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可愛すぎるマネージャーが甘え上手すぎて困ってます!

朝焼けが顔を出してくるころ……



〇:はぁぁ……嫌だなぁ

△:お前マジで朝弱すぎるだろ。笑

〇:朝弱いのもあるけど朝練ってあんま意味無くて嫌なんだよ

△:顧問様が考えて考えて編み出したメニューなんだから意味が無いわけないだろ

〇:お前……変な宗教にでも入ったか?

△:そんなわけないだろ!俺が入りたいのは宗教じゃなくてスタメンだ!

〇:あれ、スタメン入ってないんだっけ?



こんなに嫌がっているのだが〇〇はスタメン……というかエースなのである



△:お前うぜぇ……

〇:まぁまぁ…団体は出れなくてもシングルは出れるのがテニスの良さだから…笑

△:シングルでは絶対お前以上の成績残してやる

〇:ほぉ……頑張れぇ

△:腹立つなぁ…






それからランニングやストレッチなどのメニューをこなし……




〇:やっぱ朝練嫌いだぁ

△:嫌いとか言いながらちゃっかりついていけてるの凄すぎるわ

〇:だってあんなの朝飯前レベルでしょ

△:いや、俺吐きそうだったんだけど……

〇:そんなんじゃ俺には勝てないぞ〜

△:きぃぃい!!







そうして朝練の後はすぐにホームルームが始まるため急いで教室へ向かう



〇:ん、あれっ…俺の隣に席がある



〇〇のクラスは生徒数が奇数なため隣はいなかったのだ



△:ほぉ…これ転校生来るパターンじゃね?

〇:中学なら分かるけど高校で転校ってあるか?

△:んん…親が転勤族だったら有り得なくはないだろ

〇:まぁそうか





それから程なくしてホームルームが始まり……



先生:早速だがうちのクラスに転校生がやってくることになった




その言葉と共に△△の「ほらな」と言わんばかりの顔をこちらに向けた



先生:それでは入ってきてくれ

?:はい

△:(お、おぉぉ……

?:愛知県からやってきました。遠藤さくらです。よろしくお願いします

先生:それでは遠藤さんは〇〇の隣に座ってもらおうか

さくら:えっと…〇〇さんって……

〇:(そりゃ名前で言われても分かるわけないよな…"普通は"

〇:はい。ここです

さくら:あ、はい!





遠藤さんの第一印象はというと、メガネにマスク……いわゆる陰キャタイプ(?)
△△が期待できなさそうな顔をしていたため△△は可愛くないと捉えたのであろう




〇:遠藤さんよろしくね?

さくら:は、はい!よ、よろしく…お願いします

〇:緊張しなくて大丈夫だよ笑

〇:敵チームのマネージャーだからって軽蔑なんてしないから

さくら:っ!!!


〇:あ、違うか。元マネージャーになるんだったね

さくら:な、なんで知ってるんですか……

〇:そりゃあ全国大会で戦った相手の学校だもん。あんな舞台の時は選手以外にも目を光らせとかないといけないからね

さくら:さ、さすがだ……

〇:俺に会うと気まづいからメガネかけてマスクもつけてんでしょ?

さくら:コクッ

〇:ははは。遠藤さんって細かいね

さくら:だって……〇〇さんには絶対嫌われると思ったから…

〇:まぁ…なんでかしらないけど僕の苦手なとこ全部知られてたからねぇ…あれ遠藤さんが調べたの?

さくら:はい……

〇:すごいなぁ…選手じゃないのにあれだけの分析力はさすがだよ

さくら:いえいえそんなそんな……



そんなことを話していると△△が「こっちへ来い」と言わんばかりに〇〇をみつめる






〇:どうしたんだよ

△:遠藤さんって人陰キャっぽくない?

〇:うわぁ…お前人を見た目で判断するタイプか

△:で、でもそうだろ?なんか可愛くはなさそうだし

〇:ふーん。せっかくお前を決勝まで連れて行ってくれそうな人だって言うのに…

△:ど、どういうことだ?

〇:ちょっと待ってろ




それから〇〇は自分の席へ戻り……


〇:遠藤さんもう僕にはバレてるんだしメガネとマスク取ってみてくれない?

さくら:えぇ…恥ずかしいよぉ…

〇:お願いっ!

さくら:わかった…



そういって遠藤さんはメガネとマスクを取った




△:っ!!!

〇:ありがと。やっぱり遠藤さんマスク取った方が良いよ

さくら:そ、そう?

〇:うん。マジで可愛いもん

さくら:か、かわいい…かなぁ…///



〇:や、やばいって!どう考えても可愛すぎるだろ





そして誇った顔で△△の元へ行き



△:〇〇様誠に申し訳ございませんでした

〇:見た目だけで判断するからお前テニス弱いんじゃん

△:うぐっ…心に傷が入る……

〇:まぁとにかく、遠藤さんは味方につけてて損は無いと思うぞ〜

△:??



全国大会には行けてない△△にとっては遠藤さんがマネージャーであったことすら知らないのだ






〇:遠藤さんさ、うちのマネージャー……なってくれないかな?

さくら:え〜どうしようかなぁ…


〇:お願い!遠藤さんがいればいつもより安定して結果が残せると思うんだ

さくら:私そんなに貢献できないよぉ

〇:できる!あれだけ僕の苦手なとこ見つけ出したんだもん。絶対貢献できる!

さくら:じゃあ……さくとお友達になってくれたらマネージャーになってあげるっ///

〇:僕でよかったらもちろん友達になるよ

さくら:私と友達になったらめんどくさいかもよ?

〇:遠藤さんなら我がままでも全然いいよ笑

さくら:言ったねぇ?

〇:うん

さくら:じゃあ今日帰りにお団子行こ!

〇:ふふっ…そんなのでいいんだ笑

さくら:お団子美味しいじゃん!

〇:まぁ美味しいけどさ笑







それからつまらない授業を聞き終え
心待ちのチャイムが鳴り……




さくら:今日は部活あるの?


〇:いや、今日は職員会議が入ってたはずだから無いよ

さくら:よし、じゃあさっそく行こ!

〇:どこに行くんだっけ?

さくら:むぅ……もう約束忘れちゃったの?

〇:嘘だよ。お団子屋さんだよね?

さくら:むっ…覚えてるなら覚えてないふりしないでよっ

〇:ごめん ごめん笑





そうしてたまたま近くにあったお団子屋さんへ行き……




さくら:ん〜ここのみたらしサイコォ

〇:団子ってそういえば久しぶりに食べたかも

さくら:お団子は最低でも1週間に1度は食べないと人生損するよ?


〇:そ、そうなのかなぁ……

〇:てか、そういえば遠藤さんってなんで転校してきたの?

さくら:あ〜そういえば言ってなかったね。私が転校してきたのはお父さんが転勤になっちゃったからなの

〇:(お〜うまさかの△△見事に読みが当たってるし

〇:でも、いっぱい学校あるのになんでこの学校を選んだの?

さくら:それは……

さくら: ………

さくら: …〇〇君がいたからだよ

〇:えっ…僕!?

さくら:うん。〇〇君が言ってたように私って相手の弱いとこに気づくのが上手いの

〇:うん

さくら:それでね、〇〇君のことも調べて完璧に分析できたと思ってたの……だけどそんなことなかった

さくら:それで、〇〇君のそばにいたらもっと分析が上手くなれると思ってここに来たの

〇: …ってとは僕がマネージャーになってってお願いしなくてもマネージャーになるつもりだったってこと!?

さくら:そういうことだね


〇:えぇ……テニスの分析だけじゃなく僕自身の分析の方までされてるとは……

さくら:〇〇君のテニスより〇〇君の分析の方が簡単かもね…笑

〇:くっ……なんか悔しい

さくら:へへっ…

〇:(なんだその「へへっ」……可愛すぎるだろ







ー2ヶ月後ー



大会に近づくにつれ練習量も増え〇〇でも堪える量になってきた



〇:これオーバーワークな気がするんだけど

△:気がするじゃなくてじゅうぶんオーバーワークだわ!

〇:あのコーチやっぱりやり方が古すぎる……

△:そう思うなら言ってこーい

〇:言ったら絶対嫌うだろあのコーチ

△:まぁな笑





そんなことを話していると遠藤さんがやってきて……





さくら:〇〇くーん!お願いされたぶん調べてきたよ〜


〇:ありがと。

さくら:あの人の特徴掴むの難しかったかんだから感謝してよねっ

〇:ほんとに助かるよ

さくら:はい、それとこれが△△君の相手選手の苦手なとこまとめたやつね

△:えっ!僕の分まであるの!?

さくら:うん。〇〇君からこれもお願いされたからね

△:こ、これがあれば勝てる気がするっ

〇:バカ!これだけ相手の情報あって負けたら逆にすごいわ

△:な、なんかいつもとは違うタイプの緊張がもうきてるんだけど……

さくら:頑張ってね△△君っ

△:は…はいっ!



さくら:〇〇君練習終わったら一緒に帰るからね!

〇:はーい







それから遠藤さんが集めてくれた情報をもとに細かい練習を終え……気づけば日は暮れていた




さくら:疲れたぁぁ……

〇:だね。マジで疲れた

さくら:てことで……〇〇成分補充ターイム!



そういうとさくらは勢いよく〇〇に抱きついた




〇:ちょっ ! 校門の前はさすがにマズイって!

さくら:え〜いいじゃん別に〜っ

〇:部員にバレたら面倒臭いんだって

さくら:そしたらさくと〇〇は付き合ってますって言えばいいだけじゃん

〇:まぁバレたらそうするけどさ……




そう。この2ヶ月で2人は友達から彼氏・彼女へとふたりの関係が変わったのだ



さくら: そういえばさ、〇〇から頼まれて調べたのに〇〇からはな〜んにもお返しもらってないな〜!

〇:お返しは2つ候補があるんだけどどっちがいい?

さくら:何と何?

〇:それは秘密っ

さくら:じゃあ候補の2つ目!

〇:よし、じゃあさくら目を閉じて

さくら:えっ…あ、うん……



これから先のことが見えているのだろう。
すぐに目を閉じてくれた



〇:さくらありがとね



そういうと〇〇はさくらの口元にキスを落とした




さくら: …っ///

〇:あれ、さくら顔真っ赤だよ?笑

さくら:キスされて恥ずかしくならないわけないでしょっ///

〇:ははっ…さくらのそういう分析以外のとこは疎いのも大好きだよ

さくら:うぅ……///

さくら:ち、ちなみに……1個目の候補は何だったの?

〇:あ〜1個目は団子の予定だった

さくら:じゃ、じゃあ〇〇が優勝したらお団子奢ってよ!


〇:普通祝うって意味でさくらが奢る側だと思うんだけど……

さくら:優勝候補選手をすべて調べたのはどこの誰ですか?

〇:うっ…うちのさくらです

さくら:てことでお団子ね!

〇:まぁお団子くらいいっか

さくら:やった!京都にあるみたらし団子を初めて売ったお店行ってみたかったんだよね〜

〇:は、はぁ!?近所の団子屋じゃないの?

さくら:当たり前っ!

〇:💧





それからというもの、さくらの調べたことをそのまま頭に入れた状態で試合に出るとまさかまさかの優勝してしまい……



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さくら:やった〜!京都〜!

〇:優勝したぁぁ……胸いっぱい………財布スカスカ






こうしてさくらの尻に敷かれる生活は永遠に続くのでした

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