それっぽさを好む俗人
分かりやすいものほど、「単純すぎた」「簡単すぎた」「もうすでに知っていた」と言って軽視される。
それはそうだ。僕らの脳みそは記憶障害を起こしているだけで、実際は当たり前をたくさん知っている。その当たり前が思い出されたとき、人は感動する。だから、分かりやすいものほど価値がある。
分かりにくいものに価値を求めるのは、何かが思い出されそうだから。だけど、多くの作品は、それっぽさを出すことで終わりだ。なぜなら、その当たり前を提示する能力が作者にないからだ。そのため、閲覧者が、「それっぽくてなんかいい感じ!」と感想を言うことは非常に作品の的を得ている。それっぽさだけだから。
知識が広がるにつれ、当たり前が大切になってくる。その当たり前を軸にものを考えるようになるからだ。気づけば、当たり前を求めるようになっているので、その当たり前にすごく感動するようになる。バケモノの子は、当たり前であり、とてもよい作品だった。『チ。』も素晴らしい。
だけど、たまにはその当たり前を見つけるために、それっぽさを大切にしなくてはならない。作者が完成できなかった作品を完成させるのは僕らだ。
それっぽさを確実にしよう。「世界を動かせ」
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