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明日の自分のためにクッキーを焼く休日

クッキーを焼いた。
米粉のアイスボックスクッキー。
簡単でわたしが1番作るお菓子。

小学5年生のバレンタインの日、クッキーを焼いてクラスの女子に渡したことがある。
クッキーを手作りしたのがクラスでわたしだけだったからすごく喜んでもらえて嬉しかった。
それからは事あるごとにクッキーを焼いて色んな人にプレゼントした。
初めての彼氏にも。大好きな友達にも。
たくさん焼いてプレゼントした。

クッキーは誰かにプレゼントするもの。
いつの間にかそう思っていた。

社会に出て、気づけば自分の機嫌は自分で取らなきゃいけない年齢になっていた。
嫌なことや悲しいことがあって落ち込んでも誰も慰めてくれないし、落ち込んでるのを見せないようにするのが社会人として大切らしい。

だけど生きているだけでしんどい日もある。
明日が来なければいいのにって何回も思ったり。
それでも朝起きて生きなきゃいけない。
だったら明日の自分のためにクッキーを焼こうと思った。
「明日も無事に生きられますように」
そう願いを込めて。

しんどい思いをしてもクッキーがある。
それだけで気持ちが楽になれた。
味わって食べる日もあれば、8枚くらいをろくに噛まずに食べてしまう事もある。
どんな食べ方をしても昨日の自分は許してくれる。

昨日の自分の願いを食べて、今日も生き続けよう。

丸いクッキーになるはずだったのに、なんだか歪になっちゃった。
美味しかったから気にしない。
ちなみにお皿はお相撲さんの絵でお気に入りです。

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