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ポートレートに必要な3つの”た”|「対話」「体力」「対応力」

どうも、プロレスとか役者さんポートレートを撮っているたかはしです。

2020年末に初めてポートレートを撮って、かれこれ1年が経過しました。
いい経験も苦い経験もあり過ぎて、1年前が遠い過去に思えてしまうほどです。

撮影を通して経験したこと、モデルさんと話したことを振り返った時に、「ポートレートで必要なこと」を自分なりにまとめようと思いました。
魔法の数字”3”に合わせて、3つの”た”です。優先順位高い物から

「対話」:撮影をより良くするためのコミュニケーション
「体力」:相手を気遣うくらいの余裕を持てるように
「対応力」:相手のリクエストを具現化する知識・技術と準備

という構成で。

私個人の備忘録として。
また同じジャンルを撮っている人に共感してもらえたり、これから始めてみようと思っている方の教材として使ってもらえるように、書いてみようと思います。

①対話

1年通して一番痛感した重要項目は「対話」でした。

兎にも角にも、ポートレートは相手がいないと成立しません(セルフポートレートは除く)。
対話、もとい範囲を拡張してコミュニケーションが必要不可欠です。

私の場合、いきなり舞台のブロマイド撮影という場に放り込まれた経験が何度かありまして、それはそれは色んな方を撮影してきました。
撮影慣れしてるしてない、ルックスに自信あるない、面識のあるない、協力的・非協力的…
特に初めましてで撮る場合、話しできる時間が無いと上手く撮れない!!
表情硬くなるし、気になる箇所の指示が後から出るし、どんな撮られ方がいいのか分からないまま終わるし…
(単に私の力不足という点は否めませんが)

私が撮る人をある程度限定して撮影しているのは、その人との対話の積み重ねがあるからです。
その人の好み、描きたいイメージ、コンプレックスなど、どれも必要な情報であって、長い時間をかけてすり合わせをしていく必要があります。

その情報を引き出すのに重要なのが「撮った写真を見せる」です。
どこが気になるところで、どういうイメージにしたいのか、どのカットが良い例のか、などの指示を具体例で見ながら指摘し合います。
その指示の中で「この人はこういうのが好き(嫌い)なんだ」を掴むことこそ「対話」で、フォトグラファーに必要なことだと肝に銘じています。

独りよがりを脱しようでは足りなくて。
「相手が快適で、より楽しんでもらえるには」を考えることがコミュニケーションであって、技術よりも重要事項。
そう思っています。

具体例を挙げておくと。
「どの画角で切り取っているのかが分からない」という声、モデルさんから多く聞きます(私自身指示が足りていません…)。
ファインダーを覗けば分かることなので撮る側は意識しないですが、撮られる側は「いま〇〇mmのレンズで△△構図のF値が~だからこの部分がこう写る」なんて考えてないです。
足まで頑張ってポージングしてるのに写ってみたらバストアップでした、逆にバストアップと思ったら全身でした、なんてこと頻発してたら目も当てられません。

私の場合は、人がいない状態で1枚撮って、「この場所に立って(座って)欲しい」と指示を出すようにしています。
縮尺や画角が具体的になるので、モデル側もイメージしやすいかなと。
風景に人物を置くというコンセプトで撮っていて、そのための練習をしている結果としてのアウトプットが、対話に活かせないかと試行錯誤しています。

②体力

①が7割くらい占めているので、ここからはサラっと読んでいただければ!

ロケでもスタジオでも、撮影ってめちゃくちゃ体力使います
特に重い機材を運ぶ場合、カメラ1:モデル複数 の場合、体勢が苦しくなりがちな場合、もうヘトヘトになります…

ですが、創作をする人間には体力が必要不可欠です。
役者さんと接していると特に思います。
どうしても長丁場になることがあって、そこに付いていけないとお荷物に…
「自分はまだ元気だけど、みんなが疲れてるようなら休憩入れますか」的な気遣い入れられるくらいに余裕を持ちたいです。

私は長距離走が大嫌いなので、長距離徒歩を心がけています。
池袋から上野経由して谷根千通って本郷三丁目までとか。
お台場3時間散策してレインボーブリッジ2時間散策してとか。
楽しいから出来ることではあるのですが、結果として自分から疲れたと音を上げる事例を減らすことに繋がっているなと。

それでも限界を迎えることはあってですね…
6時間耐久撮影なんかやった時は4時間経過したあたりから疲労感凄まじかった…
でも何もやっていないよりマシに対応できたので、体力を付けておくことは大事だなと思いました(小学生並の感想)。

③対応力

対話して相手のイメージを掴みました。
体力も備わって準備万端。
あとは自分と相手のイメージをクロスさせて具現化する「対応力」です。

かなり抽象的ではあるのですが、撮った写真が「なんか違う」とか、モデルさんが「ここで撮りたい」「こう撮って欲しい」と言った時に、そのイメージをいい形に仕上げる力と言いましょうか。

一番よくあるのは「コンプレックスを隠したい」です。
手っ取り早いのは見えないよう隠してしまうことですが、逆にレンズや構図の選択で悪く見えないようにしてしまうのもアリだと思っています。
当然、撮影技術や知識が頭に入っていないと話にならないです。

逆に、事前に相手の好みもコンプレックスも知っていれば、先回りしてレンズや構図を工夫しておくこともできてポイント高いです。
ロケーションも、ロケハンするときに「この人ならここ好みそう」って場所をリサーチしたり発見したりする嗅覚を養うことに繋がります
アドリブが苦手なら事前準備で先回りする。
アドリブを鍛えたいなら「その場力」を鍛えるべくプロレスを見に行く(自然な記事への誘導)。

つまるところ、学校のテスト問題を解くためにどんな準備をするかに近いと思います。
ヤマ張るもよし、教科書丸暗記するもよし、先生の傾向を分析するもよし。
一夜漬けでも、計画的でも、ノー勉でも、結果として得点が取れるようにしましょうね、と。

まとめ

再度にはなりますが、ポートレートに必要な3つの”た”。

「対話」:撮影をより良くするためのコミュニケーション
「体力」:相手を気遣うくらいの余裕を持てるように
「対応力」:相手のリクエストを具現化する知識・技術と準備

共感だったり、新たな学びに繋がったら嬉しいです。
そして年内に、もっと範囲を拡張して書いてみようと思っています。
プロレスについて書いて、ポートレートについて書いたので、「人を撮るに必要な」という内容で考えをまとめています。
後々お読みいただけたらと思います。

それでは!

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たかはしあさぎ
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