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【プロローグ,準備、生活編】open summer キゾンバフェスティバル

集大成のつもりが、新たな始まりに

2023年9月、バルセロナ郊外で行われたカルガ・キゾンバフェスティバルで、私はダンスで初めて何度も、嬉し涙を流した。
それは、開催地の教会や海を訪れた時、かけがえのない人や仲間と別れた時、帰りの飛行機が離陸した時など。びっくりする程、その嬉し涙は繰り返し静かに流れた。

元々9月のカルガ・キゾンバフェスティバルは、「死ぬまでにやりたいリスト」に「海外で、世界中の人々とゾーンに入ってダンスを踊り明かす」というというリストがあり、それを達成しに行った旅だった。

この「カルガフェスティバル」と「バルセロナ・ズークランバダフェスティバル」、そしてバルセロナでのタンゴ・ミロンガでそれを達成しきり、このリストは完了するつもりだった。
実際五感で完了しきれた割だが、それが反対に、誤算も誤算も、大誤算。
このカルガ・キゾンバフェスティバルで、ますます目覚めてしまったのだ。
ヨーロッパでペアダンスーとりわけ、キゾンバを踊るということの、素晴らしさに……!

帰国後、日中や夜までは善良できちんとした人間として、築いて来た仕事やレールに乗った生活を再会したものの。
真夜中になるとヨーロッパの人との会話が始まり、それは深夜4時頃まで続く……こんな生活で私は1ヶ月ほど、浮遊病者のようだったと思う。

自由にこのような旅ができるのは、翌年2024年の6月までになりそうだった。
「人生であともう一回、ダンスであんな喜びを感じたい……特にキゾンバは絶対に!」

ある日、誘われたポルトガルの「open summer festival」を見てみる。
2024年5月。生活が変わって行く6月に、ぎりぎり間に合う。

「何このフェス、すごい!カルガフェスにいたインストラクターも集結してるし、その上世界的キゾンバダンサーのAzzedineやSaid、SanJやJP&Stephy,Jesus&Anni まで……このフェスティバルであともう一回だけ、あの感動を味わいたい」

勢いで予約した。このフェスティバルのフルパスを。

この浮遊病者だった頃からフェスティバルに行くまでの8ヶ月、色々なことが起きたし色々な気持ちを感じた。
感情と向き合うのが困難になった時期もあり、スペインでのフェスティバルでの感情や感覚は意図的に封印することも増えて行った。
モチベーションの維持が難しくなった時期もあったし、
「行くからには、前回よりもパワーアップした状態で参加したい!」
と最初は意気込んでいた割には、全然頑張れなかったり上達していない自分に、キャンセルを考えた時もあった。

でも、あのスペインでの嬉し涙が、キャンセルボタンに手を伸ばす私を止めた。
その上冬には、キゾンバフェスティバルと繋げて、ブラジリアンズークフェスティバルの参加も決めた。
全てのフライトとフルパスを予約してからは、後に引けなくなった。

「ははは、色々どうするんだろう。ま、なんとかしよう(笑)」

12月には地元で、そして3月には上記の東京でのタラーショのイベントにも参加し、少なくともタラーショだけは前回の動物スタイルから少しはレベルアップした所で、2024年5月、その時は訪れた。

開催地Albfeira:車は必須

どうしようもない状況下で無理やり抑え込んだ感情については、パーティー編の『Saidとのキゾンバ:甦った感情』の項で再び触れることにしよう。

ここでぜひとも書き残しておきたいことは、会場のAlbfeiraについてだ。
イベントには車でないと到着できない場所があるということを、今回知ることができた。

「この開催地のAlbfeiraって、どこだろう?リスボンや、ポルトから近いのかな?学生の時行ったし、楽勝かな♪もし郊外でも去年みたいに、バスで行ったらいいんだよね?」

一応Googleで調べてみると、全くリスボンともポルトからも近くない最南端に近い場所が示された。
「一度も行ったことがない場所だし!ま、ホテルから空港までシャトルバス出てるって書いてたし、ホテルを予約しようか」

ホテルを予約しようとすると、そこは5つ星ホテル。前回のカルガフェスティバルは4つ星だった上、イベントとのディスカウントも素晴らしく5万ほどで泊まれたが、今度のホテルは更なるひどい円安の影響もあり、10万ほどする。その上、空港はリスボン空港ではない、アルブフェイラから近い南端の空港、ファド空港からのシャトルバスだった……。

「さすがに無理〜。どうしよう!」
「タンツ、5つ星ホテルなんて諦めたらいいよ。Air Bnbだよ。それこそ!」
「あっ!その手があったね!」

スペインのカルガフェスティバルで仲良くなり、このフェスティバルに共に参加するフランスやアメリカ、チェコの仲間が励まし、アドバイスをくれる。
結局アメリカの仲間とホテルから10分ほどの場所にあるAir Bnbを取ることができ、ホッと一安心した(円安でも、1人4万円程で泊まれた)。

「ちょっと待った!シャトルバスもないのに、どうやってこのAirBnbまで行くの?」
このように、次なる問題は続々と発生する(笑)。Googleマップで最寄りのバス停からAirBnbまでの距離を測り、愕然とする……。

「30分以上??真面目にキャンセルしないといけないかも。20キロのスーツケースを持って、最寄りのバス停から宿泊地まで何十分も歩ける自信がない……」
「かわいそうなタンツ。心配しないで。車運転できるから、そのバス停まで迎えに行くよ」
「J、なんて救世主なの!」
仲間がいてくれなかったら、到底到着できなかったAlbfeira。
彼らには、心から感謝しかない!

このように、いくら素晴らしいインストラクターが集結しているフェスティバルでも、車がない場合、行くことが本当に困難な場所もある。

仲間がいる場合は、彼らさえ大丈夫なら協力をお願いしてみて夢を達成しよう(そして感謝の行動は、必ずしよう)。
万が一仲間が協力的でない場合や一人で参加の場合は、この前に参加したケルン・ズークフェスティバルのようにアクセスがよく、自力で行けるフェスティバルなのかどうかも、確認した方がいいだろう。

アクセスが最高だったケルン・ズークフェスティバルについて↓

色々ハードルの高かったポルトガル最南部、Albfeiraだが、実際到着してみると真っ青な海と素直で明るいカモメや鳥の鳴き声、常に情熱的に揺れる風が私を歓迎してくれ、ケルンへの恋しさはこのAlbfeiraに上書きされて行くこととなった。

フェスティバルが本格的に始まる前に、仲間と美しく壮大な海岸線を散歩したりドライブできたことも、素晴らしい思い出になった。
ここならではの自然と景色を持つAlbfeiraの海岸散歩も、車がある場合はゆったりと楽しもう!

栄養価も高い!ポルトガルのファーストフード

食べることが大好きなため、常に食べ物の項があることはお許し頂きたい(笑)。

前回のケルン・ズーク編と基本は同じで、多忙なフェスティバル期間、ぜひともスーパーでサラダやチーズ、トマトやツナ、卵などを買い、3日分のサラダをお皿に作りあげておくことをお勧めしたい。

詳しくは、こちらの“スーパー“の項を

ドイツと違うのは、ポルトガル、Albfeiraのスーパーでは、調理された鶏肉は売っていない。
その代わり、美味しいファーストフードがスーパーにもわんさかある!

ズークフェスティバルの頃は、その後にキゾンバフェスティバルも控えていたから、健康にかなり気を配りファーストフードには目もくれていなかったが、リスボン空港に着いた途端、とても美味しそうなファーストフード、というかベーカリーに一目惚れしてしまった。
「可愛い!いる間に全制覇したい!」
と、ポルトガルグルメ制覇にスイッチが入ってしまった(笑)
有名な「ブファナ」はじめ、スイーツの方も相当美味しく(砂糖は、ふんだんに使われているが笑)、帰りの空港でも食べやまず、80%位は制覇出来たと思う。特にブファナはたくさんの豚肉がパンに挟まれているから、たんぱく質もしっかり摂れ、お腹も膨らんだ。

また海辺の町ということもあり、シーフード料理が最高に美味しかった!
フェスティバルの前や後を利用して、ギリシャのミコノス島をも彷彿させるような、町の中心のこじんまりした市街で、真っ白な建築群の散歩、ライブ音楽に合わせてキゾンバを踊ること(拍手をもらえた!)、日本で買えないレッグアクセサリーやリゾートファッションのショッピング、そしてもちろんシーフードやジェラートを楽しむことも、忘れないでほしい。

ここはラテンの国:時間や場所変更の連続

今回仲間と一緒で良かった、と胸をなで下ろすことは、アクセスや宿泊以外にもあった。
書いてある情報が、とにかくコロコロ変わるのだ。

同じイベリア半島でも、スペインのカルガフェスティバルは予定通りの進行ばかりだったから、これには相当びっくりした。

フェスティバルのフルパスの登録をする場所や時間も2回位変わったし、水曜日、木曜日のパーティーの場所すら数回変更された。

Wi-Fiがない状態で、一週間前に書いてある情報を頼りに会場に行ったら、誰もいない、なんていう事態に遭遇していただろう。

この5月の「open summer festival」と10月にあるという「open festival 」、のように「open」から始まるフェスティバルは、主催グループが同じだから、悪気なく何度の直前変更をしてくる可能性があるだろう。

このキゾンバフェスティバルは、仲間達と情報をシェアしあったり、一人参加ならとにかくSNSで直前までよく確認をすることが大切だろう。
ここはラテンの国だからしょうがないという諦めがあるのか、そのような変更が繰り返されても、インストラクターや参加者が素晴らしいから許されてしまうのか、参加者達は「ふうう」とため息はつきながらも、長い待ち時間も怒る人はいなかった。

ここまでを乗り越えられたら、これから触れるレッスンとパーティーは、ただただ素晴らしいこと続きだ!

ハードルを乗り越えた先にあった感動、喜びと悟りのレッスンとパーティーについて、いよいよ詳しく触れていきたいと思う。

ここからはキゾンバを楽しんでいる方はもちろん、そうでない方も、キゾンバ、そしてペアダンスをやりたくなるたくさんのエピソードが待ち受けている!
ぜひ、続きをご覧いただきたい。

レッスン編

パーティー&まとめ編

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