【朗読】 『賢者のせんたく物』
【ツマヨム】妻が自作の物語を朗読してくれました。【休日特別公開】
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午前6時30分。
起床してきた妻のデラが洗濯機を回します。それはこの冬の朝の習慣となっていました。そのことを知っている夫のジムは、少し前に洗顔と髭剃りを済ませ、使ったタオルを洗濯かごの中に入れて、新しいタオルを掛け直します。
それもまた日課でした。
午前7時。
洗面所に入ったジムはふと、自分のタオルがさっき替えた物と違うことに気が付きました。キッチンのデラに尋ねます。
「君、もしや僕のタオル替えた?」
「ええ。ちょうど洗濯するところだったから」
「それっていつも?」
「そうよ。妻の優しさに感謝するのね」
ジムは自分も毎朝、直前に替えていたことを告白しました。
「いやだ。じゃあ、ずっと使ってないタオルを洗濯に回してたってこと?」
デラは落胆の声をあげます。
ジムは微笑んで言いました。
「お互いを思い合っていて心が潤ったじゃないか。まるで『賢者の贈り物The Gift of the Magi』みたいな話だよ」
デラは冷めた目をして「全然違うと思う」と返しました。
※元の記事
https://note.com/t_kanatsu/n/n79cc9c79f1fc
※Directed by かなつん__🖋
※「音楽の卵」さん(http://ontama-m.com/index.html)の曲を使用しています。
起床してきた妻のデラが洗濯機を回します。それはこの冬の朝の習慣となっていました。そのことを知っている夫のジムは、少し前に洗顔と髭剃りを済ませ、使ったタオルを洗濯かごの中に入れて、新しいタオルを掛け直します。
それもまた日課でした。
午前7時。
洗面所に入ったジムはふと、自分のタオルがさっき替えた物と違うことに気が付きました。キッチンのデラに尋ねます。
「君、もしや僕のタオル替えた?」
「ええ。ちょうど洗濯するところだったから」
「それっていつも?」
「そうよ。妻の優しさに感謝するのね」
ジムは自分も毎朝、直前に替えていたことを告白しました。
「いやだ。じゃあ、ずっと使ってないタオルを洗濯に回してたってこと?」
デラは落胆の声をあげます。
ジムは微笑んで言いました。
「お互いを思い合っていて心が潤ったじゃないか。まるで『賢者の贈り物The Gift of the Magi』みたいな話だよ」
デラは冷めた目をして「全然違うと思う」と返しました。
※元の記事
https://note.com/t_kanatsu/n/n79cc9c79f1fc
※Directed by かなつん__🖋
※「音楽の卵」さん(http://ontama-m.com/index.html)の曲を使用しています。