親友なんだ。いいやつだよ
言葉について、言葉で語るなんて
どう考えても無理ゲー(ゲーム)なのだ。
それでも、この本はその困難さも含めてさらりと読みやすくシンプルに
まとめている。
基本の内容は
「昔、あきれるほど聞き込んだあの曲と、ふと再会したときの気持ち」
「お世話になった先輩に『ありがとう』以上のことを言いたいのに…という気持ち」など、
いくつかのこういうとき、なんて言ったらいい?というシーンに対し、
○○さんは、こういう風に言ってたよという感じで具体例を参照する形になっている。
古典小説のみならず、最近の歌詞やドラマのセリフなどサンプルも多種多様で、読んだ人の解釈だけでなく、書いた本人による「狙い」を解説しているのが素晴らしい。
色々なタイプの言葉のプロたちが、
それぞれの立場で言葉についての思い入れを語っているのも興味深い。
(表現が違っても内容としては、かなり近いところとか)
言葉にすることの難しさはもちろん、
その魅力や意義について改めて気づかせてもらった。
今までなんとなく知った気でいた知人同士の繋がりと
知らなかった一面を知って、より好感をもった…みたいな。
体が食べたものでできているように、
言葉は触れてきた言葉によってつくられていく。
ああいえばこういう系の激しいパンチラインによる罵詈雑言など
(最近久しぶりに耳にしてびっくりしちゃった)
時には自分を守るために必要になることもあるのかもしれないけれど、
過ぎてしまえば毒にもなろう。
アゴが痛くなるくらい噛みしめていかないと味がわからない言葉が
あなたの言葉や気持ちの核になることもきっとある。
もっと読んで、もっと書こう。
自分の気持ちがただ流れていくのに任せないで、
「今、どんな気分?」と尋ねながら。