老健でのリハビリテーション【環境因子の改善にフォーカスする】
こんにちは。現役社会福祉士のタカヒロです。
今回は、老健のリハビリテーションについてお伝えします。
僕は社会福祉士でリハビリテーションは専門外の人間ですが、回復期6年、老健9か月を経験しており、理学療法士や作業療法士などのセラピストと連携して仕事をしてきました。
よって、社会福祉士が感じる老健のリハビリテーションについて、忖度なしで書いていこうと思います。
機能回復第一ではない老健のリハビリテーション
先日、ある居宅介護支援事業所にうちの老健の宣伝に行ったところ、一人のケアマネジャーから、「老健のリハビリも機能回復を目指しているんだから、リハビリの宣伝をしないといけないよ」と言われました。
そのとき何も言い返すことはできなかった。いや、寧ろモヤモヤした状態で職場に戻ったことを覚えています。
数日経って出した答えが、「老健のリハビリテーションは、機能回復第一にはやってないのではないか」ということ。
なぜか。それには僕なりの理由があります。
回復期と老健の違いはアウトカムの有無
回復期では「実績指数」という、入院中にどれだけ身体機能や認知機能が改善したかを数値化している、『アウトカム指標』があります。このアウトカム指標は、算定している入院料の基準を満たさなければ、得られる報酬が減る可能性があります。よって、絶対死守しなければならない指標です。
一方、2020年現在の介護報酬では、老健にアウトカム指標は存在していません。そこで思ったのが、「老健でのリハビリは自立度の向上を第一の目的とはしていないのではないか」ということ。
老健は環境因子の改善にフォーカスしている
そこで僕が考えた答えは、
回復期では個人因子の改善を主目的にしているのに対して、老健では環境因子の改善を主目的にしている
上記のような内容です。
加えて、老健が環境因子の改善を目的としているのであれば、それは介護負担軽減につながると思います。
老健の役割の一つに「在宅生活支援」というのがあります。その役割を達成するためにリハビリテーションを提供していますが、同時に、家族の介護負担軽減も支援の一つに含まれています。
よって、老健でのリハビリテーションは、介護負担軽減を主目的とし、家族などが介護をしやすい方法や環境を整えるための支援をすることではないのだろうかと思いました。
具体的なリハビリテーションを書き出してみました。
介護をする上での身体の使い方や注意点の助言
環境調整や福祉用具などの提案
自主トレや利用者の役割構築
老健でリハビリテーションを受けることで、在宅復帰後もリハビリの継続がしやすくなります。
まとめ
このように、老健でのリハビリテーションは回復期と比べても遜色ないほどの着目点が多いです。また、老健のリハビリテーションが活きるためには、多職種との協働も必要だと考えます。
家族へのアプローチや環境調整など、医師・看護師・介護福祉士・介護支援専門員・支援相談員・管理栄養士などが介入することで、リハビリテーションとしての活動範囲も広がるでしょう。
僕は、老健こそがチームアプローチの場だと考えており、これからも利用者や家族を巻き込んだ多職種連携を実践していきます。
では、今回はここまでとします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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