A④クリスマスの錯乱

 精神科医に休養を言われたのはクリスマスだった。マンションに帰って突然思った。「私みたいなやばい奴は殺されるのではないか?もし殺しにくるとしたら⚪︎⚪︎さんだ。」その瞬間にたまらなく怖くなった。マンションに1人でいるのは危険だ。車で逃げるか?いや、事故を装って殺されてしまう。どこに行けばいい?病院なら味方がいる!
 研修病院に戻った。味方を求めてさまよった。「助けてください。私は殺されてしまう。」と先生方に訴えるも、被害妄想なので何のことか先生方には分からない。ただ心配して20人を超える先生方が集まる事態となり、静かな部屋に行った。殺される恐怖が止まらない。いろいろな先生方が「大丈夫だ。」「殺されることはない。」など私を説得しようとしたが、私は早口で反論した。自滅するように思考が次から次へと湧いてくる。錯乱状態である。そして私は言った。「精神病院の隔離室に逃げる。そこが1番安全だ。これは私の身を守る策略だ。」ちょうど精神科医が到着しており、私の希望は叶えられることとなった。これで助かる。私は麻酔薬を注射され、深い眠りに落ちた。(A⑤に続く)

今回の一言
重度の躁状態で幻覚妄想状態になることがある。

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