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【BEST OF ドラマ紹介① 過保護のカホコ】


毎日投稿チャレンジの3日目は少し気分を変えてドラマを紹介していこうと思う。
今日は2017年の7月期に日テレで放映されていた「過保護のカホコ」について語ってみる。

主演は高畑充希、脚本は遊川和彦で当時仮面ライダー上がりの若手俳優だった竹内涼真が一躍有名になったドラマでもある。
東京のとある街で両親に目一杯愛情を注がれた結果、大学4年生にもなって車の送迎や就活の面倒まで見てもらっていた"箱入り娘"の根本加穂子が、施設育ちで画家になるという大きな夢を抱えてバイトに創作活動に励む麦野初という青年と出会うことで両親から自立していき、
家族や周りの人をまとめる役割を見つけていく、というホームドラマであり成長ストーリー。

このドラマの放映時、高校1年生だった私はリアルタイムで視聴していた。

カホコを溺愛しつつもいざというときに叱ることができない優しすぎる "パパ" 正孝を演じる時任三郎と、カホコを過保護に育ててしまった最大の原因であり愛が少し重すぎる強烈な "ママ" の泉を演じた黒木瞳のキャラクターがしっかり脳裏にこびりついていたのを覚えている。
その他にも三田佳子の安心できる安心感のある "バーバ" の存在や、空気の読めない茶目っ気のある西岡徳馬演じる "ジージ" 、カホコの叔母たちのキャラクターも強烈で、彼らが親戚で集まっては何か問題が暴露され、いさかいが起きる画が妙に現実味を帯びていた。


カホコは母の泉が長い不妊治療の末授かった一人娘のため、両親から守られて育ってきた。
ママは豪華な弁当を毎日用意し、服もママに選んでもらう。そして、パパはいつもカホコのお小遣いを心配してチャージ用にとカホコに一万円札を渡す。そして毎晩カホコの幼少期からのビデオを3人で鑑賞する日々。
そんな環境で育ったカホコは、世界を疑ったことがない。

当時、寮生活をしていた私は寮にある共有テレビでドラマを観ていたのだが、周りにいる友人たちはみんな世間知らずで鈍感で不器用なカホコにイラつきを覚えていた。
実際、1話から2話あたりのカホコは目も当てられないくらいの箱入り娘を発揮させている。
そんなカホコも麦野初という真反対の環境で育った青年と出会うことで、自分の置かれた環境の有り難さや、自分自身の将来的について改めて見つめ直す機会を作らされていく。

この作品の個人的にいいな、と思うところは
過保護をネガティブなままで終わらせないところだ。
初と出会い、将来の夢を考えたり、家族に降りかかるさまざまな問題と向き合っていくなかで
カホコは自分の中にあった誰かの役に立ちたいという思いがどんどん強くなっていく。

「みんなのためになにかできないかな?」

不器用ながら一生懸命考え、行動するカホコ。
回を重ねるごとにカホコは逞しくなっていき、
終盤では今までアドバイスを受けていた初に
母の泉のようなお節介を発動させるくらいの
強さを持ち合わせるようになる。


連続ドラマ終了から一年後、「過保護のカホコ2018 ラブ&ドリーム」が放送された。
両親から独り立ちして初と共に新たな生活をスタートさせるも、問題山積みで追い詰められたカホコに亡きバーバが夢枕に立ってこんなアドバイスをする。


初代 そういうときはね、自分の一番良いところを忘れてるのよ。

カホコ カホコの一番良いところってどこ?

初代 それは、過保護に決まってるでしょ。
(中略)過保護に育てられたおかげで後悔したこともないし、愛と夢を100%信じられるようになったのよ。

「過保護のカホコ 2018 ラブ&ドリーム」


カホコが大人になるための試練として立ちはだかるのは母の泉。
ここまでカホコを愛情かけて育ててきたからこそ、カホコが幸せになるためならどんな手も尽くすし、障害物はすべて取り去ろうとする。
その姿は過干渉で毒親とも取れる面があった。
祖母の初代は泉が過干渉になったことを過去の自分の子育ての原因だと考えていた。
初代が病床で泉に謝罪しつつも、泉の母として子離れするように諭すシーンには深い愛情があった。
初代から泉へ、泉から加穂子へ
そしてカホコは初との間に生まれてきた双子たちへ
完璧にはいかない子育ての中でも、確かに愛情のバトンリレーがなされていた

私の好きな言葉にこんな言葉がある。

"優しすぎるくらいがちょうどいい"

世の中には色んな家庭事情を抱えた家族が存在する。作中にも初以外に、母親に捨てられ養護施設を脱走する保という少年が登場する。
愛情不足により「大人はどうせ裏切るんだ」
という疑いを持ってしまう子供たち。
カホコは彼らとの出会いを通して、彼らに目一杯の愛情を注ぎたいと強く思うようになる。

この世の中には沢山の不信と疑いによる苦しみが存在していると思う。そんな中でカホコのように誰かを大切に思い、それを言葉に、行動に移せる愛情深い人の存在は、「信じられる」という希望を持たせてくれると思う。
カホコが壁にぶつかったように、優しいだけではどうにもできない苦難困難は人生の中で沢山ある。
だけど、苦しみの中でも何かを信じられるということは、人生を生き抜く原動力へとなる。

この「過保護のカホコ」という作品は一番身近な家族愛というものを通して、目に見えない愛が人を強くすることを教えてくれる。

沢山笑って、親の愛に心の底から泣ける最高のホームドラマ。
一人暮らしや新生活をはじめた人はぜひ一度観てほしい。

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