インフルエンザの原因、所見、症状、現代医学の治療、東洋医学の治療(漢方など)をまとめてみました。
インフルエンザとは?
インフルエンザウイルスA、B、Cによる呼吸器をもっとする感染症でA型とB型が小児と成人に流行性の感染症を起こす。感染症法の第5類感染症に指定されていて、冬に大流行する傾向がある。インフルエンザウイルスは感染力が非常に強いと言われています。
インフルエンザが起こる原因は?
飛沫中のウイルスが鼻、口、目などから侵入して上・下気道の上皮細胞で増殖し気道に炎症を起こすと言われています。
インフルエンザの所見、症状は?
インフルエンザ(流行性感冒)の症状には以下のようなものがあります:
急激な発熱: 一般的に、発熱が急激で高くなります。体温が38度以上に上昇することがあります。
全身倦怠感: インフルエンザにかかると、全身がだるく感じられます。筋肉痛や関節痛も伴うことがあります。
咳やくしゃみ: 咳やくしゃみが症状の一部として現れることがあります。特に乾いた咳が一般的です。
喉の痛み: 喉がイガイガ痛むことがあります。
鼻水や鼻づまり: 鼻水や鼻づまりが出ることがあります。
頭痛: 頭痛が起こることがあります。
吐き気や嘔吐: これは主に子供に見られる症状ですが、成人でも発生することがあります。
下痢: インフルエンザによる下痢は比較的まれですが、時折見られます。
これらの症状が一般的ですが、すべての人が同じ症状を経験するわけではありません。また、高齢者や基礎疾患を持つ人々、妊婦や幼児など、特定の人群ではより重篤な症状が見られることがあるので注意が必要です。
インフルエンザの診断方法は?
流行期に臨床症状があることで診断されます。咽頭ぬぐい液、迅速診断キットによる検査がある。また血清学的検査で抗体価の上昇から診断できます。
インフルエンザの一般的な治療法は?
薬物療法としてはA型インフルエンザにはアマンタジン、A、B型インフルエンザにはザナミビルが有効である。ゾフルーザを使うこともあります。また、対症療法として安静にして温め、水分の補給、状態に応じて解熱鎮痛薬、抗炎症薬鎮咳薬、抗ヒスタミン薬など投与する。ワクチンによる予防が重要になってきます。
インフルエンザの予後は?
通常は5-7日程度で回復する。高齢者や乳幼児、慢性呼吸器疾患、心疾患、糖尿病の患者は二次感染による肺炎を併発し重篤になりやすいと言われています。乳幼児では脳炎を起こし予後不良の場合があります。
インフルエンザの東洋医学的な考えは?
インフルエンザですが東洋医学では『外邪』六淫の外邪(外風・外寒・暑・外湿・外燥・火)による侵襲と考えられています。これらにやられてしまうのも気のバランスが乱れたり、体の防御力が低下したりする事が原因とされています。体の健康は体内のエネルギー(気、気血、陰陽など)のバランスに依存していると考えられています。
インフルエンザの東洋医学におけるアプローチは、西洋医学のアプローチと異なりますが、一部の患者にとっては補完的な治療法として利用されることがあります。東洋医学は、体のエネルギーの流れやバランスを調整し、体の自然な治癒力を活性化することに焦点を当てています。
東洋医学を取り入れるメリットは?
インフルエンザの治療において、東洋医学のアプローチを取り入れることにはいくつかのメリットがあります。ただし、これらのアプローチは補完的なものであり、医師の指導に基づいて利用されるべきです。以下は、東洋医学を取り入れる際のメリットの一例です:
症状緩和と免疫サポート: 伝統的な東洋医学では、漢方薬や鍼灸、指圧、気功などが使われ、これらは症状の緩和や免疫機能のサポートに役立つ可能性があります。特定の漢方薬は風邪や発熱に対して使われ、個々の症状や体質に合わせて処方されることがあります。
全体的なバランスの調整: 東洋医学は身体や精神のバランスを重視しています。病気がバランスの崩れから生じたと考える場合、養生法や食事、運動、気功などを通じて全体的な調和を取り戻すアプローチが考えられます。
個別化されたアプローチ: 東洋医学は人々の体質や症状の差異を重視します。病状や体質に応じて治療法が調整されるため、個別化されたアプローチが可能です。
副作用の少なさ: 一般的に、東洋医学のアプローチは薬物療法に比べて副作用が少ないとされています。ただし、これらのアプローチも安全に利用するためには、経験豊富な専門家の指導が必要です。
重要なのは、西洋医学と東洋医学を組み合わせてホリスティックなアプローチを構築することです。インフルエンザの治療においては、医師の診断と治療を基本にしつつ、体質や症状に合わせて東洋医学のアプローチを取り入れることが有益である可能性があります。
以上のような様々な視点から治療が出来ることから東洋医学を取りれるメリットがあります。
東洋医学で考えるインフルエンザにアプローチできるポイント
インフルエンザに対する東洋医学のアプローチ方法は、患者の症状や体質に合わせて個別に調整されることが一般的です。以下は、一般的な東洋医学のアプローチポイントになります。
体質診断: 東洋医学では、体質が個人の健康に大きな影響を与えると考えられています。まず、東洋医学の専門家は患者の体質を評価し、病状を理解するために個別の診断を行います。これは脈診、舌診、症状の詳細な質問などを含むことがあります。
食事療法: 患者に対する食事療法は、個別の体質と症状に合わせてカスタマイズされます。特定の食材や調理法、漢方などが推奨され、栄養摂取とエネルギーのバランスを最適化するために使用されることがあります。
ストレス管理と精神的なサポート: 東洋医学は、精神的な健康を重視し、ストレス管理技術、瞑想、呼吸法、および運動などの方法を提供することがあります。これにより、患者の心身のバランスをサポートし、治療へのモチベーションのアップや忍耐力を高めます。
予防と健康の維持: 東洋医学は健康の維持と疾患の予防に焦点を当てます。患者には健康な生活習慣の促進、バランスのとれた食事、適切な運動、ストレス管理などがアドバイスされることがあります。
その他のインフルエンザの治療法
鍼灸療法
主に鍼や灸を使い、以下のように整えます。
気のバランスの調整: 鍼灸療法は、体内の気(エネルギー)の流れを調整することを目的としています。インフルエンザの際、気のバランスが崩れることが考えられ、これを整えることで免疫機能をサポートし、症状の緩和が期待されます。
抵抗力の向上: 鍼灸によって特定のツボや経絡を刺激することで、免疫システムが活性化され、体の自然な抵抗力が向上するとされています。これによって、ウイルスに対する防御機能が強化される可能性があります。
症状の緩和: 鍼灸は痛みや不快感、ストレスなどの症状を軽減する効果があるとされています。特に筋肉痛や関節痛、頭痛、喉の痛みなど、インフルエンザの症状に対して鍼灸が応用されることがあります。
全体的なバランスの調整: 鍼灸は東洋医学の観点から全体的なバランスを取り戻すことに焦点を当てています。これによって、体力やエネルギーの循環が促進され、回復が促されるとされています。
漢方
漢方薬は、伝統的な中医学(東洋医学)の一部であり、インフルエンザなどの病気に対する治療や症状の緩和に使用されることがあります。
風邪や発熱の解熱作用: 漢方薬には風邪や発熱に対する解熱作用があるものがあります。例えば、麻黄湯(まおうとう)は解熱作用があり、発熱を軽減するのに使用されることがあります。
免疫調整: 漢方薬は免疫システムを調整し、体内の抵抗力を向上させる効果が期待されます。これにより、ウイルスや細菌に対する免疫応答が強化され、回復が促進される可能性があります。
症状の緩和: 漢方薬は、風邪や発熱に伴うさまざまな症状の緩和にも利用されます。例えば、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は発熱や体のだるさ、頭痛に対して使われることがあります。
個別化された組み合わせ: 漢方薬は、患者の体質や症状に応じて個別に処方されます。中医学では、体質のバランスが崩れることで病気が発生すると考えられており、それに基づいて漢方薬が組み合わされます。
病気の段階に応じた処方: インフルエンザの進行段階によって、漢方薬の組み合わせが変わることがあります。初期の段階では発汗を促進するもの、中期から後期では補うものが用いられることがあります。
漢方薬の使用に際しては、経験豊富な中医学の専門家による診断と選薬が必要です。また、西洋医学の診療とも連携し、適切な治療法を検討することが重要です。
東洋医学的にインフルエンザの治療を始める場合は?
東洋医学的治療は、体質の調査から始まり、陰陽のバランスを整える食事療法や漢方などを用いて体全体の機能を改善します。健康管理と生活指導も重要であり、個々の症状や体質に合わせたアプローチが必要です。そのため専門家への相談が重要になってきます。