「未知なる生物界への扉!階段に現れる虫たちの謎解き」10 コガネムシ2
あなたの住まいの階段を使って新たな冒険に出発しませんか?
私は健康のために階段を使っていますが、階段で目を凝らすと、ふと動く小さな虫がいることに気が付きます。そして昨日いた虫は何処かへ行き、別の虫が現れ、入れ替わっていくのです。
実はこの無機質な階段には驚くべき生命の多様性があります。
本記事では、私たちの日常生活に潜む小さな虫を探索し、階段に毎日現れる虫の正体に迫りたいと思います。
前回出現した虫は同定はできませんでしたがコメツキムシの仲間でした。種が特定できなかったので捕まえて、裏返して特徴をよく確認しておけばよかった。
さて、今回はどのような虫に出会うのか。
階段を降りていくといきなりメタリックな緑色の光沢が目に止まりました。
キラキラ来た!
これは見たことある。コガネムシの仲間でしょう。
カナブン、コガネムシとハナムグリ。
どれも似ていますが見分け方があります。
即座に注目する点は羽の付け根です。
カナブン 三角形 二等辺三角形
コガネムシ 半円 半楕円
ハナムグリ 三角形
また、ハナムグリは体に斑点があるので、ハナムグリではないことはわかります。
上からの撮影した写真はというと、
丸っこい体つきで、見えにくいですが羽の付け根が半円になってますね。おそらくコガネムシだと思われます。とても光沢が綺麗ですね。
コガネムシの光沢について東京工業大学博物館のnote「コガネムシの色鮮やかな体表を化学する -生物ナノマニュファクチャリングの不思議の世界 渡辺順次」の記事で科学的な視点で書かれています。
専門的な内容なので難しいですが、反射光の強度が強く染料などと違って、化学的ダメージでは失色することはないようなのです。すごいですね。
ところで、
カナブンとコガネムシ、ハナムグリは人との関わりの視点から見ますと、扱いがかなり違います。
コガネムシは害虫、
カナブン、ハナムグリは益虫です。
というのも、コガネムシの仲間は幼虫の時期と成虫の時期の二段階の食害をすることで知られてます。幼虫の時期には植物の根をかじります。時に芋やイチゴなどもかじるそうです。
成虫の時には、葉を食害します。豆科の花や葉を、果樹なども被害に遭うそうです。
一方で、カナブンはその幼虫が堆肥など腐った植物を餌にし、その糞は栄養ある土作りに貢献してくれるため益虫として知られています。
また、ハナムグリは、幼虫のころは地中で腐葉土を分解しながら成長するため、土を豊かにします。 さらに成虫になると花の蜜をエサにするので、体に花粉がつき受粉を手助けする役割を担っています。(花粉媒介者、ポリネーターとも呼ばれてます。)
結構見た目が似ていても、益虫と害虫では人との関わり合いはかなり違ってきますね。私の住んでいる地域は割と街中ですが周辺は農業地域ですので、コガネムシが飛来してくることはあるかもしれません。階段という袋小路に入ってきてしまうとなかなか脱出できずそのまま死んでしまうこともあるので頑張って飛び立っていってほしいものです。
なお、コガネムシは変異などあるので、もし誤りがある場合はコメントいただけると嬉しいです。
今回の出会いはメタリックな緑が綺麗なコガネムシでした。
次はどんな虫に出会うのでしょうか。
どんなふうにワクワクさせてくれるのか
次の来訪者に期待したいと思います。。