OKRに欠かせないウィンセッションは”うぬぼれ中”だった
OKR(Objectives and Key Results)について、「中身は分かったが、実際に設定、運用するのが難しそう。。。」と言ったご意見を多くいただく。
そこで、少しでも分かりやすくOKRについて理解いただくために、設定や運用におけるポイントを身近な話題で解説します。
今回のテーマは、「ウィンセッション」
OKRとウィンセッション
ウィンセッション(Win-session)とは、OKRを運用する上で欠かせないチーム・ミーティングで、メンバー同士が承認、称賛しながら情報共有を行います。
「本気でゴールを達成したい人とチームのOKR」に登場いただいたパーソルプロセス&テクノロジー株式会社の浅沼氏は、OKRの運用にウィンセッションは欠かせないと述べています。その上で、OKR導入検討中の企業に向けて、このようにアドバイスを送っています。
数字にこだわるだけではなく、ウィンセッションで承認・賞賛をして、どんな人が仕事をしているのか、どんな価値観を持っている人がいるのかを発表し合うことで仕事をする楽しさが生まれ、仕事以外でのコミュニケーションにもつながるので、OKRを導入して、そのあたりを感じてほしいなと思います。
OKRではムーンショット発想の高い目的を組織全体で目指すことが求められます。当然のことながら目的、目標が低い時に比べ高い時は、達成率が低くなったり、残念ながら失敗に終わることが多くなります。
また、組織内ので協力を生むためには、価値観、仕事内容を相互理解することが欠かせません。そのため、OKRを運用するにはウィンセッションが欠かせないのです。
ウィンセッションのやり方
ウィンセッションは、「勝利の会」を意味します。週末を迎える金曜日の夕方に、その週の「勝利」を祝います。
OKRを運用しているチームで行うウィンセッションの一般的なやり方をご紹介します。
①メンバーが自分のできたこと、嬉しかったことを発表する
業務報告の場ではないので、網羅的に発表する必要はありません。自分がポジティブな感情いだいたことや、チームの全身に貢献したと感じることを発表しましょう。成果物などがある場合は共有しても良いでしょう。
チャットなどで事前に共有しておくと、発表時間が短縮されます。同時に後述の他者からの承認、称賛を受けやすくもなります。
②発表内容を周囲のメンバーは承認、称賛する
ウィンセッションはポジティブな場であることが絶対条件です。他人の発表に対して、ネガティブな発言は禁止です。承認、称賛の場ですが、感謝や労いの言葉を掛け合ってもよいでしょう。
「他人の業務内容がよく分からないから、承認、称賛できない」と質問いただくこともあります。そういった場合は、発表内容に興味、関心をもって質問をしてみてください。
「どうやってうまくいったのですか?」「お客様はどんな反応でしたか?」
などの質問をされると業務についてその人の頑張りを承認することになります。同時に知らなかったことを前向きに共有する機会にもあります。
③1週間をポジティブに締めくくる言葉で終了する
週末を楽しく迎えるために、最後は「今週もおつかれさまでした!」「ありがとうございました!」と明るくお互いに感謝、労いの言葉でポジティブに締めくくって終了です。
週の最後に「今週、〇〇できなかったな、、、」と暗い気持ちではなく、前向きな気持ちでチーム全員で終わりをむかえまかったな、、、」と暗い気持ちではなく、前向きな気持ちでチーム全員で終わりを迎えましょう。
ウィンセッションを盛り上げる工夫
お菓子やお酒を準備して気軽にウィンセッションを開催する職場もあります。自分の職場の雰囲気に合わせる必要はありますが、気軽に明るく行うことが重要です。
特にオンライン環境下では、雑談や脱線する会話が減ります。ウィンセッションでは、気軽に雑談、脱線も大歓迎の姿勢が望ましいです。
また、ウィンセッションのファシリテーターは、役職や立場に寄らず当番制にすることをオススメしています。ファシリテーターとして盛り上がってほしいという思いを経験すれば、参加者になったときにも前向きに臨むことができるようになります。
ウィンセッションの事例
①株式会社Be&Do
タレントマネジメントシステムHabi*do(ハビドゥ)の開発・運営を行う株式会社Be&Doが実際に行っているオンラインでのウィンセッションを取材しました。リモートワークでチームがイキイキするために実践している内容をお伺いしています。
②株式会社日本ユニスト
総合不動産デベロッパーの株式会社日本ユニストでは、OKR運用において、ウィンセッションを活用しています。ウィンセッションの効果について、このように記事の中で述べています。
「週末すごくいい形で終われている」とみんなからもコメントをもらっています。
ウィンセッションだけでなくOKRについてのリアルな声をお聞かせいただいています。
OKRに関係なくウィンセッションに取り込んでみる
しかしながら、ウィンセッションという呼び名や、ビール片手にお互いに賞賛しあう、というイメージがあたかも欧米の陽気な気質向きに感じて、尻込みしてしまう人も多いです。
また、毎週金曜日にウィンセッションの時間を取ると、時間がかかってしまうとOKR自体の導入・運用に難色を示される会社もあります。
しかし、よく考えてみてほしいのです。多くの情報共有や進捗報告のために多くの時間をミーティングについやしていませんか?そのミーティングの冒頭で数分で良いので、騙されたと思って承認と称賛に集中する時間を取ってみてください。メンバーそれぞれがその期間の仕事で、できたこと、自慢できること、をポジティブに発表し、他のメンバーが承認、称賛します。
ただし、その数分間は絶対にネガティブな指摘や注意は行わないルールにしましょう。そうすることで、たとえ上司がネガティブなことを言い出しても、「今、ウィンセッション中ですよ!」と明るく指摘できるようになります。
たったこれだけのことで、自然な情報共有が起こります。そして、承認、称賛しあえているメンバーだからこそ、高い目的に向かうために遠慮なく厳しいことも言い合えるようになります。
鳥貴族は「うぬぼれ中」
ところで、みなさんは鳥貴族の入口に掲げられた「うぬぼれ中」の木札を見たことはありますか?
ご存じの方も多いかも知れませんが、あの木札はいわゆる「営業中」を意味するものです。
では、なぜ「うぬぼれ中」と掲げられているかと言えば、鳥貴族の企業理念だからです。
鳥貴族のホームページには以下のように書かれています。
■永遠の理念「鳥貴族のうぬぼれ」
焼鳥屋で世の中を明るくしていきたい、という想いを永遠に持ち続けます。
ほとんどの企業が理念を掲げています。しかしながら、理念浸透に取り組んでいない、取り組んでいても十分に浸透できていない、という企業が多いのではないでしょうか。
一方、鳥貴族においては、理念浸透の一環が冒頭に掲げた木札はもちろん様々な取り組みをしていることが、鳥貴族の大倉社長の著書「鳥貴族「280円均一」の経営哲学」には書かれています。
『第三章「俺たちは鳥貴族」。誇り高き人づくりの法則』の中でには、今日的な組織論に通じる多くのことが書かれています。
まず、タイトルにある「俺たちは鳥貴族」であるとスタッフが語ったエピソードから始まっています。このエピソードは責任感と誇りをもった人づくりが大切であることを述べています。これはまさに最近注目の従業員エンゲージメントが高い状態でしょう。
このようにいかにも最新ワードと思われることも、なじみのある企業のエピソードから気づきを得ることで腹落ちしやすくなるのではないでしょうか。
ウィンセッションは”うぬぼれ中”だった
さらにこの本では「うぬぼれ中」の浸透についての具体的な取り組みが書かれています。
まず、マネージャー陣は会社の理念「うぬぼれ」や志を自分の言葉で伝えるプレゼンを行うのです。管理職はトップの想いを翻訳する役割だ、と研修などでお伝えしているのですが、まさにそのプレゼンをすることで、理念、志の浸透を図っています。さらに大倉社長はそのことで社風、企業文化が変わっていくと考えています。
その上で、理念が語れるだけでなく実際に行動に移せなければ意味がありません。鳥貴族であれば店舗で実践されなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。
そこで、店舗で「うぬぼれ体験」を共有し、行動につなげる取り組みをしています。実際にお客様に感謝された経験を全員で共有し、自分以外の体験をも取り込んで行動に移せるようになるのです。
うぬぼれ体験の共有は、自分の仕事に誇りを持ち、また周囲から承認、称賛される機会となります。つまり、店舗ミーティングがウィンセッションとなっていると言えるでしょう。
ミーティングの時間に成功事例や自慢を語ることで参加者が「うぬぼれ中」になることこそ、ウィンセッションのポイントです。
ですので、OKRを導入しているか、どうかに関わらずウィンセッションにはぜひ取り組んでみてほしいのです。
ビール片手に行う、などの形式にとらわれず、ウィンセッションのポイントを取り入れたミーティングを行ってはいかがでしょうか
もし、ビール片手にこだわる場合は、一度ミーティングを鳥貴族で行っても良いかも知れませんね。
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