膝が痛くて正座が出来ない-原因と4段階で完治した施術を鍼灸師が解説
関節や筋肉について専門的に学び、鍼灸師の私が実際に施術したケースをご紹介します。
今回は、右膝が痛く正座が出来なくなってしまったケースについて。
主訴・経緯~登山後から膝の奥の痛みが悪化
右膝が痛く正座が出来なくなってしまったという、65歳の女性。身体を動かすことが好きで、毎朝1時間程度のウォーキング、テニス、軽登山をする活動的な方です。
ある時から、正座をしようとすると右膝の奥に何かはさまっているような違和感を覚える。無理矢理なら何とか正座することが出来ていたので、しばらく様子を見ることにした。
軽登山をした際、普段より歩き過ぎ、その翌日から症状が悪化。
近くの整形外科では、湿布を処方され、様子を観ましょうということになり、2回目の受診でリハビリを勧められる。
1ヶ月間、週2回のペースでリハビリを受けるが、改善しないので知り合いの紹介で来院されました。
見立て~ガニ股が原因で膝裏の筋肉に負担がかかっていた
触診により、問題があるのは膝の裏にある膝窩筋(しつかきん)という筋肉と膝裏の軟部組織の硬さであることが分かりました。
また立った姿勢でのアライメント評価(骨が正しい位置にあるかどうか鑑別するテスト)から、右膝は左膝よりもガニ股になっている、つまり、大腿骨(ふとももの骨)に対して脛骨(すねの骨)が外側にねじれていることが分かりました(イラスト下)。
原因は、膝から下だけガニ股になることで、膝の裏の筋肉、膝窩筋(しつかきん)が常に伸ばされている状態になっていたこと。
そして、その状態で散歩や登山をすることで、さらに膝窩筋に負担がかかり、膝窩筋周囲の軟部組織も緊張して硬くなり、痛みが発生していました。
よくみられる症状で、この方のように正座をする際に痛みが生じるほか、ジャンプや急な方向転換(バトミントンやテニスのように急に方向を変える動作)や、長時間の歩行やジョギングなどによっても痛みが出て来ます。
施術~原因を取り除き、正しい動きを覚えて完治へ
施術は4段階で行いました。
①まずは、右側だけのガニ股状態に対する施術。
大腿骨(太ももの骨)に対して脛骨が正常な位置に戻り、膝窩筋が働きやすくなる方向へ誘導する徒手療法をしました。
②膝関節後方の軟部組織が硬くなっていてので、鍼と徒手療法で軟部組織の緊張を緩める施術をしました。
③膝関節を曲げる時にガニ股にならないように、他動運動と自動運動の補助を行いました。
④この方の場合、痛みが出にくいように正しい身体の動かし方を覚えていただくことが完治には必須。そのため、自宅でのセルフエクササイズ指導も行いました。
週1回のペースで来院していただき、4回の治療で完治しました。
レントゲンでは原因特定できない
今回の膝窩筋の痛みはよくみられる症状ですが、歩くことはできるため、すぐに医療機関に行く方は少ないようです。
また病院でも、レントゲンなどの画像診断では筋肉が硬くなっているのは写らないため、今回の方のように、湿布などを出されて終わることも多いようです。
そして、そのまま数ヶ月以上症状が続いて、慢性化してから来られる方がほとんどです。
私の強みは、筋肉や関節の仕組みを理解していること。そのため、痛みが生じる動作を特定して痛みの原因も特定し、そこに的確な施術が行えます。
今回のケースのように、「膝が痛くて正座ができない」という方は、ぜひ調布の春宵堂治療院にお越しください。
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急性期、慢性期の各種関節痛を得意としています。
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