子どもが発するコトバ、「パパ」が先か「ママ」が先か〜「わかる」の語源は「分ける」だと実感した話〜
僕は私立高校で英語の教員をしています。結構楽しく教員生活をおくっています。
今日は同僚の先生に聞いて「なるほどな」と思った言語の話です。ICTとか英語とか関係ない内容になっています。
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同僚の男性教員の子供がだんだん言葉を話すようになった
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同僚の男性教員の子どもがそろそろ言葉を話すような年齢になったそうです。その感動はとても大きいようで、その先生は目を細めながら感慨深そうに息子の話をします。
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最初に話す言葉って気になる
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当たり前のことですが、簡単な単語から話し始めるらしいんですね。
親御さんにとっては最初に話す言葉が何であるかは気になるところだと思います。
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『パパ』と『ママ』どっちの言葉が先に出るか?
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その先生はそれ以外にも気になっていることがあるらしいです。
それは自分の子どもが『パパ』と言うコトバと『ママ』と言うコトバ、どちらを先に言うかという問題です。
確かに自分の子どもに先に呼ばれるってのは嬉しいことなのかもしれません。
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『ママ』は強し
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しかしそこは母親は強いです。彼の息子は『ママ』と先に言うようになったそうです。
残念ながら(笑)彼は先に呼んでもらえなかったわけですね。
でもこの後に彼にとって不思議なことが起きたみたいなんです。
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あれ僕も『ママ』と呼ばれたぞ
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その男性教員が驚いたのは、自分の息子さんが彼のことも『ママ』と呼んだことでした。
つまりその息子さんは『パパ』のことも『ママ』のことも『ママ』って呼ぶ時期があったそうなんです。
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「自分を守ってくれる人」と言う概念としての『ママ』と言うコトバ
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その同僚の先生曰く、どうやらその息子さんの中では「自分を守って世話をしてくれる人」=「ママ」と言う感覚だったみたいです。
学問的なことはわかりませんが、とにかくその先生はそのように感じたみたいです。
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『わかる』の語源は『分ける』
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ここで思い出したのが、「『わかる』の語源は『分ける』」と言う話でした。
認知心理学などが専門だと思いますが、僕らは自分の周囲の世界を少しずつ分解して世界を認識していくそうです。
つまりこの息子さんの中では今後このような認知変化が起きていくと考えられます。
①「自分の世話をして守ってくれる人たち」=「ママ」
②–1「自分の世話をして守ってくれる人で授乳してくれる人」=「ママ」
③–2「自分の世話をして守ってくれる人で授乳してくれない人」=「パパ」
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抽象と具体の両方を通して我々はモノゴトを立体的に理解する
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今日書いた内容は「当たり前」で目新しい内容は無いかもしれません。
でも自分にとっては「『わかる』の語源は『分ける』」と言う頭で理解していた知識(=抽象概念)が同僚の先生の息子さんと言う具体例を通して立体的に捉えることが出来たと思いました。
「抽象」と「具体」この2つをバランス良く提示して教えることはやはり効果的だな、と何だか思った出来事でした。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。