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(憧れの)父子の入浴一場面。
41℃に変更する。
冷えた夜は熱い湯舟でゆっくり……ガチャ。冷たっ!
「パパ、一緒に入ろう」
――ママは?
「今日はパパ」
珍しい、には訳があった。
「パパ、あのさ……ちんこが痒いんだ」
五歳息子の最近の悩み。
多分、おしっこが皮の中に溜まっちゃうのが原因か。
――ちゃんと洗わないと。
「自身」で構造を説明し清潔に保つよう伝授。
むけた包皮に興味を示し「僕も」とやるも「痛い」
――無理せずに。パパも練習したんだ。
「練習?」
――ゆっくり、1、2、3……
むいたり被せたりを五回。
息子は「面白ーい」と笑って私に手を伸ばしてきた。
「いち、に、さん……」
――やめなさいって。
言いつつも、ホームドラマみたいなやり取りに感無量。
と、ドア越しに妻の声が。
「楽しそうなお二人さん。寒いから10多く入って来てね」
息子と湯舟へ。「熱いよ、パパ」
ああ、温度を上げてたんだっけ。
5だけでいいよと言うと手がまたあそこに。
「いち、に、さん……」
やめなさいって!
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秋冷の湯舟に緩む父子ふぐり
(しゅうれいのゆぶねにゆるむふしふぐり)
季語(仲秋): 冷やか、冷ゆ、秋冷
※ふぐり……きんたま、睾丸のこと