「自分を変えたかったら、○○を変えろ!」の背後にある自己変革の原理〜その(1)
(写真は名護市21世紀の森ビーチ:2022年3月撮影)
ネット上にも、書籍などにも自分を変えるためのノウハウやテンプレートが溢れています。
変わりたい。
今の自分が好きになれないからでしょうか。もっと幸せになりたいからでしょうか。
違う自分になれば、違った成果を生み出すことができるに違いない。
理由はともあれ、自分を変えたいというニーズがあるから、自分を変えるためには、○○を変える的なアドバイスがあふれかえっているのでしょう。
そのようなアドバイスやノウハウの善し悪しを述べるつもりはありません。
また、自分が変わりたいという願いの善し悪しについても同様に、それが正しいとか、間違っているとも考えません。
自己変革のより本質的な事を取り扱いたいと思います。
そして、この自己変革は、組織の変革にも共通する事がおわかり頂けると思います。
「自分を変える」って何を変える?
自分を変えたいという時に、自分の何を変えたいのでしょうか。
大きく3つに分けられるでしょう。
外見:容姿だけではなく印象やイメージ
中身:メンタルや考え方、感じ方
言動:行動や他者や自分に発する言葉、アウトプット
この3つは全く別々ではありません。「自分」という一人の人間の三つの面をあえて分けたわけですから、重なり合う部分もあるし、連動する部分もあるのです。
これら3つに合わせて、4つめに加えたくなるのが、「偽物」の自己変革です。
それは、自分の言動によって生じる「結果や成果を望むものに変えたい」というものです。
なぜ「偽物」かというと、自分を変えることが直接の望みなのではなく、「結果や成果」を変えたいからです。
本当は相手の自分に対する反応を変えたいと願っているのにもかかわらず、「自分がこのように変われば、相手も変わるだろう」と思い込んで、自分を変えようとしている場合があるのです。
もちろん、結果や成果を変える目的で、自分を変えるという手段をとることが間違っているとは言えません。
「因果関係」というものは、実際に存在します。
しかし、多くの場合、このような言動をしたから、必ずこのような結果になるとは言い切れない事が多いのです。
特に自分に対する相手の反応を変えたい、というような場合には自分が主体的に相手の反応をコントロールする事ができませんから、「変える」と言っても、相手があなたに対する反応を変えたいと望んでいなければ、不可能ではないかもしれませんが、非常に困難であることは間違いないでしょう。
それで「偽物」と呼んだわけです。
様々な「自分の○○を変えよ」というアドバイスやノウハウの紹介を検討するときに、この方法は自分についての何を変えるためなのか、を立ち止まって考えることは決して時間の無駄ではないように思います。
ここまで見ただけでも、企業や団体などにも当てはまることが明らかですね。「自分」を「自社」「我々」と置き換えることもできるのです。
それでは、自分の3つの面を実際に変えるという事について考えましょう。
1.外見を変える
容姿を変える。物理的に形状を手術などで変える事ができます。最近は「プチ整形」なども一般的になりつつあります。韓国ではお誕生日のプレゼントにされたりしているほどですね。
そこまででなくとも、容姿を変える方法はあります。
髪型を変える(私にとっては不可能<笑>)
髭を生やす(女性はちょっと無理ですかね)
眉やまつ毛を微調整する
メイクを変える
ファッションを変える など。
私は31歳の時に髭を生やし始めて自分の外見を変えました。
最初はいわゆる口ヒゲ、鼻の下の髭だけ。そしてアゴヒゲが加わり、現在は口ヒゲがなくなり、アゴヒゲだけ。
このように容姿を変えるだけではなく、名前を変えることや、どんな時にもまずは笑顔で人に接するなど、外見を変えることができるでしょう。
これによって、自分に対する相手の印象を変えることを狙うわけですが、先に述べたように相手の印象を思い通りに操ることはできません。
たしかに、自分の容姿を変えたことを相手が気づいて、あなたとの関係性に変化が及ぶことはあるでしょう。
しかし、外見を変えて何が一番変わるかと言えば、それは「自意識」なのです。そして、その新しい「自意識」から生み出される言動が、他者の反応を変えることの方が多いのではないでしょうか。
2.中身を変える
メンタルや考え方、感じ方を変えるという変革について考えます。
マインドセットを変革することについては5本の記事を書きました。
「言うは易し行うは難し」です。
私たちの中身をつくりあげている要素を2つに分けることができます。
生まれ持った性質
環境・出来事・人間関係からの影響でつくられた性質
緒論あるでしょうが、生まれ持った性質を変えることは至難の業です。
米国の調査会社「ギャラップ」が開発した個人の資質を発見するテスト「クリフトンストレングス」という才能テストがあります。
このギャラップ社の2代目元社長のGeorge Gallup氏と生前にお話しをさせて頂いたことがあります。
Don Clifton博士によって「クリフトンストレングス」才能テストが開発され、ギャラップ社が事業化した背景には、「人が生まれ持った性質は、その生涯さほど変わらないという」経験に基づく確信があったとを聞きました。
自分の弱みを変えようと時間と努力と財を注いでもさほどかわらない。
しかし、自分の強みに同じだけの時間と努力と財を注ぎ込むと、大きく人は伸びる。
それで「ストレングスファインダー(強み発見)」を用いて人々が成長することを狙ったというのです。
ですから、生まれ持った性質を変えようと思っているなら、それが自分の弱みを変えようとしているのか、それとも自分の強みを更に強化するために変えようとしているのかをじっくり考える必要があるでしょう。
自意識、セルフイメージを変えたいという深層心理が、形を変えて認識されていることもあるかもしれません。
****(つづく)****
途中ですが長くなってしまいましたので、この辺で今回は終わりにさせて頂きます。お付き合い頂きありがとうございます。
次回にここからの続きを投稿いたします。