A⑤入院したくない
目が覚めると暗闇の中。6畳くらいの広さで鉄格子が見えた。隔離室だ。異様に眠たいのでまた寝た。
明るくなり起こされた。隔離室を出て部屋に入ると白髪交じりの精神科医(A先生とする)と親がいた。A先生は一目で信用できた。A先生に入院が必要で、任意入院にするから同意書にサインするように言われた。ちょっと待ってくれ。私はここが一番安全だから逃げてきただけで、病気ではないし、入院も必要ではない。A先生に診断は何ですか?と聞いた。しばらくの沈黙の後、まだ診断は確定ではないが、としながら「心因反応」と言った。病気ではないと主張する私。親は入院しなさい、と説得してきた。任意入院を拒否すると医療保護入院になるらしい。知ったことか。ずっと精神病院に閉じ込めておく気だなと悟った。裏で⚪︎⚪︎さんが手回ししたのか。殺すのをやめて閉じ込めておくのは賢い方法だ。
話は平行線のままで、任意入院の同意書にサインせず、隔離室に戻された。説得に失敗した親は殺されるのだろう。涙が出た。そして隔離室で思った。やはりここが一番安全だと。強制入院になるより任意入院だ。私は隔離室の中で同意書にサインした。(A⑥に続く)
注:幻覚妄想状態で隔離室対応になる患者は100%強制入院(家族がいる場合は医療保護入院)です。私の場合は医師だから忖度されたのでしょうか。
今回の一言
精神科の入院を告知されたら、従っておきましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?