朝食のお話
朝食はパン派です。
ご飯に味噌汁と納豆も大好きなんですが、
(人生の最後に何が食べたい?と聞かれたら必ず「納豆‼︎」と答えてきた)
基本的にはトーストした食パン、バター、ヨーグルト、シリアル、インスタントのブラックコーヒー。ほぼ毎日これです。
自分で「ジャムの旅」を始めてからは、これに季節のジャムが加わりました。
今までジャムってあんまり積極的には食べてこなかったんですが、ここ1年くらいは毎朝必ず食べています。
どんなジャムもバターと一緒に食べれば最高に美味しくなる。
(カロリーお化けですが…)
そんな季節のジャムの作り方も、これから少しづつアップしていこうと考えています。お楽しみに…。
さて、みなさんは印象に残っている朝食ってありますか?
僕の印象に残っている朝食のお話をしたいと思います。
若い頃、ベルギーのパティスリーで働き始めて驚いたのが、毎朝スタッフみんなで朝食を食べること。
大きな厨房の横には中庭があって、そこにテーブルを出し、その日焼き上げたばかりのパンを食べてました。
定番のパンはライ麦の酸味があって重め、表面にはオーツ麦やゴマがまぶしてある大きくて丸い形。これを薄くスライスしてトーストせずにバターやパテをのせて食べる。
(ベルギーではタルティーヌと呼んでいたな…)
最初は馴染めなかったけど、滋味深いその味はすぐに大好きになりました。
朝5時に厨房に入り、朝食が始まるまでの3時間、そのパンが楽しみで頑張った。
(言葉や文化にまだ慣れず、ストレスも多かったからね…)
ほんとにむちゃくちゃ美味しいんです。
シェフとスタッフ、洗い場のボスニア人(すごく大きくて優しいおじさん)、そしてゴールデンレトリバーのジュティが揃って毎朝、外に出て食べる。
冬に近づくと結構寒いんだけど、みんなジャンパーを羽織って「寒い、寒い」と言いながら食べる。
(そろそろ中で食べようよって思ってたけど、誰も言い出さないのはなぜ?)
パンを欲しがるジュティのよだれで僕のズボンは汚れるし…。
でもこの時間はとっても自分のためになりました。
おしゃべりに取り残されないように必死でフランス語で話の輪に入ったし、ベルギー人の考え方や食文化なども教わることができた。日本を離れた寂しさや、将来に対する不安もあったけど、「よし、とりあえず目の前にあることから頑張ろう!」って思えた。
シェフのピットさんと一緒に日本のイベントに参加するため、一週間ほどベルギーを離れた時のこと。
美味しい日本食やお酒を堪能してベルギーに帰り、最初の朝食。
ピットさんがタルティーヌを頬張って、
「あ〜、やっぱりタルティーヌだよな〜」
って目をつむりながら言っていた。
この感覚は日本人が海外旅行から帰ってきて、
「あ〜、やっぱりご飯と味噌汁だよな〜」
と感じるのと同じかな。
生まれ育った土地の味って、自分にとっては一番
なんですね。
日本に帰ってきてからの職場でも、晴れた日には外にテーブルを出してみんなで昼食をワイワイ食べてました。
(はい、思いっきりヨーロッパかぶれですが、何か?)
自宅でも余裕があれば、ベランダにテーブルを出してパンとコーヒーで朝食を食べています。
不思議なんだけど外で食べると美味しく感じるし(不味いものが美味しくなるわけではない…)、ポジティブな気分になる。
それはやっぱりあのベルギーでの朝食が教えてくれたんだと今でも感謝しています。
朝食の思い出でした!