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酒井順子連載「あっち、こっち、どっち?」

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築地本願寺新報に掲載中のエッセイストの酒井順子さんの連載です。気になるふたつの言葉を取り上げて、紹介していきます。
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記事一覧

「どうぞ」と先を譲られると、イラっとしてしまう理由

 渋谷駅前のスクランブル交差点は、東京の観光名所となっています。外国の人は、 「なぜこん…

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プラスの方向へ歩み続けることは、必ずしもよいことではない

 家にいる時間が長いために掃除や断捨離がゆき届き、 「家がすっかりきれいになった!」 と言…

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年賀状と白髪。「やめどき」はいつ?

  多くの人が「面倒臭い」と思っていながら、なかなかやめられないもの。それが年賀状です。…

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善人と悪人を単純に分けることはできない

 人間ドックに行ってきました。半日ほどのドックの最後には、医師から簡単な結果説明があるの…

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大人の嘘とは化粧のようなもの

 子どもの頃、誰しも大人から厳しく言われるのは、 「嘘をついてはいけません」  ということ…

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「素敵に年をとっている」ことを表す言葉はなぜないの? 若さの反意語を考える

最近、自分の娘や息子であってもおかしくない年齢の若者と仕事をする機会が、増えてきました。…

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紫式部と清少納言の違いとは? 作品から見る二人の性質

 大河ドラマで話題となっている、紫式部。ドラマということで、だいぶ史実から羽ばたいて大胆にストーリーが展開しているのが、面白いところです。    平安時代の女性の書き手のことが私は好きなのですが、あの時代の面白さは、何と言っても紫式部と清少納言という全く個性の違う女性が同じ時に生き、立場上でもライバル関係にあったところでしょう。    ドラマにおいて、二人は当初、友達のように描かれています。が、実際において二人は、会ったことがあるかどうかもわからないようです。    清少納言

「お母さん」、それとも「母」? フラット化する社会を考える

 様々なドラマを見せてくれた、パリオリンピック。スポーツの素晴らしさをたっぷり味わうこと…

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末端で先端だからこそ、残される宝物を探して。能登半島訪問で思ったこと

 今年の元日に発生した地震で、大きな被害を受けた能登半島。この地が好きでたまに足を運んで…

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「推しができた喜びに泣いた」と語る友人。“推し”を持てるのは一種の才能?

  友人が先日、世界的に人気の韓国のアイドルグループ・BTSのライブのため、韓国・釜山まで行…

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「きっちり」な理系と「あいまい」な文系が混じりあうから、世界は豊かになっていく

  昭和時代に、女子校に通っていた私。時代のせいもあってか、今で言う〝リケジョ〟は、今以…

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若い男性に変化あり? 旅先で実感する、男女の感覚の変化

  気がつけば目立つようになってきたのが、乳幼児を連れたお父さんが、スーパーで買い物をす…

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「かっこいい」「格好いい」「カッコイイ」、どれが好き?

 日本語は、漢字とひらがな、そしてカタカナという三種類の文字を使用して表記する言葉です。…

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お店に「さん」はつける? つけない? 関東と関西の文化の違いを考える

  大人になってから京都に行った時、京都の人がお店の名前に「さん」をつけて呼んでいるのを聞いて、驚いたことがあります。たとえば、 「今日のお昼は、○○屋さんでおうどんでも食べへん?」  というように。  どうやら京都のみならず関西の人々は、店名にも「さん」をつけることによって、言葉の響きを柔らかくすることが多い模様。アズマ育ちの私としては、いつもお店の名を呼び捨てにしていたので、その配慮に「なるほど」と驚いたのです。  おそらく関西よりも関東の方が、物事をそのまま、ストレ