圧倒的に紙の本派だった私が電子書籍を導入してみた
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本とわたし
私は本が好きだ。
特に、寒い時期になると本をよく読むようになる。
お風呂上がりの夜の時間に、温かいお茶を飲みながら、眠くなるまで本を読む時間が好きなのだ。
もう2年以上になるだろうか。
そんな私は、ひっそりと、しかしずっと、悩み続けていることがある。
悩みに悩んで、悩むのに疲れて、今回ひとまずレンタルという形で電子書籍の導入を決めた。
電子書籍をスッと導入できない理由や紙の本のどんなところが魅力的なのか、悩んだことや考えたこと、実際導入してみてどうだったのかをここに残しておこうと思う。
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やっぱり紙の本が好き
圧倒的に紙派なんだけど、そもそも紙の何が良いのか、電子書籍にしたくないのはなんでなのか自分の中で考えてみた。
紙と電子を共存させるという方法もあるんだろうけれど、多分わたしは器用に使い分けられない気がするので、ひとまずどちらかという考え方になっています。
①本との出会い方
私は、そもそも本屋や図書館が好きだ。
あの独特なインクや紙の匂いに溢れている空間にいるだけでテンションが上がる。
そんな私の本屋での楽しみ方の一つに、店内くまなく色んな棚を見て、自分の気になった本を手に取ってみる。
もちろん、この本を読みたいと直行することもあるし、このジャンルが好きでよくこの棚に足を運ぶということもある。
しかし、定期的になんの目的も持たずに本屋の全エリアを歩くのも好きなのだ。
その時々の気分や気になっていることに応じてなのか、目につく本や手に取ってみる本が異なるのが面白く、自分の興味の向くものの移り変わりを感じたりして、ある種自分を知ることにも繋がっている。
そんな行動が、自分の中で薄くても世界を広げていける気がしている。
こうした出会いが、電子書籍の世界では無くなってしまうと思うのだ。
(本屋や図書館には行けばいーじゃんという話でもあるのだけど。)
それが寂しく感じてしまって、なかなか電子書籍を遠ざけてしまっていた。
②紙をめくるという行為
質感や厚さといった紙というものの奥深さもさることながら、物理的にパラパラと紙をめくるという行為によって出会える一節があると思っている。
電子書籍にはページという概念がないと聞いていて、この本のこの辺にあったあの言葉とか、おもむろにページを開いた時に出会えた言葉とか、そういったものがなくなってしまうのではないかと、ちょっと寂しくなってしまうのだ。
また、紙をめくる指の感覚や、紙がめくれる時の音、それが次のページへのわくわく感の高まりにも繋がっていると感じられる。
それから、紙の本を指で触るからこそ、折り目がついたり、シミができたりしていくが、何度も読んでいる大切な本が馴染んでいく感覚、本に宿る温もり、とでもいうだろうか。その経年劣化すら愛おしいと思ってしまうのだ。
③電子書籍リーダーを買っても使わないのではという危惧
個人的な問題ではあるのだけど、電子書籍に限らず、モノによっては買って満足してしまうこともあると気づいているから、ちょっと不安なのだ。
紙の本ですら積読の山になっているところがある。
しかし、紙の本なら物理的に積んで置けるので、このくらい積読があって、これは読みかけで、ここは読了していて、など視覚的にすぐ分かる。
それから、本棚はその人をあらわすとも思っていて、本棚にある本を眺めるだけで、なんとなくその人のことがわかるような気がするように、私の本棚もきっとそうなんだと思う。
だけど電子書籍はそうはいかない気がしている。
端末の中に本が何冊も入る一方で、読まないままのデータが増え続ける不安もある。
それに、そもそも電子書籍リーダーがインテリアと化してしまうかもしれない。
ちゃんと持ち歩いて有意義に使えるだろうか。
持ち歩かなくてもお風呂に入りながら、とか、夜寝る前に、とか、自分の生活の中に電子書籍を取り込めるだろうか。
スマートフォンの誘惑に負けず、本を読むだろうか。
それに紙の本の積読はどうするの。
せっかくのお買い物。
使うならちゃんとしっかり使いたいからこそ躊躇してしまう。
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そもそも電子書籍にしようと思った理由
ここまで考えて、結局紙派だなと思うのだけど、それでも電子書籍に惹かれているところもあって、そこについても考えてみた。
①引越しの荷物の大半を本が占めたこと
収集心が強めなこともあり、本を集めたくなってしまう。
本当は壁面本棚に憧れていて、いつかあんな家に…なんて思っていたほどだった。
そんな私は昨年、引越しをした。
本棚付きのお家で、少し憧れに近づいたような気もしていた。
しかし、荷造りで一苦労することになったのだ。
本は、1冊の重さはそうでもなくとも、まとまると大層な重さになる。
私の荷物の大半を占めたのは本だったのだ。
大きい段ボールにまとめて入れてしまいたいけれど、重くなって運びづらかったり、ダンボールの底が抜けたりする。小さい段ボールに詰めたり、本と軽いものを組み合わせて入れたり、梱包に工夫が必要。もちろん荷解きも大変。
この時に感じたのは、もちろんこれからも本を読み続けるのだけど、本というモノに執着しないほうがいいのかもしれないということ。
きっと、モノを持たない方が軽やかに生きられる。
②本を読む気分
私は家で本を読むのも好きだけど、出先で本を読むのも好きだ。
カフェ、温泉などの宿、移動の電車の中、時には桜の木の下や海辺、日向ぼっこしながら、など外で読むこともある。
そんな時に、家から持ってきた本と私の読みたい気分が合わないとなんだかモヤモヤしてしまうことがある。
かといって、何冊もの本を持ち歩く気にはなれず、しぶしぶその本を読むか、本を読もうと思っていた時間がスマホを眺める時間に変わってしまうことも。
しかし、電子書籍なら何冊もの本が端末の中に入っていて、いつでも気分に合わせて違う本を読み進めることができるのだ。
気分屋の私にとって、それはとてもいいことのように思えた。
③本を持っていないと読めない
たくさんの本を読みたい気持ちがある。
しかし、そもそも本を読めるタイミングで本を持っていないと読めない。
ふと空いた時間に読む、隙間時間に読む、そんな時に本を持ち歩いていないことも多いのだ。
電子書籍専用の端末じゃなくても、スマホやパソコンでも読み進めることができるのは、きっと本との時間を今以上に取れるような気がした。
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いざ、導入!
しかし、端末を購入するのにはまだまだ迷いがあったため、レンティオという、”どんなものでも買わずにためせる” 家電のサブスク・レンタルサービスを使って電子書籍リーダーを使ってみることにした。
私が選んだ端末
これを、ワンタイムプラン(14泊15日)で試してみることにした。
多分、Kindle・koboが電子書籍において名前が上がることが多いのだろうけど、あえてBOOXを選択した。
というのも、私は普段から読書ノートをMicrosoft OneNoteにつけているのだけど、Kindleやkoboだと、他のアプリを端末に入れることができないらしいのだ。
BOOXならGooglePlayStoreが利用できるので、OneNoteに限らず、さまざまなアプリを入れることができる。読みながら読書ノートもつけられるなら最高だと考えたのだ。
実際どうなん?
端末が届いて約1週間。
正直、レンタルで良かったと思っている。
BOOXは私には少し難易度が高かったかもしれない。
初期設定が難しく感じられ、実際に読める状態にするまで2日ほどかかった。
説明書的なものも無く、あってもそんなに読み込むタイプじゃない私にとって、感覚的に触れないことが少々ストレスに感じられた。
そして今は机の上に転がっていて、全然触る気が起きていない。
きっと慣れが必要なんだと思うのだけど、今は、たとえOneNoteが入れられなくても実際に購入するのはもう少し感覚的に触れる端末にしようかな、とか、まずはスマートフォンやパソコンで電子書籍に慣れてみて、その後専用の端末を購入しようかな、なんて考えている。
もしかしたら数年後、電子書籍に触り続けて、慣れていたならBOOXを端末として持っている可能性は大いにある。
初心者向けじゃないと感じただけで魅力的な端末ではあるからだ。
(Boox Palmaにも惹かれてる。)
私の中でまだまだ続きそうな紙か電子か問題。
慌てずにその時々の自分が一番しっくりくる道を探していこうかな。