ーー実際に使ってみて、どうでしょうか。

岩本さん:簡単に使えて安心しました。心配していた教育についても、私が実際に操作する様子を見せたら、一回で飲み込めているようでした。それに、最初にオペレーションや想定Q&Aを(本社が)提示してくれたので心強かったです。


ーー「HOKUO」独自のオペレーションマニュアルということですか?

小田さん:本社でA4(両面1枚)のものを作りました。スタッフとしては、慣れてしまえばこれを見ることも減って「マニュアルどこにいったっけ」くらいの状態になるようですが(笑)

ーーマニュアルに、詰合せに関する指示が書いてありますね。

小田さん:目安の金額と、大まかな条件のみ本社から指定しています。ざっくりいうと、「甘いの・しょっぱいのを混ぜてください。違う種類を取り混ぜてください」といった感じで。

規定の金額ピッタリになるよう電卓を取り出すようではTABETEの準備が煩雑になり、お店に負担がかかってしまうでしょうから。

ーーゆったりした指示で裁量を各店舗に委ねつつ、マニュアルには詳細なトラブルシューティングも記載してあります。こうやって現場の負担軽減に気を遣っているんですね。

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ーーその日に売りきれなかった商品を、翌朝に出品するサイクルでご利用いただいていますが、日々の運用はどんな感じですか?

岩本さん:毎日、夜に、翌朝に出品するための商品の準備しています。慣れるまではパンの選定に悩んで時間を要することもありましたが、慣れてからはだいぶスムーズです。営業中の段階で「これが余ってしまいそうだな」という目星をつけて詰め合わせの準備をするなど、臨機応変にやっています。業務時間内にTABETEに関連する作業を終えていますよ。

ーーユーザーさんとのやり取りに関しては、いかがでしょう。気がついたことなどありますか?

岩本さん:毎回会話をするわけではないですが、「中身を選べるの?」「食パンは入っているのかしら?」といった質問をいただくことがあります。そういうときは「ランダムで入っています」と説明させていただくと、ご納得いただけますね。

小田さん:本社への厳しいご意見みたいなものも、特にありませんよ。


ーーロス削減が目的ですから、やはり詰め合わせ内容はランダムになりますよね。サービスのメッセージに共感していただいているようで、良かったです。

導入のハードルが低く、利益を損なわない「食品ロス削減ツール」として展開に期待

ーーすでに、仕入れ調整や店頭値下げを実施して食品ロス削減に取り組んでいるところに、追加でTABETEのようなツールを取り入れるというのは、大変なことだと思います。そこから一歩を踏み出された御社は、先駆者だと思っています! 

今までのお話のほかに、TABETEの感想や、これからTABETEを使う人へのアドバイスがあれば、聞かせてください


小田さん:確実に損失は少なくなると思います。費用をかけ作った商品がそのまま廃棄になってしまったらゼロですが、一個でも売れれば150円の手数料を除いた分が売り上げになり、現金回収ができています

あとは、導入が容易ですよね。特に通信環境について、「HOKUO」はWiFiのない店舗がほとんどなんですが、TABETEはスマホがあれば使えるので助かりました。

ーー店長さんの目線では、いかがでしょう。岩本さんからもアドバイスを伺えますか?


岩本さん:店舗としては、最初は不安ではありますけれど、やってみたらすごく簡単に使える仕組みだと思います。出品準備の手間に関しても、慣れれば短縮できますし。

それから、お客様から「すごく良い取り組みね」という言葉をいただいたときは嬉しい気持ちになりますね。店舗スタッフが店の商品をレスキューしていくこともあって、やはり、TABETEの理念・仕組みに賛同して使っているみたいです。私もすごく良い取り組みだなと思います。

ーー会社全体で食品ロス削減に力を入れる中で、TABETEというツールを選んでいただき、またこのように活用いただき、嬉しく思います。これから、お店側の使い勝手も更に改善して、より便利に使っていただけるようサービスをパワーアップさせていきます!

〈企画・調整=金高淳也(@JJ49546430)/取材=篠田沙織(@0815Sama)/文・編集=山田晴香/撮影=伊作太一(@fuzz139)〉

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今後もTABETEを導入している店舗様へのインタビューや、フードロス削減の工夫についてnoteで発信していく予定です。フードロス削減にお困りの飲食店の方は、ぜひ以下URLからご連絡ください。

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