火曜日しばらく雑記帳・36
■サッカーのワールドカップはちょっと残念、日本はクロアチアに同点PKで敗れて8強ならずの結果だった。ネットでも無料で配信されていたし、時差をものともせずに各試合とも見ていた方も多いと思う。
スポーツが苦手な私も、いいところだけ観たり、エピソードを読んだりするのは好きなので、にわかファンとなってそれなりに楽しませてもらっている。
それにちなんで、主観確率と客観確率について、偶然と必然について、平行宇宙について、連続と無限について、の4つの観点からそれぞれ論じようと思って書いては消し書いては消ししたが、結局、うまく書けなかった。他の人が到底考えないような視点を提示して注目を集めよう、とか、自分の知識を披露して驚かせてやろうとか、そんな雑念が入るのがいけない。
自分の見たもの感じたことを、そのまま書けばそれがよい。・・・というのも雑念だからもやもやする。
そんなわけで今週は雑記帳をスキップしようかと思ったが、それはそれで居心地が悪い。
書くにせよ、書かないにせよ、どこか居心地が悪いところは誰にでもあるのではないかと思ったりする。
■そんな居心地が悪くて寒い冬の夜は、暖まるものが欲しい。こんなときの夕食は、中国西域風、ラム肉と紅芯大根の炊いたの。
生姜とフェンネルと花椒でラム肉と大根を炊くだけのシンプルで暖まる汁おかず。
そして辛いものもいい。チャナダル合挽キーマカリー。香菜を散らして、紅くるり大根と炊いたほんのりピンクのバスマティライスも美味い。
これは、すごく美味くできた。
なぜだろう。いつもと違うのはヨーグルトを入れなかったので酸味がなくなったことか、インド料理の一般としては禁じ手の合挽肉を使ったからか、やはり禁じ手の根こぶ出汁の分量がよかったか、それらとスパイスの配合が偶然よくマッチしたのか、その全てなのか。
紅芯大根、紅くるり大根、は今の季節だけ出回るので毎年の楽しみだ。
立方にカットして弁当にも入れる。歯ごたえがシャキシャキしていいアクセントだ。
年末恒例でちょっとバタバタしていて、最近は週に3-4日、川崎にあるラボに出勤している。
12月2日の金曜日は、朝に弁当持って川崎オフィスに出勤して楽しく一仕事、二仕事。午後は13時からWebミーティングが定時までびっちり連続するので、昼前に走って移動、電車に飛び乗って新横浜の事務所に戻ってPCにかじりつきながら昼食を食べたのだが、そのまま開けずに持って戻った弁当だ。
カブや大根の葉は捨てるにはもったいないが、単純に茹でておしたしにしてもスジっぽいのが気になってイマイチだ。しかし。よく考えたら刻めばよいのであった。
今年は、紅芯大根と紅くるり大根の葉と茎は茹でてから刻んで醤油とお酒と出汁で炊けば立派な一品になった。
朝いちばんに課題と段取り頭の中で整理しながら一品一品調理して弁当箱に詰めて30分、一日が整う感じが悪くない。
■先週にひっかかった音楽を少し。
1.パット・ベネターとニール・ジラルドがロックの殿堂入り、というニュースで盛り上がっていた。セレモニーの様子が YouTubeに上がっている。パット・ベネターは1980年から4年連続でグラミー賞受賞、中高年の方には懐かしく思い出す方も多いと思う。私が大好きな名曲「ハートブレイカー」は 12'25"あたりから。
改めて聴くとやはり彼女の少ししゃがれた力強い声には圧倒されてしまう。パートナーのニールのギターのコンビネーションがよく、ノリのいいリズムとともに、自然と一緒に口ずさんでしまう。
NPRの Tiny Desk Concert もニールのアコースティックギターの伴奏で素晴らしい歌を聴かせる。
1曲目 "We live for love"と歌うところで、ニールが、"Hey, I wrote this song for you"と声かけると "Oh, y' sure"と笑いながら答えるパット、かっこいい。曲間の夫婦漫才のような雰囲気の会話も楽しそうで、ほとんど聞き取れなくても思わず一緒に笑ってしまう。
2.ハートブレイカー、といえば、トムペティ&ザ・ハートブレイカーズも大好きでたまらないのだが、なんとなくナンシー&アン・ウイルソンのバンド、ハートを思い出して馴染みの曲を何度か聴いていた。
レッド・ツェッペリンの ケネディ・センター名誉賞の受賞式で「天国の階段」を演奏したがこれがよくて以前から何度もよく聴いている。ドラマティックな展開とアレンジがぞくぞくくる。
もっとも、本家本元の演奏より整いすぎているのが不満に思う人もいるかもしれない。それは仕方ないところだろう。とはいえ、ロバート・プラントもジミー・ペイジも嬉しそうに目を細めて身体を揺らしながら聴いている。オバマ前大統領の姿も見えるのも懐かしいところだ。
ハートでは「バラクーダ」が一番好きだ。当時、オベーションのアダマスをかき鳴らしていたナンシー・ウイルソンが、この動画のころの演奏では、ディストーションを効かせたエレクトリックギターをワイルドに弾いていて、さらに魅力的だ。
ナンシー・ウイルソンは、去年、14曲入りの新しいアルバム "You and Me" をリリースした。カントリーのテイストもあって、なかなか軽くて明るい曲が揃っていると思う。ポール・サイモンのボクサーもカバーしていて楽しく聴ける。
3.キューバから Eliades Ochoa (エリアディス・オチョア)、ふと流れてきたのがひっかかった。つい最近の新曲だろうか、ビデオクリップも楽しい。
最近、キューバのポップスをあまり聴いてなかったように思うので、新鮮に聞こえた。
4.イタリアのジャズ・ピアニスト、Enrico Pieranunzi (エンリコ・ピエラヌンツィ)。エリック・サティのジムノペディ(1ère Gymnopédie)を弾いた演奏がいい。2016年のアルバム"Ménage à trois"に収録されている。
このアルバムは明るく軽やかでいい。柔らかい空気に包まれるようですっかり気に入って最近よく聴いている。
■陽がぐんぐん短くなってきて、16時半ともなるともう日没だ。今年ももう残り一か月を切ってしまった。
この調子でいくともうあっという間に年末を迎えて2023年になってしまいそうだ。忙しいなかではあるが、そろそろ今年の振り返りと来年の展望に時間を割きたいところである。
できると思っていたことは沢山あったけれど、55年の中でできたことなんて少しだけ。出来るはずだったこと、やりたいけどやらないと決めたこと、運よく呑気に自分の好き勝手することは出来て、たくさんの人たちに助けられて、思えば遠くに来たものだ。
■追補
せっかくなので書きかけで没にした冒頭を書いておこうと思う。
今回は、ドイツとスペインを破ってコスタリカに負けてグループリーグを1位で突破、クロアチアに負けて8強ならず、というところだったが、このような結果になる確率は私の推定では0.8%ということになる。
単純な話で、スペインに勝つ確率を10%、ドイツとクロアチアに対しては20%、コスタリカは五分五分と見れば50%とみた上で、全部かけ合わせれば0.8%となる。
このそれぞれの対戦の確率は、
1.私が数人のファンに聞いた意見
2.フィリップ・トルシエのコメント「10回の戦いでドイツが8回勝つのは間違いない。」
(Number https://number.bunshun.jp/articles/-/855528?page=4)
3.国際Aマッチ1桁順位チームとの対戦で「過去の戦績は4勝8分け29敗と大きく負け越し、その勝率(白星率)は9・8%となっている。」
(日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/soccer/qatar2022/news/202212010001083.html)
4.他にドイツをはじめヨーロッパで活躍している日本人選手が多いという点、中南米ではほとんどいないという点。
5.FIFAランキング (FIFA世界ランキング最新版 サッカーワールドカップ出場国の順位は? | Goal.com 日本)はスペイン7位、ドイツ11位、クロアチア12位、日本24位、コスタリカ31位。
これらを総合して10%単位で考えると、おおかた合意いただけるのではないか、と思う。
ちなみにこの計算でグループリーグを全勝突破の確率は1%となるので、今回の「ドイツとスペインを破ってコスタリカに負けてグループリーグ突破」のケースと同じ確率となる。これは対コスタリカを五分五分としたからだ。
異論は認める。反論もしない。検証しようがないからだ。しかも、すでに起こってしまったことについてどれだけの確率なのか、と論じるのはナンセンスといえばナンセンスだ。起こってしまったことについては、その他の可能性はすべてつぶれてしまったわけなのだから。
・・・・(後略)・・・・