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冠岳山ひきこもり日記

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日に日に深まる秋に、至極上機嫌な今日この頃。大自然に囲まれた冠岳キャンパスが、1年で最も輝く時季。昨年やその前の年の秋はこんなにも深く、長かっただろうか?とふと思ったが、そういえば、今年は例年比3倍で外に出ている気がする。こんなに素敵な景色に囲まれるなら、アウトドア派も悪くない。

土曜の昼下がり。昨夜とある友人が「カフェで見つけてズハを思い出した」と買って寮まで持って来てくれた無花果のミルクレープと共に、終わりが見えない発表準備に奮闘中。大好物の無花果=私というイメージが定着しつつあることも、気遣ってくれる温かい人が周囲にいることも、とても嬉しいな。

「その地域を最も愛する人こそ、その地域を最も憎む人でもある」

今学期履修中の世界地域研究概論の講義にて、教授が仰った言葉。私は地域研究者でも何でもないけど、なんだか救われた気がした。
韓国生活も4年目。時にはここでの日々に嫌気が差すこともあるけど、腐らず愛を忘れず頑張りたいな。

班の新入生歓迎会に参加。新入生として臨んだ1年前の記憶が鮮明に蘇ってきたと共に、1年が経った今、先輩としての役割を完璧に熟す同期たちの姿に成長を感じ、込み上げてくるものがあった。対照的に、新入生よりも新入生ムーブをかまし、同期たちに呆れられる私…良い先輩になれるかな。

氷点下の気温。冬の到来。キャンパスを吹き抜ける肌を刺すような冷たい風に、鼻をすすっては文句を言い、尚も地面にこびりついたままの銀杏を視界に入れては、過ぎた秋の日に思いを馳せていた。はずだった。いざ秋らしい気候が再来してみたら、今度は相対的な暑さに愚痴を漏らす。私たち本当に我儘ね。

都会で生まれ育った私にとって、「朝の合図」は道を忙しなく行き交う車と人の気配で、「雨の匂い」はペトリコールだった。未だ慣れない、早朝に耳をくすぐるカササギの鳴き声と、冠岳山の豊かな自然を意識させる雨をたっぷり含んだ土と青い草の匂いに、小中学時代の年例行事だった林間学園を思い出す。