子なし夫婦という生き方
わたしたち夫婦には子供がいない。
さらにいうと今の段階では
子供を「持つ選択」も「持たない選択」もしていない。
仲は良いが、妊活はできていない。
わたし(妻)はできれば授かりたい。
不妊治療はしない。とふたりで話し合って決めている。
まずはじめに、これは個人の意見・考えであり
・子供がいる人
・子供がいない人(宿った命が空にかえった人、妊活している人、様々な理由で持てない人、持たないという選択をした人”DINKs”…理由は本当に人それぞれ!)
どちらが良いとか悪いとか批判をしたいのではないという事を断っておく。
デリケートな上に、プライベートに踏み込まなくてはいけない話題なだけに、実はこの記事を書く事をずっと迷っていた。
それでは、なぜこんな記事を公開したのかというと
わたしのように、悩んだり、モヤモヤしている人に
「大丈夫、あなただけじゃないよ。」と、寄り添いたい。
そして、心の持ちようを変えるお手伝いをし、ほんのちょっとでも、ご自身の日常を”ゴキゲン”の多い状態に近づけるきっかけになったらいいなと思ったからである。
(この”ゴキゲン”についてはまた別記事にて)
最初にわたしが、この”モヤモヤ”を自覚したのは夫と結婚する前だった。
わたしは周囲の友人たちより、すでに結婚時期が遅い方だったので、結婚自体を焦っていたように思う。
すでに30代に足を踏み入れていたわたしたちカップル。
わたしはといえば、まだプロポーズもされていないのに、彼(後の夫)の幼い頃の写真を見せてもらい(すごくかわいい!)わたしたちに良く似た我が子と会える日を楽しみにしていた。
ところが彼は
「結婚後何年かは、まずはふたりの時間を大切にしたいと思っている。」
と言ったのだ。
すでに2人目、3人目の子供を産んだ友人もいるというのに!
わたしはモヤモヤした。
彼を泣きながら責めた。
「何年かって何年?わたしはすでにもうこんな年齢!
ふたりの時間、ふたりの時間ってそんな事を言っていたら、いつ子供作れるの?!
欲しいと思ってすぐにできるかわからないし!
男の人はいいだろうけど、女にはリミットがあるのよ!!!」
普段はとてもおとなしい、わたしの凄まじい圧力を受けて
彼は何かとんでもない事が起きたと察したのか
友人や知り合い、さらには、なんと営業先のお客さんにまで(!)結婚や子供のことを相談したらしい。
その方々が背中を押してくれたおかげか
なんやかんやでわたしたちは結婚した。
(※決して人から言われて慌てて結婚したのではない。)
結婚したら、はい、次は子供!
そんな流れがこの日本ではまだまだ当たり前に思われている。
法事で会った親戚のおじさんには
「子供は早い方が良いよー」と言われ
今でも実家に帰る度に父には
「子供はどう考えてるの?」と聞かれる
モヤモヤした。
わたしの父は「結婚したら子供を作るのが当たり前」と考えて疑わない、THE昭和の男だ。
そして、その娘のわたしも「結婚したら子供を持つのが当たり前」で「それが女性の幸せ」となんの疑いもなく思って、30数年間生きてきた。
しかし、夫と出会って、ふたりの時間を楽しく過ごしたり、子供の件について何度か話し合ったりしているうち
「それだけが全て!」と思っていたわたしの何かが、ゆっくりと覆されてきた。
もしお互い望んで子供ができたら幸せだろうし
もしできなくても
夫婦ふたりで楽しく暮らせたら
それはそれで幸せなのではないだろうか
そんな風に思えるようになってきたのだ。
ところが、それでもわたしのモヤモヤは続く。
毎日ではないのだが、やっかいな事に、このモヤモヤは時々顔を出し、特に”ゴキゲン”でない時のわたしを容赦なく攻撃してくる。
例えば…
・マタニティマークのキーホルダー
・「BABY IN CAR」のステッカー
・赤ちゃん用オムツのテレビCM
・レディースクリニックのテレビCM
・子育てママ専用○○
・芸能人の妊娠、出産ニュース
・少子化対策のニュース
・友人のLINEによる妊娠、出産、子供の成長報告
・友人のSNSの子供写真の投稿の数々
・友人の家族写真付き年賀状
・職場の子供
・Youtubeチャンネルの子供
・テレビドラマの子供
・スーパー、コンビニ、公園にいる子供
・その辺にいる子供
・子供
・こども
・コドモ
とにかくキリがない
どこにいても目について
赤ちゃん、子供がすごくかわいく見える。
(これが母性というものなのか?)
そして子供のママたちはみんなすごく幸せそう!
それらがわたしをモヤモヤさせるのだ。
とはいえ、わたしは大変な思いをして、妊活、妊娠、出産、子育てしている人たちを尊敬している。
当たり前だが、子供もママも、その他登場人物も、誰一人として悪はいない。わたしの精神状態がそうさせているだけだ。
毎年の健康診断のレントゲン検査の際、妊娠している可能性はあるか?の問いに対して
毎回「ないです。」と即答できてしまう事も、なんだか、とても切なかった。
そんなある日、ある友人から久しぶりにLINEが届いた。(彼女はわたしより年齢が若いが、結婚時期は同じくらいだった。)
友「今、妊活中?もしかして妊婦さん?」
🐹(わー!きたよ、きたよ、また子供の話ー!勘弁してくれー!)身構えるわたし
「妊娠してないよー、欲しいとは思ってるんだけどね。」
実は妊活すらできていないという事は
親や友人には話せなくて、妹にしか言っていない。
友「仲間だ。全然できない!」
それから彼女は、周りに比較的早く子供が出来た人が多くて、妊娠が簡単だと思っていたこと
なかなか妊娠できないことがストレスだったこと
まだ妊活の為に病院に通っているが、今は旦那さんとのこれからの生活のプランを考えて楽しんでいることを教えてくれた。
普段とっても明るい子だけど
そんな彼女でも、わたしのように嫉妬したり落ち込んだりする事があるのだなと
彼女と出会って10年以上経った今
わたしは初めて知った。
妊活をしたことの無いわたしには計り知れない
心と体への大きな負担が彼女にはあったに違いない。
それを今も続けているという。
それでも前を向き、一生懸命ポジティブになろうとしていることが、LINEの短い文章からも、ひしひしと伝わってきた。
世の中には彼女と同じように辛い思いをしながら
妊活や不妊治療を行っている女性、夫婦がたくさんいることをわたしは知っている。
家族や知り合いにも何組かいて、その大変さを見聞きしている。わたし達が不妊治療をしないと決めている理由のひとつだ。
彼・彼女らの様子を見て、自分たちだったら絶対に心が保たないとお互いに確信があるのだ。
わたしたち夫婦が現状、妊活をしていないという意味では、彼女が使った「仲間」というのとは少し違うのかもしれない。
それでもわかった事がある。
辛いのはわたしだけじゃない
そして、わたしのように
自分の友人や、本当に近い周りだけを見て
「わたし以外"みんな"子供がいる」と思っている
そこのあなたに伝えたい
その"みんな"は"みんな"じゃないよ
と。
実際、わたしの友人には子供がいる人がほとんどで
この悩みやモヤモヤは、なかなか打ち明けられない。
執着しすぎていて
友人以外の方のSNSを見るまで
わたしは気付かなかったのだ。
同じような悩みを抱えている人が
こんなにも多いということを。
夫と出会ってから、わたしは
一度の人生、せっかくなら
辛いことに執着してばかりいないで
楽しい事に時間を使いたい
と思うようになった。
できることなら、今、まさに辛い思いをしている
あなたにもそうして欲しいと願う。
(妊活をするなということではないです!)
そして
周りと比べず、気にせず
自分の、自分たち夫婦だけの幸せを考えて欲しい
そんな風に思うのだ。
ひとつ、わたしが幸運なのは、夫がわたしのモヤモヤを受け止めたり、度々子供について話し合ったりする時にも面倒な顔をしない事だと思う。
「子供はいいよー!」
「子供が楽しみだねー!」
「(その年齢で)子供いないの?(驚)」
「大丈夫、すぐ子供できるよー!」
「子供はまだ?」
「これからだねー!」
「頑張りなよ!」
「早く子供作らないと!」
「なんで子供作らないの?」
「次はあなたの番かな?」
「◯◯ちゃんに先越されちゃったね。」
「子供いないから○○なんだね。」
「子供いないのに○○なんだね。」
これらは全てわたしが実際に言われてきた言葉たちだ。
こんな一言に、毎回、傷をえぐられる様な気持ちになっている人は、たくさんいるはず。
想像してみて欲しい…
相手がもし「子供が欲しくても持てない人」だったら、どんな気持ちになるか。
そんな風に言ってくる人たちにも、悪気がないのはわかっている。
お互いの祖父母も両親も、ひ孫、孫をきっと心待ちにしてくれているのだと感じている。口にはしなくても。
でも、やっぱり…
子供の事は夫婦の問題だから
様々な思いを抱いてそこにいる
それぞれの夫婦をどうか、どうか!
ただ、あたたかく見守って欲しい
と切に願う。
子供が欲しいと思っていない人
子供が欲しくても持てない人・・・
様々な人がいるという事
あえて、それを人には言わないけれど
実はモヤモヤや辛い気持ちを抱えているという人がたくさんいるという事…
そして、わたしも含め
人から子供について聞かれる事に
不快感やストレスを"強く"感じるという人がいるという事をどうか知って欲しい。
子供のあるなしだけでなく
夫婦の形だけでなく
色々な人の色々なライフスタイルが認められ
良い距離感で見守られていく
そんな世の中になって欲しい
わたしたち夫婦が子供について
今後どんな選択をしていくのかは、まだわからない。
マイペースに生きているわたしだけど
女性にはリミットがあることを充分承知している。
夫と出会えた事が縁なら
子供と出会える/出会えない事も
また縁
仮にこの先、子供を持つ事ができたとしても
モヤモヤは一生続くだろう。
2人、3人子供がいる人が羨ましくなったり
子供以外の事でもきっと…。
隣の芝生は青いもの
羨ましく思ってしまうのはしょうがない
そう思うことにした。
だからこそ、わたしは
大好きな夫との楽しい時間の計画を
今日もねりねりしたいと思うのだ。
🐹
あとがき(2023年11月16日更新)
この記事を書いた後にも
時々、気持ちが落ち込むことがあります。
そんな時はここに来て記事を読み直して
夫への感謝の気持ちを改めて感じたり
自分をゴキゲンにする事に時間を使おう!と思ったり
みなさんが寄せてくださったコメントを読んだりして
あたたかな心持ちになっています。
本当にありがとうございます。
(お時間がある方は、ぜひコメント欄もご覧ください。)
この記事を書いたあと、仲良しグループのうちの2人から同じタイミングで妊娠報告LINEがありました。
ひとりはこの記事に書いたあの妊活をしていた友人です。
グループLINEにて祝福のメッセージを送りました。
ですが出産後、彼女がSNSで子供の写真をアップしているのを見てしまうと、正直なところ、(あの頃はあなたも"見るのが辛い側"だったこと、忘れちゃうのかなぁ)と複雑な思いがわいてきました。
その後、好きな夫婦ユーチューバーさん、職場の人たち、そして実の妹と、妊娠報告が続きました。
わたしは妊活していないせいか、彼女たちに対してそれほど強い嫉妬心がわかなかったように思いますが、それでもやっぱり羨ましかったです。
こういう時、素直にお祝いの言葉を言えない自分を
責めてしまうという人がいるのを見聞きしました。
どうか人を羨んでしまう自分
人を祝福できない自分を
責めないでください
あなたは何も悪くない。
自分もあぁなりたい、こうしたいと日々思っている。
羨ましく思ってしまうのは当然のこと。
そんな自分の本音を認めてあげましょう。
信頼できる人に話しましょう。
辛ければ
SNSは見ない
連絡を断つなどして
逃げてください
好きなことをたくさんして
自分を甘やかして
深呼吸、小休止、場合によっては長いお休みを…
ご自身の心を大事に守ってあげてください
辛い事や愚痴があったら、この記事のコメント欄に
いくらでも吐き出して下さい
ご自身のnoteに書かれたら教えて下さい
必ず読みに行きます
一番大事なのは あなた自身です
あなたが自分に優しく
楽しく生きられるように祈っています。
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