世話役会議REPORTー連携力を活かした食支援を目指してー(10/8開催)
参画するメンバーたち相互の情報共有、議論の場として隔月で開催している世話役会議の様子を残していきます。
豪雨が襲った能登での支援状況
9月21日に能登を襲った豪雨は、地震発生から9カ月を経て、地域差はありながらも少しずつ進んでいた復興が、また振り出しに戻ってしまうような過酷な状況をもたらしました。支援現場においても、入居が始まったばかりの仮設住宅が浸水してしまったり、避難所を再度ゼロから立ち上げなければならなかったり、と精神的にも体力的にも堪える環境を強いられました。このような状況から、被災者のみならず「支援者の支援」の必要性や対応策について議論しています。
また、避難所や在宅避難者への食支援についても、地域の雇用創出や経済的支援を考慮した地元事業者との連携で、栄養バランスの良いお弁当手配に取り組む様子について共有がありました。在宅避難者への支援の在り方についても意見交換がなされ、安心して在宅避難ができる仕組みの模索について協議しています。
過去に例を見ない大規模地震と豪雨による連続被災への対応を経験則としながら、あらたな課題と中長期にわたり向き合っていくことになりそうです。
防災庁設置準備の動きを踏まえて
10月1日に次期首相として石破総理大臣が選出されたことに伴い、事前防災の徹底を通じて災害対策強化を図る「防災庁設置構想」が打ち出されました。今後、その道筋が具体化されることが想定されるなか、避難所での食事状況をはじめとした災害時の食や栄養の問題に対する国の意識が高まっていくことへの期待について、意見を交わしています。
食や栄養を専門とする有識者が早い段階で参画する可能性や、各々の管轄内で連動した動きを担うであろう関連省庁への働きかけなど、多岐にわたる論点が挙がりました。
たべぷろでは、災害時に後回しにされがちな食と栄養の問題やその背景を広く周知するとともに、問題解決に寄与する平時からの仕組みや体制づくりへのインパクトが大きい啓発を課題の一つに掲げています。その観点からも防災庁設置準備の動きに注目し続け、たべぷろができることを模索していきたいと思います。
強化していく「いつも」の動き
TAFによる「食の防災」啓発は、連携地域の広がりを見せています。9月には、山形県庄内や千葉県市川市を舞台に、行政栄養士や民間の栄養士等を対象にした研修を行いました。
平時から顔の見える関係性を築き、大規模災害発生時により良い急性期対応を進めていく重要性についても説いています。
TAF制作による「どんなときも ♪ レシピ集」は9月月末にようやく完成。調理環境や食材の制約下でも栄養に配慮したおいしい食事づくりを可能にする、知恵や工夫が詰まった一冊は、食育や防災教育を推進する学校教育の現場でも需要があるのではないか?と、あらたな可能性を見出しています。
家庭科の調理授業や総合的な学習の時間などでの活用を模索するために、今後、関係者との議論の場が生まれそうです。
JVOADにおいても、平時の取り組みとして災害対応訓練事業を推進していくことについて共有がありました。行政とNPO、そしてボランティアの三者連携による災害対応力を強化していくべく、課題の一つに食事支援も組み入れた訓練プログラムを制作しているとのこと。本プログラムは、まず千葉県と福岡県で試行する予定です。
世話役会議での議論や実際の取り組みについて、これからも定期的に記録していきます。ぜひご注目ください。
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