負の数の計算を定義する
ふつう、中学校で習う「負の数の演算」は借金などの例を用いて次のように説明されます。
経験的に求めるこの説明でも十分に納得できます。
ただ!!
すべての実数でそれが成り立つのかということです。
それを「当たり前」だと片づけるのはもったいないと思います。
ということで今回は、負の数の演算をしっかり説明したいと思います。
1 負の数の定義
ここでは実数aに対して負の数を次のように定義します。
この定義は、「『-』の数はその数の『-』を除いた数を足して0になる数」ということを表します。
また、この定義のほかに次のことを定義します。
これを使い、下の式が成り立つことを示します。
2 -(-a)とは
上の定義より$${-(-a)}$$というのが何かを下のように簡単に導くことができます。
$${-(-a)}$$は( )内の$${-a}$$を一つの塊と見ます。すると$${-(-a)}$$というのは定義①より$${-a}$$(「$${-(-a)}$$」から「-」を除いた数)を足して0になる数であることがわかります。
よって、$${-(-a)}$$とは
$$
-a+x=0
$$
を満たす$${x}$$の値だと分かります。
なぜなら、$${-a}$$と足して0になるのは$${a}$$だと定義①で示されたからです。
よって、$${-(-a)=a}$$ということが示されます。
3 負の数の足し算
次に、$${-a+(-b)=-(a+b)}$$を示します。
まず、定義②より式は次のように変形されます。
$$
-a+(-b)=-1\times a+(-1)\times b
$$
次に分配法則より
$$
-a+(-b)=-1\times a+(-1)\times b=-1\times (a+b)
$$
最後に$${a+b}$$を一つの文字とみなしたら定義②より$${-a+(-b)=-(a+b)}$$が成り立ちます。
いかがでしょうか。中学生の時は、何も考えずに「負の数」を使っていたので、こうやってしっかり定義すると腑に落ちますね。
負の数の「乗法」いわゆる「かけ算」は下の記事で紹介しているので是非見てください!
最後まで見ていただきありがとうございました。
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