糸球体腎炎の原因、所見、症状、現代医学の治療、東洋医学の治療(漢方など)をまとめてみました。
糸球体腎炎とは?
糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)は、腎臓の一部である糸球体と呼ばれる小さな濾過ユニットが炎症を起こす疾患の総称です。糸球体は、腎臓の基本的な機能である血液中の老廃物や余分な物質をろ過し、尿を作るための重要な役割を果たしています。糸球体腎炎は、この糸球体に炎症や損傷が生じることによって、腎臓の正常な機能が影響を受ける病気です。
タンパク尿が軽度で血圧も腎機能も正常な潜在型と、高度なタンパク尿、高血圧、腎障害を伴う進行形がある。
糸球体腎炎が起こる原因は?
いろんな抗原に対する抗原抗体反応によって免疫複合体が糸球体に沈着。補体が活性化されて腎臓が傷害されます。大人ではIga腎症が30-40%、子供では20%以上を占めて、慢性糸球体腎炎の中で最も頻度が高い。
糸球体腎炎の所見、症状は?
潜在型:タンパク尿、血尿がみられる。
進行型:タンパク尿、血尿、高血圧、腎機能障害も起こる。高窒素血症、酸塩基平衡傷害、電解質異常、代謝性アシドーシスなどが起こる。
糸球体腎炎の診断方法は?
尿検査でタンパク尿、血尿をみとめ診断の結果になることが多い。腎機能検査ではBUN、クレアチニン高値となる。Iga腎症では血清IgAが高値で補体価は低値となる確定診断は病理検査で行う。
糸球体腎炎の一般的な治療法は?
潜在型では、生活や食事を制限する必要はない。しかし激しいスポーツや過労をさける必要がある。進行型では、腎機能に応じた生活規制、食事制限を行う。高血圧や浮腫みには降圧薬、利尿剤を使う。中等度以上のタンパク尿には、抗血小板薬、抗凝固薬、ステロイド、免疫抑制剤なども使用する場合がある。
糸球体腎炎の予後は?
潜在型では腎機能が保持される予後が良いとされています。進行型は腎機能が悪化し、重症例では数年以内に腎不全で死亡することもあります。
糸球体腎炎の東洋医学的な考えは?
腎臓病の場合は、腎虚であることが殆どだと言われています。五行説で考えると腎虚の場合は肝の病態悪化にも関連があり、西洋医学的に考えても、腎臓が悪くなると、排出できなかった毒素は肝臓により解毒されることになるので、結果的に肝臓の負担になってしまいます。
老廃物がたまると血液がどろどろになるため、東洋医学では瘀血への対策も必要になってきます。
東洋医学を取り入れるメリットは?
東洋医学の強みとしては慢性疾患を含めた現代医学では対処できにくい病気に対して、五臓六腑のバランスを整える事によって、原因部分から病気の改善にアプローチできる事ではないでしょうか。 原因不明の症状にも、お客様に寄り添って一緒に改善できることも、東洋医学のメリットだと思います。
東洋医学で考える糸球体腎炎にアプローチできるポイント
①:体を温める
腎臓病の方は、血液をろ過することが困難な状況から体内に老廃物が溜まり、血流が良くない状態と考えられます。その状態の場合、血流の悪化から冷えを伴うことがあるので、体を温める事を考えます。
②:血流の改善
血液の流れを良くすることを考えます。血流がよくなれば良い栄養、酸素が腎臓に行き渡り、人間の体と同じように元気に出来ると考えられます。
③血液の質を改善
腎機能が悪化すると、老廃物をろ過出来ないため、瘀血の状態になりやすいと考えられています。その為、瘀血へのアプローチを考える必要があります。
その他の糸球体腎炎の治療法
漢方
漢方でも寒熱、虚実など患者の方の体質を見極め、適切に組み合わせること
で体の栄養状態を高めたり、血行を良くしたりすることで五臓六腑のバランスを整えることによって体全体を含め腎臓にアプローチも可能と言われています。
また漢方では腎臓病に関連する文献等も出ているようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/64/1/64_10/_pdf
食事療法
糸球体腎炎ではタンパク質の摂りすぎや、リンの摂りすぎは腎臓に負担がかかるため、なるべく低タンパクやリンの少ない食事を心がける必要があります。
腹水に関連する漢方の値段・価格の相場は?
腎臓病に関連する漢方の価格は、およそ1万~3.5万円/月程度と、値段に幅があります。
なぜ漢方の値段に開きがあるのか?
漢方は、患者さんの体質や病歴、置かれている状況等を考慮して組み合わせるもので、状態によっては漢方の種類が増えるため、どうしても皆同じというわけにはいかず価格に差があります。
予算に合せることもある程度は可能ですが、最初から予算を聞いてきたり、とくに問診もせずに上記のような体質や状況を考えず、一般的な古来の漢方薬を選んで出してくる漢方薬局もあるので、その点は注意した方がよいでしょう。
値段が気になっても、腎臓病の漢方を相談する際は、まずはベストな提案をしてもらい、後から予算の調整をしたほうが賢明です。
鍼灸治療
鍼灸治療でも血行を良くすることや体を温めたりすることでアプローチが可能とされています。、様々な不定愁訴にも役立つと言われています。
東洋医学的に糸球体腎炎の治療を始める場合は?
東洋医学的治療は、体質の調査から始まり、陰陽のバランスを整える食事療法や漢方などを用いて体全体の機能を改善します。健康管理と生活指導も重要であり、個々の症状や体質に合わせたアプローチが必要です。そのため専門家への相談が重要になってきます。
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