成果をあげる者は仕事からスタートしない。それでは、どこから始める?
(写真はカリフォルニア州のワイナリーで見つけたトマト:2021年8月撮影)
あなたの成果は何ですか?
その答えは一人ひとり違っていても、成果をあげたい。もっとあげたい。そう誰もが願っているのではないでしょうか。
そして、自分はもっと成果をあげられるはず、と思っている人も少なくないでしょう。
これは個人に限ったことではなく、どのチームや組織にも同じような願いがあるでしょう。
より大きな成果をあげるために
より大きな成果をあげるために、あなたはどうしていますか?
もっと、気合いを入れて頑張る!
この根性論、精神論。
「日本文化」でしょうか、それとも「昭和文化」?
確かに根性で成果をあげてきたのですが、持続的にあげることはできません。
頑張って長時間労働をする事によってGDP世界2位まで上り詰めたのです。
現在、順位を一つ落としたとはいえ、世界第3位のGDPです。
ところが、生産性が先進国の中でも著しく低いのが、我が国の労働力です。
生産性が低いのにもかかわらず、長時間労働によって世界3位のGDPを生み出しているのが現実です。
やっぱり、頑張って気合いを入れて、長時間を働くことで、より多くの成果をあげれば良いのでしょうか?
そんなことはありません。
世界第3位のGDPも2位から落ちて、相対的にぐんぐんと1位、2位に差をつけられています。うんと引き離されて、4位ドイツに近づいています。
さらに、今は令和、AI時代。
日本の労働力が従事している仕事ほとんどが、AIに替わるのも間近です。
それでは、どうすれば良いのでしょう。どこから始めたら良いのでしょう。
成果をあげるために始めるところ
それでは、どこに手をつけたら良いのでしょうか。
ピーター・ドラッカーの言葉です。
生前ピーター・ドラッカーがクレアモント大学で教鞭をとっている時に、この言葉をドラッカー自身から聞きました。
本を読んで知っていた内容であったはずなのですが、実際に話を聞いてやってみると刺さりました。
自分はそれまで、仕事の「やり方」で効率を上げて何とか成果をあげようとしていたからです。
そして、正しい「やり方」で良い計画を作れば、必ず成果があがると思っていたのです。
成果があがったときには、正しい「やり方」で良い計画を作ったからだと思っていました。
ところが、良い計画をスケジュールに落とし込みさえすれば良いと考えていた私に、「時間が何にとられているのかを明らかにすることからスタート」せよとの言葉が入ってきました。
そんなの分かっていると思っていましたが、細かく記録をはじめると、自分がいかにいくつもの仕事に手を出して、集中して一つのことに取り組んでいないかが明らかでした。
こんな皿回しの曲芸を見たことがあるかもしれません。
長い棒の先にお皿を載せてくるくると回して、お皿が落ちないようにする。
その最中に次々と複数の棒の上でお皿を回す。
最初の棒のお皿の回り方が鈍くなって、フラフラと棒から落ちそうになると、その棒をくるくると回し、次の棒、その次の棒とお皿を回し続けるというものです。
私の仕事の仕方は、まさにこの皿回しの曲芸師ようでした。
棒の一本一本の間を走り回って、皿を棒の上から落ちないようにしているかのような仕事の仕方でした。
本当の自分の姿が露わにされました。
自分では皿回しのような仕事の仕方をしているとは思ってもいませんでした。
「記憶してもダメ、記録しなさい」
「記録」したことで、自分が実際に何に、どのように、どれだけの時間を使っていたのか「見える化」したのでした。
鏡に映ったかのように見える自分の姿が、私の時間の扱い方を変えました。
まとまった時間の確保
「すきま時間」の有効利用がよく言われます。
もちろん、「すきま時間」を使ってできることが存在するのは事実です。
しかし、「まとまった時間」を確保しないと、質の高い仕事ができない、成果を最大化できないのですね。
時間管理の重要度と緊急度のマトリックスで、第2領域と言われる「緊急度は低く、重要度が高い」タイプの仕事は、「まとまった時間」を確保しないと決して取り組むことも、成果をあげることもできません。
「まとまった時間」がないと自分はエンジンがかかりにくいことも学びました。
そして、「まとまった時間」を確保しようとすると、選択をせざるを得なくなるのです。
つまり、優先順位をはっきりさせて、やらないことを大胆に決めなければならなくなるのです。
それによって、本当に成果を生み出す重要度の高い仕事に打ち込むことができるようになっていきます。
方法はかまいません。時間使用の記録をとってみて下さい。
そして、成果をあげるスタートを切りましょう。