A②抗うつ薬で躁転

 心療内科の部長に診察してもらい、「適応障害」と診断され、3か月の休職の診断書が書かれた。処方はアモキサン(注:三環系抗うつ薬。効果は強いが副作用も強い。)であった。
 休職といってもすることがあるわけではない。趣味なんかする意欲もない。ただひたすら寝ていた。
 1か月が過ぎ、元気が出てきた。そして元気を通り越して気分が高揚してきた。休職中にも関わらず、一人でリゾート地に旅行にも行った。なんで自信を失っていたんだろう。根拠のない自信が湧いてきた。でもこれって躁うつ病じゃないのかな?
 初期研修医1年目の冬に復帰した。アモキサンは中止になった。復帰してもやはり自分が劣っているのは事実であり、高揚した気分はすぐになくなった。しかしなんとか同期に食らいつこうと頑張ることはでき、若干うつ状態のまま1年目が終了した。(A③に続く)

今回の一言
抗うつ薬を飲んで躁転したら、あなたはうつ病ではなく双極症です。


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