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『オペラ座の怪人』長い感想文ー序ー

 映画『オペラ座の怪人』デジタルリマスター版が上映されていました。
 でじたるりますたーが一体何なのかメカ音痴にはよく分かりませんが、とりあえず観に行って来ました。4回観に行きました。

 『オペラ座の怪人』との出会いはそう、3年前くらい。映画好きでは特にないけれどミュージカル映画はわりと好きだったので、Netflixにあるし有名だしこれも観ておくか~ていうくらいのノリで、なんの前知識もなく観始めました。

 あれ、モノクロ?そんなに古い映画なの?と最初はびっくりしました。激しい閃光と共に爆音の音楽が流れた時は心臓がびっくりしました。と同時に、あ、この音楽オペラ座の怪人の音楽だったんだ、めっちゃ聞いたことある、と思いました。他の感想はあまり覚えていないけれど、とりあえず感動しました。
 短期間に2、3回観ました。YouTubeで検索して音楽を聴きまくりました。しっかり原作も押さえた上で、劇団四季デビューも果たしました。原作は、意外にもミステリー色が濃いんだなという感想の他は全部忘れました。劇団四季の舞台は、映画ばっかり観ていたので日本語のセリフ、歌詞が違和感でいまいち入り込めなかったことしか覚えていません。

 つまり全体的にあまり覚えていなかったのですが、感動したという記憶だけをワクワクの種に、今回観て来ました。そして感動し直して来ました。
 感動するあまり、ド迫力の音楽は脳みそから離れないし暴走する深読みは止まる所を知らないしで困っているので、八つ当たりよろしく文章にしたため平静を取り戻そうと思います。

 ネタバレを一切考慮していなければあらすじ解説もしません。ただ思いの丈をぶちまけます。

 とてつもなく長くなってしまったので、礼儀として序章を置くことにしました。序章の内容は、己の日記です。鑑賞した日の日記を自ら晒しますので、沼に嵌っていく(そして飽きていく)様をご覧ください。


〈6月○日〉
×××でオペラ座の怪人を再上映していたので観に行った。感動した。鳥肌立った。曲の迫力は言わずもがな、クリスティーヌの恍惚とした表情や儚げな雰囲気も女優さんがぴったりだし、人のぬくもりを知った怪人の描写も泣けるし、何かのメタファーであろう映画オリジナルの猿の存在も深みが増すし。もう一度観よう。首吊りのシーンは目を伏せておこう。あの痙攣の仕方、トラウマになるて。暴力的なシーン耐性の低さが目下の悩み。

〈6月△日〉
オペラ座の怪人2回目、観に行った。オープニングは何度見ても鳥肌が立つ。今回は隅々まで目を凝らせた。気づきがたくさんあった。クリスティーヌが弔いの火を灯す部屋のステンドグラスにいるのが、お父さんが贈った本当の Engel of music か。ペルシャ服の猿のオルゴールが象徴するのは怪人の内面の幼さか。キスされた後に初めて怪人の目から涙が流れるのが良かった。最後、墓所に現れた老人ラウルを追うのはもしかして怪人の視点か。雪景色の中に映える赤いバラや怪人の黒い出で立ちが効果的で美しかった。全体的にカラヴァッジョみたいな画面でより劇的なドラマ性を感じた。英語もだいぶ聞こえた。字幕なしで全部分かりたい。何度でも観たい。映画館で。半永久的に上映し続けるべき作品では?

〈7月□日〉
原作読了。おもろかったがしかしやっぱり映画の方が好きだな。でも深みが増すので読んでよかった。そして再々度映画館へ。3回目。原作も読み直して、歌の詞も全部チェックして挑んだ。けど少々頭でっかちになりすぎた。色々考えて目もキョロキョロ動かして忙しかった。次はもう少しリラックスして観よう。そう、来週もまだ上映しているのだ。

〈7月◇日〉
『オプラ座の怪人』(原文ママ)4回目。明後日で上映も終わるようなので今日が最後。ちょっと飽きてきたのでちょうど良かった。胸に手を当ててオーバーチュアを聴くのも最後か。今まで深読みしてきたことを確かめるように、でも初心を忘れないように、気をつけて観た。気をつけちゃった。考え始めてしまうと没入するのはむずいな。10年後また30周年記念で上映してくれー!その頃にはまた新鮮な気持ちで観れると思うの。


 それでは本編をお楽しみに。

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