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大晦日にそばを食べたいという理由で家に来たらなぜか三賀日過ぎても一緒にいるんですが…

年末。

紅白を見て年越しの時間には” 起きてれば ”ジャンプでもしたいものだと思いながら大晦日の22時台へと時が進む




〇:はぁ…明日仕事だから実家には帰れないし家にいるからって別にやることないし……暇だなぁ



友達と夜更かしするのもあんまり気が乗らなく断った…とはいえ大晦日というのは案外暇なものである






そんなことを思っていると………






ピンポーン……ピンポーン!!




〇:こんな時間に客…?




疑問に思いながらも玄関を開け……






美月:寒い さむい…とりあえずお家入るよ




そういうとのそっと部屋に入ってくる美月



〇:お、おい!なんでここに美月がいるんだよ!

美月:そんなのどうでもいいから玄関閉めて!

〇:わがままだなぁ…






幼馴染とはいえ、何年も会ってなかった人が目の前に現れると人は意外に冷静なもので……





〇:何しに来たの?

美月:用がないと来ちゃダメなの?

〇:ダメってわけじゃないけど何年もあってないやつがいきなり来るぐらいだからなんか用があるのかなって

美月:ん〜まぁ〇〇なら暇そうだなって

〇:失礼な……

美月:それは冗談として!

〇:(冗談な気がしないんだけど…

美月:一緒に年越しそば食べない?

〇:は?

美月:だーかーらっ! 年越しそば食べない?


〇:いいけど……それのためにウチに来たの?

美月:うん!

〇:まじか…(相変わらずの行動力…

美月:いいでしょ?

〇:いいけど年越しのときってメンバーさんとか仕事仲間の人とかと過ごさなくていいの?

美月:私もう乃木坂じゃないし大晦日まで仕事の事なんて考えたくない!

〇:そっか そっか…笑

〇:にしても久しぶりだなぁ…美月と話すの

美月:だって〇〇握手会とか来てくれなかったもんね

〇:だって行くの面倒なんだもん

美月:ライブにも来てなかったでしょ?

〇:さ、さ…最後の卒業ライブにはいったもん…

美月:私それまでにいっぱいライブ出てるんですけど?

〇:だっておれ乃木坂ファンじゃないんだもん…

美月:みづきちゃんのファンになりなさいよ!

〇:幼馴染を推すことほど惨めになりそうなことないんだけど

美月:たしかにそうかも…笑

美月:ていうかさ、明日ってひま?

〇:いや、明日は朝から仕事

美月:年始の朝から仕事なの!?


〇:おれ一応これでもスーパーの店長だからさ

美月:年始くらい休みにすればいいのに…

〇:1番のかきいれ時に休めるかぁ!

美月:私と元旦を過ごすのと仕事場で元旦を過ごすのどっちがいいの?

〇:ファンの人なら究極の2択なんだろうけど…俺は仕事場を選ぶかな

美月:むぅ…!〇〇はそんなに仕事人間になったのかぁ!

〇:美月……

美月:ん?

〇:仕事人間なのは美月の方が当てはまってると思うぞ

美月: ……核心をつくことは禁物!

〇:だよなぁ笑







それから年越しそはを美月が作り始め……




美月:ふふ。この感じ新婚さんっぽくない?

〇:たしかにそうだな

〇:そもそもここのキッチン使うのが数ヶ月ぶりだけと

美月:いつもご飯はどうしてるの?

〇:カップ麺とか冷凍食品とか…あとはコンビニのスナックとかかな

美月:体に悪いものばっかり……

〇:だって料理出来ねぇんだもん

美月:コロナの時に料理勉強すればよかったのに

〇:あの頃は今以上に自炊する人増えててスーパー側からすれば1番暇のない時だよ

美月:あ、たしかに…

〇:てか、美月ってエプロン姿似合うな

美月:そうかなぁ?

〇:なんか…可愛い

美月:えへっ…〇〇が可愛いって言った〜!

〇:事実だからいいだろ言っても

美月:だって今はどうか知らないけど昔は堅物みたいに感情出さなかったじゃん

〇:俺もこれだけ時間が経ったら変わってるよ

美月:たしかにそうだね









そうしているうちにそばが完成し…






「「 いただきます! 」」




〇:んっ…このつゆ美味っ

美月:蕎麦じゃなくてつゆ?笑

〇:出汁から作ってるからめちゃくちゃ美味い

美月:これって普通の出汁なんだけどなぁ…もしかして手料理食べるのが久しぶりだから美味しく感じるんじゃない?

〇:あ〜それはあるかも。最近はロボットが作った飯しか食べてなかったからなぁ

美月:そんなんじゃ体壊すよ?

〇:心配してくれるの?

美月:当たり前じゃん。〇〇がいなくなるのは困るし

〇:ふ〜ん。なんか分かんないけどありがとな

美月:もうちょっと感謝しやがれっ!




そういうと美月は〇〇に飛び乗るかのように抱きつく




〇:ちょっ…美月っ…///

美月:なに?昔はよくこうやってギュッてしてたじゃん

〇:そうかもしれないけど今は昔と状況が……

美月:変なこと考えないで〇〇も抱き返してよ!

〇:わ、わかったよ…




恐る恐る美月の背中に腕を回し抱きしめ返す〇〇



美月:ふふ。〇〇ってもしかして女性慣れしてない?笑

〇:慣れてるわけねぇだろ。彼女できたことないんだし

美月:これだけかっこよくて仕事も出来るのに彼女いないんだなぁ…まぁでも勿体なくはないかな

〇:え?そこは勿体ない!って言ってくれるんじゃないの…

美月:い〜や。〇〇なら勿体なくない!

〇:なんで?

美月:だって美月ちゃんがそんな〇〇のこと貰っちゃうも〜ん

〇:はぁ?

美月:だからさ!私と付き合ってよ

〇:はぁ!?



小さい頃からトンデモ発言を繰り返すタイプではあった………が、これはさすがにトンデモの域を越えている



美月:彼女いないんならいいでしょ?

〇:いやいや、おふざけでしょ?

美月:ちがうもんっ!ほんとに彼女になろうとしてるの!

〇:だとしたら今の美月には俺じゃ見合ってないよ……

〇:せっかくいい女優さんになったんならもっとカッコよくて性格のいい人と付き合えるはずだよ

美月:べつに彼氏を探すために芸能界に入ったわけじゃない!だから私が前から好きだった人と付き合うのもありでしょ?

〇:前から…?

美月:そう!〇〇は気づいてないかもしれないけど私ずっと片想いしてたの

美月:でも結局乃木坂に入ることになって付き合えなくなっちゃったから一時は諦めてた…

美月:だけど、この前たまたま〇〇のお母さんと道端で会って〇〇の話を聞いてたらやっぱり好きだった感情が表に出てきちゃったの!

〇:そうだったのか……

美月:だから……付き合ってください

〇: …もちろんよろしくお願いします

美月:やった!

〇:本っ当に俺でよかったの?

美月:もうっ!〇〇はもうちょっと自分に自信持ったらどうなの?

美月:それに!私は〇〇が思ってるよりも〇〇のこと好きだからっ

〇:そ、そうかっ…///

美月:あれ、顔赤くなってる〜

〇:うるせぇ!

美月:はいはいうるさいでちゅねぇ

〇:くっ…舐めてる……







そうしてその日は何故か美月は帰らず2人で一夜を過ごすことになり……





〇:それじゃあ行ってくるよ

美月:うん!

〇: ……ってか帰らないの?

美月:ん〜彼氏のカップ麺だらけのお部屋を片付けないといけないからなぁ

〇: …頼んだ

美月:ふふ。お仕事頑張ってね〜

〇:おう







それから〇〇は仕事を始め年始ということもあり普段の数倍の売り上げを半日で叩き出した




〇:い、忙しすぎる…


「店長!レジが混み合ってるのでレジに立ってもらっていいですか?」


〇:あ〜わかった。今いくよ





そんなこんなでワークスケジュール通りには行かない1日にも夕日が差してきはじめ……




?:お会計お願いしま〜す


〇:はい……って美月!?

美月:やっほー朝ぶりだね

〇:まさか美月がここ来るとは思わなかったわ

美月:ほんとは家でゆっくりしてちょっと料理して待ってようと思ったんだけ〇〇の冷蔵庫なーんにも入ってないんだもん

〇:すまん……



申し訳なさを感じながらレジ打ちをしていると




「も、もしかして…山下美月さんですか?」


美月:あれ、私のこと知ってるの?


「大ファンです!山下さんを拝められるなんて正月に出勤したかいがありました!」


美月:ふふ。〇〇もいい人雇ってるね〜

〇:ファンがいて気持ちよくなってるだけだろ

美月:バレた?笑


〇:美月ほどの分かりやすい人もなかなかいないからな。アホだし


「山下さんにそんなこといっちゃいけませんっ!」


美月:そうだ そうだ〜!

〇:うぜぇ……

美月:いいね〜仲間がいると〇〇とも闘いやすい!


「仲間だなんて!ありがとうございます」


〇:お会計4600円になります

美月:それ〇〇にツケといて

〇:ここ鮨屋じゃねぇんだよ!




こうして嵐のごとく美月は去っていき……




「店長!山下さんがいるならもっとメイクすればよかったです!」


〇:そんな気合い入れなくてもいいでしょ笑


「何を言ってるんですかっ!ずっと推してたんですよ!?」


〇:ははっ…。こんな身近にファンがいたとは笑


「また山下さんこないかなぁ…」


〇:仕事頑張ったら来るんじゃない?


「死にものぐるいで頑張りますっ」


〇:頑張れ〜





それから締め作業に入りその日は閉店した





ー帰宅ー



〇:おい美月!

美月:何よ帰ってきていきなり怒って


〇:わざわざウチのスーパーくるなよ……スタッフ何人か正気じゃなくなってたぞ

美月:私が来たくらいでそんなことならないでしょ笑

〇:それがホントのことだから怖いんだよ…てか、そもそも変装くらいしろよ

美月:え〜めんどくさいじゃん

〇:そもそもインフル流行ってんだからマスクくらいしろよ

美月:みづきちゃん反マスクだから

〇:それもう死語だろ……

美月:もうっ!いまそんなのどうでもいいのっ

美月:お腹すいてるでしょ?

〇:うん。めっちゃ空いてる

美月:ご飯できてるから一緒に食べよ!

〇:おう!2日連続で手料理食えるなんていつぶりだろ…

美月:ふふ。これからはいっぱい食べさせてあげるっ♡

〇:ありがとな…笑
(ちょっと待て…俺ほんとに何も出来ねぇじゃん






それからテーブルに料理が並び…



〇:美月って料理美味いんだな

美月:それは食べてから言ってくれません?笑

〇:だってこれ絶対美味いやつじゃん!

美月:食べてみてよ

〇:うん






上手いが確定してる飯ほど箸が軽く感じるものはなく……




パクッ…パクッ……パクッ




〇:んっ…これマジで美味いわ

美月:よかったぁ…見掛け倒しにならなくて

〇:絶対ならないって…笑




そう笑いながらも箸はまったく止まっておらず…


美月:食べ方食いしん坊すぎるでしょ


〇:だって美味いんだもん!毎日ロボットが作ったものしか食ってなかったし

美月:たしかにそのあとにこれだったらそうなるよね笑

〇:当たり前だぁ!

美月:えっ…ほんとに小学生と語彙力一緒なんじゃない?笑

〇:さ、さすがに違うことを祈るばかりでございます……





それからあっという間に食事が終わりソファでリラックスタイムに突入した




美月:そういえば……ここのリビングでの最後の食事はどうだった?

〇:ん〜?そんなのもちろん美味しかt…さ、最後の食事!?

〇:ごめん俺年末年始で疲れすぎて幻聴聞こえ始めたかも…

美月:ん?なんにも幻聴なんて聞こえてないと思うよ?

〇:だ、だって今…ここのリビングでの最後の食事って聞こえたんだけど……

美月:うん。そう言ったもん


〇:はぃ?

美月:だってここのお部屋解約したもん

〇:はぁ!?

美月:いいでしょ?

〇:いや俺じゃあ今からどこに住めと……

美月:そんなの……野宿?

〇:アホか!店長が野宿ってそれ経営失敗したやつの究極の末路みたいじゃねぇか

美月:うそ うそ。

〇:よかったぁ……解約してないんだ

美月:あ、それは嘘じゃないよ

〇:ふぇ!?

美月:明日から〇〇はみづきちゃんのお家に引っ越してもらいますっ

〇: ……あぁぁ……意味わかんねぇ……これ夢かなぁ




明日から住む家が変わる。
これ最低でも1ヶ月前には決めなきゃいけないもの……今の〇〇は1か月前どころか1日前だ




美月:ここよりお部屋は広いから

〇:そういう問題じゃねぇ!

美月:あ、コンビニも近いよっ!

〇:そういう問題でもねぇわ!

美月:じゃあどういう問題?

〇:今からすぐ引っ越し準備しなきゃいけないし…

美月:もう済ませてるよっ♡

〇:付き合ってすぐに同棲ってのも意味わかんねぇし……

美月:同棲になったついでに苗字も一緒にする?

〇:結婚の話をノリでするなっ

美月:ノリじゃなかったら結婚していいんだ

〇:いや……お願いだから多少は常識を知ってくれ

美月:大好きに常識なんていらないのっ

〇:昨日久しぶりに会ったようなやつによくそんな事いえるなぁ…

美月:だって〇〇が変わってないし…このまま〇〇のこと放っておけないんだもん

〇:そうかぁ……なんかもうどうでもよくなってきた……

美月:てことは?

〇:なんかもう意味わかんねぇけど同棲するよ

美月:やったー!これからずっと一緒だからね!


〇:だからそれは結婚する時に言うやつだろうが〜っ!







こうして2人は同棲し、無事にゴールインした









〇:あ、相変わらずこのマンションの高さは見慣れねぇなぁ

美月:ダーリン田舎っぺみたいになってるよ?

〇:これでも東京育ちだわ!


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