火曜日しばらく雑記帳・2023 CW04
一昨日の日曜日(2023/1/22)、柄谷行人の「力と交換様式」について書いた。
以前、友人から「自分自身の知らないことについてよくそれだけ断定的に語れるな」と揶揄されたことがあるが、そのままの印象の文章になってしまったかもしれない。
著者の熱意と内容の濃さに突き動かされるように、読んだからにはちゃんと書かないと著者に失礼だと思い、ウンウンうなりながら思ったところと疑問点を頑張って書いたのだが、やはり要領を得ずまとまりも悪く6000文字超と長くなった。まぁ。。学校の読書レポートだとしたら落第点だ。
ここで書き足らなかったのは、やはり「物神」あるいは「霊」についてだ。1月4日に半分程度を読んだところで記事にした、そのときの疑問点は次のようなものであった。
「私の頂く給料」については一昨日の記事で、なるほど A, B, C, で説明すると明快に違和感を分析・説明できることを説明した。
後半の「株式市場の取引」にことについては明示的には説明しなかった。
このような例を考えてみると、交換に宿る「物神」によって交換が成立する(Cの様式なら価格が決まる)という部分はやはり違和感がある。むしろ、物神・霊あるいは幻想が、交換をする各々の主体に宿っていて、互いの力関係で交換が成立すると見たほうが自然なのではないかと思うからだ。その交換の結果、各々に宿る物神・霊あるいは幻想の力が変化する。それは交換の持つ力の一つだろう。
ここで私が考えたことで、若干強調しておきたいのは、モノ(株式や為替や情報などあらゆる価格がついているモノ)に神や霊が宿っているのではなく、物神や霊は各々の人間に宿っているという点だ。もう一つは、力と力関係は成立した取引によっても成立しなかった取引によっても、それぞれ自己言及的に作用し、フィードバックループを含む非線形の作用になっているだろうという点だ。
その点は一昨日の記事に、暗には書いてあると思うがたぶんさっぱり読み取れないと思うので念のため、ここに補っておく。
■私は、日本におけるクスクスの将来の流行に関しては絶対の自信をもっているのだが(火曜日しばらく雑記帳・35:|Shimamura, T. 島村徹郎|note)、迂闊なことにブルグルに関してはまだ未経験であった。
トルコでよく食べられていて、地中海・オリエントで広く親しまれているという挽きわり小麦なのだが、ピラフのように調理されて供されるのがメインらしい。
年始に京都の自宅の近くにあるKALDIでブルグルを売っているのを思い出し、購入してきて先週にさっそく使ってみた。
オレンジカリフラワーもこの季節に手頃な値段に出回る。普通のカリフラワーとそんなに味が違うわけではないが、彩にはいい。見つければ即買いである。今年もだいぶんいろいろ楽しめた。
それにしても、カリフラワーは美味いが少々高くつく。年中出回っていて年中同じくらいの値段のような気もするが、よくよく注意してみていると10月くらいからか秋から冬にかけて、手頃な値段で出回るときがある。仕入れ先の関係だろう、店によってまちまちだ。しかし、待ち構えていると安くて綺麗で美味いのが入手できる。しかし一瞬だ。チャンスを逃さず買うようにしたい。
一日を整える弁当は、出社しないリモートの日でも作ろうと決心しつつ、やはり、こう寒いと外的要因がないとなかなか布団から出ることができない。
昨日、月曜日は、川崎のラボに出社する予定だったので、朝早くに起きて弁当を作っていたものの、午前中に急に設定されていたミーティングが長引き、しかも内容が重すぎ、移動する時間を失ってしまい、新横浜の事務所でPCにかじりつきながら弁当を食べていた。
この日はイマイチいろいろうまくいかずに少し夜更かしすることとなった。24日の今日はなんとか6時半に起き弁当を作り、朝いちばんに川崎のラボに出社した。やはり F2F でいろいろ話しながら進められるのはいい。本当にメンバーには感謝だ。昼はラボの休憩スペースで弁当を食べることができた。
■先週にひっかかった音楽を少し。
1.ギリシャの女性ボーカル、ナターシャ・ボフィリウ (Natassa Bofiliou) とキューバ出身のジョエル・ソト (Yoel Soto) とのシングル、Besándoteがとてもいい。
ギリシャ・地中海の雰囲気たっぷりの哀愁のこもった力あるボーカルに、カリビアン・キューバンなパーカッションと音作り、全体ゆったりと揺れるような楽曲が心を打つ。
最近のアルバムでは2020年の "I Epochi Tou Therismou" がある。その1曲目の "Koita Me" を貼っておこう。なかなか魅力的な歌声だから、ノックアウトされる人もいるはずだ。
そのほか、いくらかギリシャのポップスが関連してひっかかってきて楽しんだが、それはまたの機会に。
2.そして、なんといっても先週のハイライトは、ジョン・マクラフリンのインド音楽バンド、シャクティ (Shakti)。今年が50周年ということでツアーを敢行しているらしい。
そして、今年の夏にスタジオアルバムがリリースされる予定らしく、シングルが先週に先行リリースされた。
曲名の "Mohanam" はインドの旋律ラーガの一種らしい。おなじみのタブラのザキール・フセイン他、気心しれた仲のリラックスしながらもスリリングな演奏で身体が震えて実に楽しく、何度聴いても飽きない。パーソネルは、次のようだ。
"Konokol"というのは私も単語は知らなかったのだが、調べてみると、声でパーカッションを演奏する方法ということだ。「タゲ・テンテン・ナァ、タゲ・テンテン・ナァ」というやつだ。
3.そのジョン・マクラフリンが1989年ごろにベースにカイ・エックハルト (Kai Eckhardt) 、パーカッションにトリロク・グルトゥ (Trilok Gurutu) という鬼才たちとともにトリオでツアーをしていて、そのライブアルバムもリリースされている。
このアルバムそのもののデジタル音源リリースはないように思うが、YouTubeでは、この3人のライブ動画は、オフィシャルではないが別にあがっている。Konokol の掛け合いもとても面白く見ることができる。
このトリオの演奏はあまりに凄いので、上記のライブアルバムは大好きな一枚だが、そのトリロク・グルトゥも、先週に新しいシングル "So Happy" をリリースしていた。
そして、イタリアのトランペッターのパオラ・フレス (Paola Fresu) と、アフリカにルーツを持つキューバのピアニスト、オマール・ソーサ (Omar Sosa) と3人の 2015年のライブを見つけてしまった。
シャクティ、そしてトリロク・グルトゥ、今年、注目だ。
4.女性ボーカルのグレッチェン・パーラト (Gretchen Parlato) と リオネール・ルエケ (Lionel Loueke) のデュエットでの "I Miss You" も素晴らしかった。
パーカッシブなギターだけでなく、お得意の口で発音するパーカッションが軽快で、面白いマッチングだ。グレッチェン・パーラトは2013年の Live in NYCというライブアルバムで初めて聴いたが、それ以来あまり聴いていなくて久しぶりだった。私は今日改めて調べるまで知らなかったのだが、もともと、2003年ごろに、リオネール・ルエケとのヴォーカル=ギターデュオで活動をしていた、とのことである。
このライブアルバムもいいアルバムだと思う。
アフリカはベナン共和国出身のリオネール・ルエケは大好きなギタリストで以前に記事に書いたことがある。
5.西アフリカの小国ギネア=ビサウ出身のエネイダ・マルタの新しいシングル "Bin Sinam" も期待を裏切らないいい曲だ。スチールドラムの音がいいアクセントになっている。皆に聴いてほしい。
■年始から少々張り切り過ぎたが疲れがたまっている感もあって金曜日の夜は早めに店じまいしてさっさと寝たのだが、土曜日の朝はなかなか布団から出れなかった。そうはいっても昼から町田の年老いた父母を訪ねる用事があったので、なんとか午前中の早いうちにジョギングをすませた。ちょっと距離を短く 8.1km 。いろいろな事情や体調に合わせて簡単にショートカットできるようにコースを作るのも続けるコツかもしれない。
10年に一度という寒波襲来、さきほど、京都にいる妻とLINE電話で話したら、午後からすごい雪になっているらしい。明日にはかなりの積雪になりそうだ。
ちなみに、人が住んでいるところで世界中で一番寒い場所はロシアのヤクーツクだろう。-62℃とか-71℃とか、そんなところでも人は町を作り生活している、
私がそんなところに生まれていたらすでにあの世に行っているに違いない。
新横浜の事務所でも、夜8時すぎから突風が吹き荒れていて、ときおりドーンと風圧で窓が揺れる。さっき 7 階下の道路で「ガッシャーン」と音がして悲鳴も聴こたが大丈夫だろうか。
日本各地で大荒れだろう。大きな被害が出ないことを祈る。