FORESTのように(山梨県北杜市)|エッセイ
――ジョージ・ウィンストンの「FOREST」だ!
山梨県北杜市にある「三分一湧水」の森の中に入った瞬間、そう思った。
まだつくば市に住んでいた頃、山梨県北杜市に住む友人のところによく遊びに行っていた。
首都高速道路の渋滞を避けるため、自宅を出るのはいつも早朝。八王子を抜ければ、もう渋滞の心配はない。あとはサービスエリアで休憩しながら、のんびりと山梨へ向かえばいい。
灼熱の関東から遠ざかるにつれ、景色は山と緑が多くなり、それだけで涼しくなった気がする。富士山の輪郭がハッキリしてきて、その美しさと大きさに、毎回圧倒される。
――今日はどこを案内してくれるのかな。
そんなことを考えながら、中央自動車道を走る。
昇仙峡、身延山久遠寺、河口湖音楽と森の美術館、山中湖パノラマ台……いろいろな場所を訪れたが、一番多いのはやっぱり友人が住む北杜市。山梨と長野の県境にあり、日本百名山の1つである八ヶ岳連峰が目の前にそびえている。南アルプス山脈、奥秩父山塊といった山々に囲まれていて、富士山からは少し遠くなってしまうが、それでも贅沢な風景ばかりだ。
八ヶ岳リゾートアウトレット、リゾナーレ八ヶ岳、清里高原、サントリー白州蒸溜所、シャトレーゼ白州工場……サントリー白州蒸溜所は、何回行っただろう。
長坂インターチェンジから、山梨県道609号小荒間長坂停車場線を一気に駆け上がり、三分一湧水へ。
その景色は、アメリカのピアニスト・作曲家であるジョージ・ウィンストンのアルバムジャケット「FOREST」そのものだった。
本当にあったんだ、こんな風景が。
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