写真をほめるとき、こんなところを見てます|プ写ほめバックステージ
どうも、プロレスとか役者さんポートレートを撮っているたかはしです。
今日は書こうか迷っていたプロレス記事を。
なかなか観戦に行けていないので、偉そうな口叩けないな…と思ってしまう今日このごろ。
そんな今回は、私がTwitterで主宰している「プロレス写真をほめ合う会(略称:プ写ほめ)」で、どんなところを見ているのか。
ほめるポイントもそうですし、逆に触れないポイントというのも存在します。
この記事を見て、写真のどんなところが見られていて、どこを意識すればいいのかのヒントにしてもらえたら!
1.細々した部分
解説をするにあたって写真が必要なのですが、他の方へ許可を取るのも色々考慮が必要なので、自分の写真で行きます。
まずはこちら。
コーナートップから場外プランチャを決めたシーン。
プ写ほめで取り扱うなら、どんなところを見るでしょうか。
①大きな構図、主題と副題
まずは構図、今回は「対角構図」であること。
収まりの良さや、視線の誘導においていい効果を生む構図です。
プロレスの場合、2選手が向き合うか組み合う形になるので、「対立構図」としてもいいかもしれませんね。
その構図が何の範疇に該当するのか、どんな効果を生んでいるのかを解説するようにしています。
見にいらっしゃる方は様々な知識レベルと思われるので、可能な限り初心者の方でも聞きやすいよう、基礎の部分もお話しします。
また、構図によって「主題と副題」を意識させられます。
この場合「上の選手が主題、下の選手が副題という対照性がうまれ、視線誘導も迫力も出ている」と解説します。
②動き
プロレス写真の場合、ピタッと動きを止める撮り方、ブラして動きを出す撮り方の2通りがあります。
どちらも間違いということは無いので、撮影者の意図を汲み取る材料になります。
この写真の場合、
「場外で暗いから、おそらくシャッタースピードを長くした」
「顔や胴体はぶれていないので、流し撮りだとわかる」
「ブレていることでダイナミックに写っている」
と話します。
可能な限りポジティブな要素を話して、何がいい要素なのかを広く伝えられるよう心がけています。
③画面端
写真の好評をするうえでの定番ポイントが、端の処理。
どこまでを入れ、どこまでを入れないのか、という気配りの程度を図れますし、悪く言えば文字通り”重箱の隅をつつく”ことができます。
しかしプ写ほめの場ではポジティブに。
この写真なら
「落下しながら近づいてきているような迫力を演出している」
「結果として情報量を削ぎ落して、被写体に集中させている」
というコメントをすると思います。
撮る際に気を付けられたら100点ですが、どうしても厳しい場合はあります。
レタッチでカバーする際は、数ピクセル単位でこだわってみるのもいいかも知れないですね。
④傾き
プロレス写真の場合、ロープもしくはコーナーマット・コーナーポストで傾きを測ります。
ロープなら水平、コーナーマットなら垂直です。
この写真の場合、水平垂直がまったく取れていません。
私個人がレタッチするなら、どうしても避けたいと考えるものです。
しかし、この迫力を強調するうえで、斜めにしていることでの効果が無視できないことも確かです。
そこで
「興奮しながら撮影していることが伝わる」
「選手の収まりを考えた時に、適した角度かもしれない」
とコメントします。
特に撮った時の心情は積極的に取り上げるようにしています。
熱意や選手への思いは、技術とは関係なしに持っているものですし、その気持ちを技術向上に活かして欲しいなと思っているからです。
ちなみに。
ロープは座席位置によって必然的に斜めになってしまう場合がありますが、コーナーマットの垂直はどの座席でも同じになります。
さらにロープは”たわむ”ので、信頼性ならコーナーマットやコーナーポストをお勧めします。
2.失敗が見受けられる写真
次の写真はこちら。
こちらを、先ほどのポイントで見てみましょう。
①解説するポイント
まずは対角構図で、主題と副題の明確化ができている。
蹴りだされている足がブレていて、攻撃の勢いが伝わる。
右側の選手がギリギリいっぱい、左側の選手を切ることで、収まりをよくしている。
水平が取れていて、丁寧な処理を伺える。
と解説します。
②解説しないポイント
逆に、触れないポイントもあります。
下のリングサイドカメラマンにピントを持っていかれてる。
観客のマスクに視線が持っていかれてしまう。
などです。
上げればキリがないですし、少なくともプ写ほめの場は品評会ではないので、こういった点は触れません。
ハピハピを広めたり、他の方のほめポイントを吸収してもらう場ですので、悪い点は見つけても目を瞑っています。
(みなさん上手いので、悪い点がない場合がほとんどです!!)
3.実際にほめてみましょう
さて、ここまでの解説を基に、読んでいただいたあなたも”ほめポイント"を探してみましょう。
まずはこちら。
思いつきましたか?
私の回答例はこうです。
(上述したポイントから)
・水平が取れている。
・日の丸構図で主題へ集中させられている。
(そのほかに)
・目線の先にリングがあることを、右側の余白で示している。
・目に入ったキャッチライトがよき。
・コールしているリングアナへ着目した点がポイント高い。
・肌の仕上げがいい(定番コメント)。
・美智子かわいい(プ写ほめで言った事ない)。
つづいてはこちら。
思い思いに考えてみましょう。
私の回答はこちら。
①髪の毛に動きがあって、ロープエスケープに動く気迫が伝わる。
②振り上げた手が見切れてることで、ダイナミックさが出ている。
③直角の腕と握りこぶし、気迫のこもった表情が胸を打つ。
④水平が取れている。
です。
これと別のポイントを上げていても大正解です。
ほめポイントなら、個人で意見が違うのは問題ナッシング👍。
4.ご自分の写真に活かしてみましょう
ここまで解説したポイントは、写真の評価ポイントのうちごくごく一部です。
知れば知るほど奥が深いですし、星の数ほど種類があります。
ただ、自分の写真のどこが好きなのか、どこを見てほしいのか、が分かることで自信に繋がると思います。
写真を撮るときも、こういうところ気を付けてみようとか、こうチャレンジしてみようとか、1段ステップアップするキッカケになりますし。
プ写ほめは、そんなプロレスカメラライフの充実に一役買えたら、と思い開催しております。
ファン同士の繋がりもしかり、みなさんと共によい場とできるよう、今後も続けていきたいなと。
もしご質問があれば、質問箱にどうぞ!
(リンク埋め込みができるようになったので使いたいだけ)
5.いずれぶつかる上級者の壁
これは余談な、私の経験談というか現在進行形の話。
写真に意図を込めたり、技術を”使う”ようになったところで、成長って頭打ちする場合があります。
上級者の壁です。
中級者と上級者の違いには色々定義がありますが、私なりの定義は「自分のスタイルを確立し、意図を”表現”し、一定の評価を得る」ことが上級者なのかなと。
まぁこれが難しいし、私の尊敬する方々はこれらが出来てる。
この壁を超えるためのコンテンツが欲しいなと思っているのです。
手っ取り早いのは教室に通ったり、誰かに師事すること。
これがまた難しい…私のように金もなく頻度も少ない人間には尚更です。
まぁ、試行錯誤しながら。
やっていけたらなぁ、と。
おわり。