火曜日しばらく雑記帳・2023 CW23
先週末、金曜日から土曜日の午前中まで台風襲来、襲来といっても日本列島の南海上を西北西に通過しただけといえばだけなのだが、大風大雨で関東も天気がかなり荒れた。首都圏の交通も乱れ新幹線も止まってけっこう面倒な目にあった方も多かったかと思う。
私は木金と会社に顔を出す予定だったのを変更してリモートワーク、強い風におののきながら事務所(単身赴任でいる新横浜のマンションの一室のこと、念のため)にこもって、PCの前でウンウン唸っていた。
土曜日の昼には雨があがってきたのだが、土日は King Gnu が日産スタジアムでコンサートをするということで、モノトーンを基調にした少々地味なファッションの多くの若者たちに街を占拠された。そのほか『テニプリフェスタ2023 U-17 WORLD CUP』に集まる着飾った若者たちや、安田記念で場外馬券場WINSに集まる部屋着でそのまま出てきたような恰好で目が血走ってせかせか歩く中高年たち、いかにも観光といういで立ちの外国人の方も目立つラーメン博物館の大行列、なんにしても天気が回復してよかったことである。
こういった街の様子はようやく2020年よりも前の雰囲気に戻って来たことを実感する。
そんな世間の喧騒の中、好きな音楽聴きながら読書と料理とビールにワイン、土日は、日曜日の朝のジョギングの他は、ほぼ事務所にこもっていたのだが、苦節3か月、今年の洋書の2冊目となるバレエとモダンダンスの歴史を振付師の列伝で綴る Jack Anderson の "Ballet & Modern Dance" をようやく読み終えた。感想は次の週末にでも書こうと思う。
11月にマリウス・プティパ振付のクラシック「眠れる森の美女」を誘っていただいているので見に行く予定、ますます楽しみになってきた。マリウス・プティパは1818年にフランスに生まれ1847年にロシアにわたり、「眠れる美女」をはじめ「くるみ割り人形」や「ドン・キホーテ」も振付を手掛け、さらには「コッペリア」「ジゼル」「白鳥の湖」なども改訂を手掛けた、まさに現代のクラシックバレエの父とも呼ばれる振付家だ。
・・・と、いう具合に、人を知り名前を覚えるとそれだけで楽しみ方が変わって来るものだ。
人を追いかける。
数学や物理、あるいは歴史政治経済、勉強も同じことだとよく思う。そういえば趣味や仕事も同じだなぁと思う人もいることだろう。
■先週から今週は弁当は作らなかった。先週木金は会社に行かなかったのと、本日(今週の火曜日)は昼は外で会食の予定があったので作らなかった。去年のことだっただろうか、仕事のリズムを整えるためにリモートワークの日も弁当を作ろうかなどと言っていたこともあるのだが、実行できずにいて、少々反省している。
香菜(パクチーあるいはコリアンダー)は、中国や東南アジア・インドなどの諸国ではポピュラーだが、日本ではなかなか入手できず、値段も高く、いつも泣かされる。旬は春らしく、3月から今頃まで、時々手頃な価格で出回ることがあって、そのときは必ず購入するのだが、なにぶん日持ちが悪い。
今年も先週に近所のスーパーで見つけたのでさっそく使っている。
まずはカリーだ。スパイスはシンプルにコリアンダーシード、クミンシード、ターメリックに赤唐辛子。ゴリゴリ挽くとコリアンダーシードの爽やかな香りが鼻をくすぐり、それが楽しみだ。
まずは、チャナダル・ハンバーグ・カリー。チャナ豆のひきわり・チャナダルを柔らかく煮る。ニンニク・ショウガに玉ねぎのみじん切りをじっくり炒めた上から、スパイスを入れて油で熱して香りを出す。トマトを入れてペースト状になるまで煮込む。これを煮込んだチャナダルに投入してしばし煮てチャナダルカリーを作る。ハンバーグはひき肉に玉ねぎのみじん切りとパン粉にナツメグとを混ぜて捏ねて小判型にまとめる。バターで両面焦げ目がつく程度に焼いて、さきほどのチャナダルカリーに入れてしばらく煮込めばできあがり。
ごちゃごちゃ書いたが、つまりは、カレーで煮込みハンバーグを作る要領だ。
次は牛スジカリー。1時間ほどゆっくり柔らかく炊いた牛スジに小さめの乱切りにしたジャガイモと人参を入れ、スパイスは上のチャナダル・ハンバーグカリーと同じ要領で作った。ジャガイモは煮崩れるくらいがちょうどいい。
東南アジア風チキンライス。レモンかライムがあれば、もっと映えたし、ぎゅっと絞ればもう一味楽しめたところだが、あいにく忘れていた。
麻辣豆腐。3月16日の雑記帳に記したのとほぼ同じだ。
という具合に、せっせと香菜を食べているところではあるが、また白ワインが美味しい季節になってきた。蒸し暑い日にきりりと冷やした白ワインはいい。今ごろに毎年楽しみに飲んでいるが、ポルトガルの微発泡ワイン、ヴィーニョ・ヴェルデ。カザル・ガルシアというのがずっと気に入っている。ビー玉を思わせる青いビンも涼しげで爽やかな香りと軽い口当たりがいい。そのうえ、価格も安く具合がいい。
雲一つない空、大西洋に沈む太陽、そんな風景を思い浮かべる。ポルトガルにも行ってみたいものだ。
■先週に引っかかった音楽から少し。
1.2021年デビューのドイツの現代ジャズグループ、Marriage Material。前にドイツの音楽は?というみきともさんのコメントをきっかけに知ったグループで、これがなかなかいいのだ。こういう出会いもいいものだ。
先週にリリースされた "The Ring"
Raphael Meinhart(vib, syn, .. ), Arto Mäkelä(g), Thomas Stieger(b). Felix Lehrmann(ds)の4人組だが、ヴィブラフォンやマリンバフォン、シンセ、ボコーダーなどを駆使するラファエルの多彩な音が印象的だ。
デビューアルバムの5曲目にはカート・ローゼンウィンケルが参加している。
2.フレンチポップの Janie。2021年にデビューしたばかりで、正統派(!?)フレンチ・ポップらしい声と曲が好印象だ。先週リリースされたシングルが "Les Sunlights des Tropiques"
2021年のデビューアルバムが "Toujours des Fleurs"
3.Yilian Cañizares (ジィリアン・カニサーレス)のシングル Oxum は不思議な音作りで楽しめた。曲の展開が面白く様々な表情を見せる 5分ほどの曲でパーカッションとつぶやきのイントロも面白い。歌いだしが 1'24"くらいから(YouTubeのほうは 0'40"くらいから)なので、歌声をメインで聴きたい方はそのあたりから聴くといいかもしれない。
キューバ出身でスイスを拠点にしているらしく、ソロでのデビューは 2013年 "Ochumare," 2014年と2019年に1枚づつリリースしている。また、キューバ出身のピアニストのオマール・ソーサとの共演盤を2018年と2019年にリリースしている。
ジャズとクラシックとキューバの要素がうまくミックスされ、いい感じだ。じっくりと聴いているともっといろいろ発見がありそうだ。
Home | Yilian (yiliancanizares.com)
4.ついさきほど、アストラッド・ジルベルドが6月5日に亡くなったことを知った。
とても悲しい。R.I.P…
■ジョギングは先週は孫娘と一日遊んでしまってできず、今週は土曜日の午前中が前日からの大雨が残り、どうなることかと思ったけれども、日曜日の朝には予報通り晴れて気温もちょうどよく爽やかな天気となり、新横浜のいつもコースを 13.8 km 走って来た。
認めたくはないが、最近少し疲れ気味、いつもよりゆっくり走ったのだが、途中で右ひざに少し鈍痛が出たり背中の筋肉痛に襲われるなど、ただ途中で写真を撮ったりしながら休み休み走っているうち、なんとかいけた。
朝のうちの空気は気持ちよく爽やかだったが、午後になると雲が出て雨こそ降らなかったものの湿度が高くなり蒸し暑くなった。
というわけで、今年の洋書3冊目は、Erin Meyer著 "The Culture Map"。
日ごろ、グローバルなプロジェクトの一員として働いていると、お国柄というと怒られるかもしれないが、それぞれの国のカルチャーというのがあることはいろんな場面で感じる。同じことを伝えようと思っても、それぞれに応じた伝え方はあるので、自分の価値観と言い方に沿った一本やりで臨んでも上手く伝わらないしうまく受け取ることもできない。
「個人個人の差のほうが大切なんじゃないの、カルチャーを意識するとステレオタイプの型にはまった見方になり個人が見えなくなる、カルチャーなんか変に意識しないほうがいいんじゃない?」なんて思う人がいるかもしれない。それはもっともな気がするし、「人種や性別や国籍といったその人の属性よりはその人がその人であることが大事」などと言われると、国ごとのカルチャーなんて考えるほうがおかしい、と思うかもしれない。「私は人と接するときにカルチャーなんてステレオタイプな先入観など持たずに自分自身のフィーリングを大事に自分の頭で考えて対応しているもんね」という自負を持つ人もいるかもしれない。そういう人ほど注意したほうがいい。
誰かと接するときに何の先入観を持たずにすることはできない。私達はそれぞれ自分自身の感じ方・理解や視点・価値観・行動様式といったような枠組みを持っていて、それはやはり生まれ育った環境に影響されていることは間違いないだろう。だからカルチャーの違いに目を向けない人は、実際には、自分が自身の持つカルチャーの枠で見て話し判断していることを知らないままでいることになる。そこに目を向けるにはやはりカルチャーを意識するほうがよいのだ。
他人を知ることで自分を知る。自分を知ることで他人をより深く知る。
ではカルチャーを測るメジャーがあるのだろうか。そうはいっても偏見に満ちたステレオタイプは嫌だ。・・・と、いうことで、本書では8つの軸を提示し、各国を軸上にマップしてお互いに比較できるようにした。これを参考にするとよい、ということなのだ。
エピソードを含めながら明快な文章で読みやすい。これならすぐに読めて実用にもなりそうだ。6月中に読んでしまいたいと思っている。
静まり返る深夜3時、また雨がしとしと降ってきた。