火曜日しばらく雑記帳・2023 CW49
さて、今週2回目の、火曜日の雑記帳だ。番外編がちゃんと火曜日に出ているのに、本編が金曜日の晩、もとい土曜日の朝、まで滑っているあたりが変と言えば変だが、世の中もっと変なことも多いので、このくらいは許されてしかるべきだろう。
番外編のほうは、いちおう #2 Book Reading、#3 Wellness、#4 note and SNS と今月は振り返り月間として書いてみて、火曜日の雑記帳は本編と番外編とで週2本書くつもりだ。
■とはいえ、年末になってきて仕事のプレッシャーが想定通り厳しくなってきた。うまく乗り切れるだろうか。食事くらいはちゃんととろう。
今年はブルグル(デュラム小麦のひきわり)を使ってピラフのようにして作るのを覚えた。オリーブオイルを使い、クミンシードで香りをつけるのと、人参を一緒に炊いて中央アジアのプロフのようにするのも美味しく作るポイントだと楽しんだ。
なにしろ、こういった料理は鍋一つでできるし、手もかからず、簡単だ。ブルグルでなくてバスマティライスや日本の米で作ってもいい。炊く時間、蒸らしの時間は調整する必要はある。たとえばバスマティライスで一人分(半カップ)なら炊くときの水は倍の量、炊く時間は7分程度、蒸らしは15分くらいだ。ブルグル半カップなら水は倍、炊く時間は15分程度、蒸らしは10分程度、といった具合だろう。
11月29日の夕食はバスマティライスと鶏のピラフ・中近東風、であった。
この日は、鶏のモモ肉をグリルして赤ワインで煮込んで、ついでに赤ワインソースも仕上げる、コック・オ・ヴァンだったけ、にしようと思ってキッチンに立ったところ、チャットやらメールやら対応しているうちに、いつの間にか路線変更でこのような一皿になったのだった。
グラタンなどのオーブン料理もいい。単身赴任のサラリーマンは、いいオーブンレンジを備えることが必須だろう。
30日の夕食はチキントマトカリーグラタン。まったく適当だが、鶏をトマトで煮込み、スパイスを投入してカリーにし、茹でたセダニーニ(パスタ、マカロニですな)を混ぜ、耐熱皿に入れてチーズをオン、オーブンに投入してしばらく放っておけばいい。
オーブンで焼いている10 - 20 分の間は、使った調理器具の洗い物をしたり、飛び込んでくるメールやチャットの対応をすればよい。焦げすぎないように注意。
他にも、ときどきこの雑記帳に登場するドイツ風料理も私のキッチンの定番だが、これも簡単だからである。12月3日はソーセージとベーコンのザワークラウト煮込み。細かく切ったベーコンと玉ねぎの微塵切りにキャラウエイシードをオリーブオイルで炒めて、ザワークラウトを投入して軽く火を通してから白ワインを投入、ソーセージと大きく切ったベーコンを入れてしばらく煮こめば出来上がり。
冬は鍋もいい。12月5日はみぞれ鍋にした。豚と金時人参と春菊があったので、出汁で炊いて薄口醤油で軽く調味して和風、たっぷり大根おろしを入れればよし。
先週弁当はいつもどおりだ。形式がきまり枠組みが決まった中での自由というものがある。そこにある材料から形を整える楽しさといったらいいだろうか。
基本的には火曜日と木曜日に川崎のラボに顔を出すようにしているので、その両日は朝6時半に起きて用意する。調理時間はだいたい30分程度だ。
12月1日の金曜日もオフィスに顔を出そうと思って弁当を作ったものの、移動の時間が惜しくなり、新横浜の事務所(単身赴任のマンションの一室のことだ)で PC にかじりついたまま一日が過ぎていった。
季節は巡る。
■先週にひっかかった音楽を少し
1.ポーランドの女性シンガー・ソングライター、カリ・サル(Kari Sal)のKITE。秋の日差しが印象的で田舎から都会に移っていくビデオクリップもなかなかいい感じだ。
YouTube の概要欄を読むと、この曲は transient (一時的な過渡的な) を歌った曲だという。愛する者を失ったときに必ず辿らなければならない道のこと、近道はなく、そして最後にそこから出ていけるときが来る、自身の手から凧を揚げるように。
いいバラッドだと思う。今年4枚目のシングル、2017年のファーストアルバム以来の2枚目が出るようだ。
2.インドのギタリスト Rohit H. Sivaram のシングル "Nákṣatra"。メロディも軽めのアンサンブルも、ボーカルの歌い回しやギターのフレーズなど、インドの音楽の要素がたっぷりで楽しい楽曲だ。ベースが新進女性ベーシストのモヒーニ・デイ。
インドのポピュラー音楽というと、どうしてもボリウッド映画のプレイバックシンガーの曲が多くなるが、こういうのがなかなか好きだ。
たとえば。
エレクトリックシタールのソロがなかなかいける。
3.ジョン・ゾーンも1980年後半くらいに知って以来、よく聴くが、今に至るまで精力的に活動を続けている。なにしろ多作すぎて追いかけることはできていない。
2019年リリースのアルバム "The Book Beri'ar, Vol.1" を聴いた。先週だったかアルゼンチンの素晴らしい女性ボーカル、ソフィア・レイ (Sofia Rei) を紹介したが、そのソフィア・レイがボーカルで参加しているのだ。
中近東・オリエントの雰囲気がある楽曲がどれもいい。一曲目の冒頭でノックアウトだ。ギターとパーカッションをバックに複雑なメロディを自由に音程を行き来する歌もいい。
4.イタリアのジャズシンガー、マリア・ピア・デ・ヴィト (Maria Pia De Vito) の新しいアルバム "This Woman's Work" が素晴らしく、ノックアウトされた。
トニー・ウイリアムスの "There Comes a Time," エルヴィス・コステロの "I Want to Vanish," タイトルソングは Kate Bush の "This Woman's Walk"が耳をひく。
そして、なんと、オーネット・コールマンの "Lonely Woman" を歌ってしまう。どの曲も大胆なアレンジで元の楽曲が再構成されている。
アルバムとしては、タイトルが示唆するように女性がテーマになっていて、たとえば "The Elephant in the Room"は、Kate Passという女性のベーシストが書いた曲で、アルテミス・オーケストラという女性ばかりのグループのデビューアルバムのタイトルソングだ。
男性ばかりのバンドの中で自分が一人きりの女性だったときに、まるで自分が "The elephant in the room" のようだったという経験を表現した曲だということだ。
ちなみに、” The Elephant in the Room" というのは慣用句だ。誰もが知っていて見過ごすことがない大きな問題でありながら、あまりに大きく明白であるがために誰も触れたがらない議論しない、そんな問題のことを言うらしい。
マリア・ピア・デ・ヴィトのことは初めて知ったのだが、ポピュラーソングの、有名なミュージシャンの曲で、比較的マイナーだけどいい曲を取り上げて、大胆なアレンジでジャズに仕上げて歌う、なかなか骨のあるアルバムを出している
あまりに惚れてしまったので、明日か明後日に、個別記事を書くつもりでいる。というか、書かずにおれない気でいる。
5.フランスの女流テナーサックスのソフィー・アルール (Sophie Alour)の今年リリースのアルバム "Le Temps Virtuose" が耳にとまった。
一曲目の "Des Lendemains Qui Chantent" からいきなり引き込まれる
1974年生まれというから、来年に50歳、だいぶんベテランではあるが、Spotify で見ると、リリースされたアルバムは少ない。2007年のデビューアルバムのあと間をおいて 2012年に2枚目、本作が7枚目のようだ。
まだ、ほとんど聴けていないのだが、間違いなく私の好きなタイプである。これから度々取り上げることになると予感している。
■12月2日の午前中に新横浜から鴨居の往復のコースを 14.4km 走ってきた。素晴らしいいい天気、冷たい乾いた空気が心地よい。
だいぶん楽に走れたので、いつものコースの最後のパートを少しふくらませてちょっと長めの距離にした。同じ場所をグルグル回ったりするのは苦手だし、同じ部分を重複して走ることがほとんどないようにコースを作ってある。
短くしたいときはショートカットしたり、長くしたいときはどこかを膨らませればよい。また、何かあったときには電車やバスに乗って戻れる。
■それにしても、ガザでは一時休戦したものの再度イスラエルの侵攻が始まった。最近、さすがにアメリカも民間人の保護についてイスラエルに意見しているようだが、アメリカは国連安保理停戦決議で拒否した。ちなみに13か国のうち拒否はアメリカ、保留がイギリスだ。(2023/12/9 朝)
多くの一般市民、そして子供が犠牲になっているという。ひどい話だ。
恒久的即時停戦を求めるものである。