役者ポートレート 役者さん紹介Vol.5|知里香澄さん
1年以上ぶりに役者さんのご紹介です。
第1弾、第2弾、第3弾、第4弾は各リンクからご覧ください。
時間が空いた理由としては、意図して作品撮りの役者さんを増やさずにいたためです。
2022年は対外的な活動にシフトする目的で、自分が楽しむよりも、ご依頼を獲得することに注力していたもので。
しかし2021年末。
私はひとりの声優さんに出会ってしまいました。
知里香澄さん。
彼女を撮った1年は、とても特別なものです。
かつてない挑戦だったのですから。
今回はそんなお話し。
ステキが過ぎるので、ぜひファンになってくださってくださいまし。
プロフィール
きっかけ:直感した大いなる素質
知里さんと出会ったのは、2021年の秋。
彩演Project様の公演『君の音』でブロマイド撮影で。
朗読劇かつオーディション制だったので、演者さんは声優志望の方がほとんど。
それも駆け出しの方々中心。
当然撮影慣れはしていないので、一人15分の枠をフルに使い切り、使えそうなカットを2~3枚救い上げるような作業でした。
しかし彼女は違いました。
最初の数テイクで仕上がりはOK、あとは思い思いにプルスウルトラを狙う時間。
私はボタンを押す装置。
なぜなら、私の指示など不要な創造性が目の前で舞っているのですから。
言うなれば「楽しくて仕方ない」。
「心地よい『撮らされている感』」。
圧倒的な素質を前にして、私のハートは完全に掴まれてしまいました。
主演という立場がそうさせたのかも知れません。
でもそれだけでは説明がつかない。
私の眼が。そして頭が。
「この圧倒的な才覚を逃してはならない」
そう叫ぶのです。
この衝動は半年ほど続きました。
決心、そして挑戦
『君の音』講演の後、2022年初め。
世間は緊急事態宣言に突入。
当然、撮影活動も休止に追い込まれます。
この時期、私のメンタルは相当落ち込んでいました。
プロレスも行けず、ポートレートも撮れず。
しかしSNSでは日々、多くの新しい写真が発表されていく。
何もできないもどかしさに、四六時中自分の存在価値を疑うのでした。
そんな中にあって、私には一つの蜘蛛の糸が見えていました。
「知里さんを撮る」という挑戦。
これまでのポートレートは受動的な撮影でした。
能動的に動いて機会を得たことがない。
そんな自分を変える。
「自分が撮りたい」という衝動に従って動く。
知里さんを作品に仕立て上げることで、現状の打破を試みたのでした。
「知里さんのモデル力の高さが今でも頭に残っております。チャンスをいただけるのであれば、知里さんをポートレート撮影にお誘いしたいです」
こんなDMを、数か月悩みつつも送ります。
断れたり嫌われたりも懸念しましたが、それ以上に。
彼女の本職は声優さんです。
顔を出して活動することに対して一線を引く方も多くいる業界ですから、彼女も同様かもしれない。
「気温が少し暖かくなってからだと嬉しいです」
かくして、私の春が始まりを告げるのでした。
春よ。
忘れもしない、2022年4月2日。
鳴りやまぬ心臓を携えて待つ、すこし肌寒い上野駅不忍口。
知里さんの素敵なお姿を前にして、私の感情は天にも昇るのでした。
この日は幸運も幸運。
翌日には雨風吹きすさび、桜が一斉に散ってしまいました。
見ごろのピーク最終日、それも快晴で絶好の撮影日和だったのです。
そして、この日を境に私は自分の考えを確信します。
彼女は逸材である、と。
私のこころは雪解け水で満たされていくようでした。
しかし、一つだけしこりが。
もうひとつの物語のあるポートレート
彼女は、約5年ほど歯列矯正をしています。
なので笑顔に制約が課されていました。
仮に笑顔を撮っていたとしても、器具が写っていたら世に公開しない。
魅力が満載であるにもかかわらず。
このもどかしさを解消する方法など一つしかありません。
矯正が撮れた直後に撮ること。
来る11月、ついに朗報。
この機会を逃すほど、ボーっと写真撮っていません。
少し前から相談していた撮影日程を詰めます。
空いてる日程がごく限られていたので、年末のさなかに予定を入れました。
有休を使ってでも行くとの決心の元(実際有休使いました)。
日程が決まれば、来る日も来る日も楽しみすぎて仕方ない。
期待を勝手に爆上げして当日、そんな期待は粉みじんに吹き飛びます。
私の期待なぞちっぽけなものは、彼女にとって飛び越えるに造作もないのでした。
私の写真のコンセプトのひとつ。
「物語のあるポートレート」
それは一枚絵ないし組写真として、時間軸を感じられるような写真を指しています。
しかしこの日私が生み出したのは、文字通り物語が存在する写真。
自分で渇望し、自分が道を作り、自分で一端を生み出した物語。
それは写真だけでは伝わらない。
私のもう一つのアイデンティティ、文章を通さないと伝わらない。
自分でも分かっていなかった、自分を構成するために必要なピース。
もう一つの「物語のあるポートレート」。
文字通り時間軸の存在する、言わば「語るべき写真」。
その、やっと見られた笑顔に。
1年の時を経て、大切なものと出会うに至りました。
感謝の気持ちを込めて、Twitterのヘッダーに。
今後:写真展に向けて
今年、初めて写真展に出展する計画でおります。
いまのところ、知里さんの写真も一葉掲載したいと思ってます(調整中)。
また4月に桜で撮ったり。
夏に自然の中で撮ったり。
フォトブック作ってみたり。
いろんなことを通じて、公の場で皆様にご覧いただける一葉を作っていきたいと考えています。
ただ前述のとおり、知里さんは声優さん。
聞くところによると、公には(非公開のため)言えないお仕事も多いそう。
なので取っ掛かり彼女を知ってもらうキッカケとして、私の写真で認知してもらえるよう活動していきます。
まずはモデルデビュー1周年を華やかに飾って。
自分が撮りたいから撮る、という根源的な欲求に従いつつ、お互いが納得して満足できる創作を。
結果として彼女のファンになってくれる方が出てくれたら、100点。
まだ始まったばかりです。
引き出せる魅力はまだまだ在ります。
彼女のこれからにご期待ください。
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久々のモデル紹介でした。
自分の中にある、練りに練った感情を吐露するのは良いもんでした。
聞くに堪えないものだったらしゃーなしです。
次回の紹介記事があるのかといえば、微妙。
これ以上作品撮りの役者さんを増やそうとすると無理が出てくるので…
気が向いたら書こうかな。
とりあえず知里さんを好これ。
どう撮っても素敵なのだから。
声も素敵だから。
好これ。
今すぐフォローして好これ。
さて、年が明けて心機一転、いろいろ動かそうと思ってます。
まずは休載中の連載を再開したい。
そしてご依頼撮影もいただけるように。
たかはしあさぎの2023年、生暖かくお見守りください。
それでは。