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雨風にも出掛けるモチベーション
朝から激しい雷雨。
五歳息子の「スイミング行きたくない」が極まる。
激励する妻。「頑張ったら焼肉だよ」
あれ? メシでつってる?
敬老の日の葉書が義父母の元に届いた。
二人から「お礼にランチを」とお誘いがあり、レッスン後に待ち合わせしたんだそう。
――プール見学も誘ってあげたら良かったのに。
「一家族二人までなのよ」
ガランとした観覧席を見ながら、なんだかなと思う。
と、最前列に見知った顔……もしや?
声を掛けようとしたら、振り向きざまにじいじが「しっ」
なんと別家族として見学してるテイ。
「その辺はお任せしたの」と妻。確信犯!
息子は今日も果敢に水への顔付けに挑戦していた。
やればできる、胸をなでおろす。
と、客席から拍手喝さい……見れば義父母。
特にばあばはオペラグラスまで持ち、ミュージカル二階席の佇まい。
終わってジム入口で声を掛ける。
――今、終わったんですよ。
「あら、ちょっどよかった」
我々の白々しい芝居に雨上がりの風が吹きつけた。
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孫へ向くオペラグラスや雁渡し
(まごへむくおぺらぐらすやかりわたし)
季語(仲秋): 雁渡し、青北風(あをぎた)