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【16bit】新作に触れる機会が減っている

 かつて「キモオタ」とされた者が、年齢を経るごとに新作に触れる機会が減り、オタクらしさが知らぬ間に欠落したことで、「ただのキモ」になる……そういった言説がネット上には存在している。
 実際にかつての熱量と比べて自身にも当てはまると考える人は少なくない。

 事実、僕自身も新作アニメを見る機会が減っている。手元の日記を読みかえすと、先日noteにも書いたポケモンアニメ「放課後のブレス」第一話から、アニメは何も見ていないらしい。
 「アニメ」と言えば、こういう話題の場合、原則的に深夜アニメであるべきだとすれば、それより前に「ぼっち・ざ・ろっく」をほぼ一気見したくらい。こちらは深夜アニメであると同時に、比較的新しい。
 
 なお、かつてしたことのない話題だが、「百合」的に鑑賞する場合、僕は「星ぼ」か「ぼ廣」派。無論、それ以外も認めはするけれど、あくまでも僕の嗜好の話です。
 年齢差という社会的歪さ。同世代には伝わらないぼっちちゃんの音楽性(双方の理解者)。ぼっちちゃんの将来・生き方を大きく変えるという意味でも、この二人の大人は、ダメなところもありつつ、先人としての役割も果たす稀な存在。

 突然のカプ語りはこの辺にして、本題。映画鑑賞や読書が、コンテンツの摂取ではメインになりつつあった僕ではあるが、今期のアニメもひとつ見始めた。「16bitセンセーション」だ。

 実を言うと、設定自体は「ぼくたちのリメイク」に近いところがある。なので、真新しさで選んだわけではなくて、単純にクリエイターものが好きだから。なので、今後タイムスリップという設定が僕個人の鑑賞にどう影響するかは分かりかねる。ちなみにOPは中川しょこたん先生。

 ところで、僕はあえて分類するなら「懐古厨」より。つまりアニメ作品はなるほど新作を追うことは少なくなったものの、過去作・名作についてはむしろ積極的に触れるようにしているし、それが僕の楽しみとなっている。
 そのため、いざタイムスリップ云々はべつにして、作中で僕の好きな「Kanon」が熱く語られたりすると、新作を見つつまた“過去の名作”に進んでしまう。

 ところで、本作には「冴えない彼女の育てかた」もちらりと登場。
 僕はですね、クリエイターもの全般に当てはまることではあるけれど、特に冴えカノを見たり読んだりしてからは【「消費(オタク)」であるよりも「創作」】という意識が強まり、既にその当時から推し活には馴染めない身体になっていたのだ。

 そして今回の主人公も、好きな二次元美少女を、いずれは自分の手でゲームにしたいという意志がある。たとえ世間では美少女ゲーが廃れつつあろうとも。

 僕自身の話をすれば、ネットで小説を投稿するというのは、既にインスタやYouTubeといった動画・写真文化の時代にあって、同人・商業的に趣味を発展させることの難しさを自覚している。
 それでも、自分には文字で書きたい・読みたいという意識がある以上続ける。
 おそらくは主人公である彼女の感覚もそれに近いのだろう。部屋には綺麗に並べられた美少女たち。それらがミューズとして創作を見守るというのは、僕の部屋にも当てはまることだ。

 なので、本作は現状、単に懐古趣味を加速させるような作品であるわけではなくて、しっかりとクリエイターものとして、既に僕の心の中の何かを鼓舞してくれているのだ。
 こういうことがあるからこそ、「ただのキモ」になるのはまだ先にしておきたい。

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綾波宗水
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